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📘頭頸部の手術②:甲状腺・副甲状腺手術 | 麻酔科専門医試験対策 青本online

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【🌟☆☆】:直接聞かれることはないが,基礎知識として必要
【🌟🌟☆】:問われる可能性があり,おさえておいたほうがよい.
【🌟🌟🌟】:問われる可能性が高く,重要です.


🔑 KeyWords


甲状腺 副甲状腺 反回神経麻痺 甲状腺クリーゼ 術後出血 EMGチューブ 低カルシウム血症 テタニー 



🔷 甲状腺手術の術前評価


Q.  【🌟🌟☆】 甲状腺手術の術前評価のポイントを説明してください.


  • まず甲状腺機能検査(TSH,FT3,FT4)を確認し,機能亢進症例では抗甲状腺薬を手術当日まで内服します.必要に応じてβ遮断薬を併用も検討されます.

  • 気道評価として,嗄声の有無反回神経麻痺の評価,喉頭ファイバーでの声帯運動確認,頸部周囲径の計測,気管偏位や圧迫の程度を胸部X線やCTで確認します.

  • 巨大甲状腺腫の場合,気道確保困難の可能性を考慮し,意識下挿管の準備も検討します.

  • バセドウ病(甲状腺機能亢進症の約80%)では心房細動の合併もよく見られるため心電図も確認します.


【補足・解説】

  • 巨大な甲状腺腫瘍の場合,特に麻酔導入時の気道管理には気を使います.

  • 試験では,咽頭が浮腫状であったり,圧迫による気管の狭小化や偏位が見られることが多いので,それに即した解答を心がけましょう.




🔷 甲状腺手術の術中管理


Q.  【🌟🌟☆】 甲状腺手術の術中に気をつけることを説明してください.


  • まず体位(甲状腺位)による気管チューブの位置変化に注意が必要で,頸部伸展により1〜2cm程度浅くなることを考慮します.反回神経の術中神経モニタリングを行う場合は位置の再調整が必要になることもあります.

  • 甲状腺機能亢進症例では,頻脈や不整脈に注意し,エフェドリンやアトロピンなどの交感神経刺激薬の使用は避けます.

  • 大きな腫瘍の場合,摘出操作による気管の圧迫や偏位に注意し,必要に応じて換気モードを調整します.

  • 術者の体も手も頭元で動くので,チューブの屈曲や圧迫,ひっかけなどが起きないように,固定する位置に気をつけます.


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