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📘整形・脊椎・外傷手術③:重症熱傷患者管理 | 麻酔科専門医試験対策 青本online

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【🌟☆☆】:直接聞かれることはないが,基礎知識として必要
【🌟🌟☆】:問われる可能性があり,おさえておいたほうがよい.
【🌟🌟🌟】:問われる可能性が高く,重要です.


🔑 KeyWords


熱傷 スキサメトニウム ロクロニウム 高カリウム血症 気道熱傷 熱傷面積 Burn Index 



Q.  【🌟☆☆】 熱傷の深達度について説明してください.


  • Ⅰ度,表在性Ⅱ度,深在性Ⅱ度,Ⅲ度の4段階に分類されます.

  • Ⅰ度熱傷:表皮のみの障害.発赤と熱感を伴い,水疱形成はなし.

  • 表在性Ⅱ度熱傷:表皮と真皮浅層までの障害.水疱形成と強い疼痛あり.

  • 深在性Ⅱ度熱傷:真皮深層まで及び,水疱形成と比較的軽度の疼痛あり.

  • Ⅲ度熱傷:皮膚全層の障害で,皮膚は白色や黒色に変化し,疼痛はありません.


【補足・解説】

  • Ⅰ度と表在性Ⅱ度は保存的治療で治癒が期待できますが,Ⅱ度深在性とⅲ度では手術が必要となることが多いです.

  • 最近では,レーザードップラー血流計を用いた客観的評価も行われているようですね.



Q.  【🌟☆☆】 重症熱傷患者の定義について説明してください.


  • Burn Index = [ Ⅲ度・%TBSA ] + [ Ⅱ度・%TBSA × 0.5 ].

    • これが15以上で重症と判定します.

  • Artzの基準:① Ⅱ度で30%TBSA以上,Ⅲ度で10%TBSA以上,② 顔面,手,足,外陰部の熱傷,③ 気道熱傷の合併,④ 骨折の合併,⑤ 電撃傷または雷撃症,⑥ 化学熱傷(特に酸)が重症熱傷と判断されます.


【補足・解説】

  • TBSA:Total Body Surface Area

  • %TBSA:熱傷面積の体表面積に対する割合

  • 日本熱傷学会の重症度分類も広く使用されており,受傷面積,年齢,気道熱傷の有無を点数化し,評価を行います.

    • 重症:II度熱傷が30%以上,またはIII度熱傷が10%以上,または特殊部位(顔・手・会陰など)の熱傷,気道熱傷,化学損傷,電撃症など

    • 中等症:II度熱傷が15~30%,またはIII度熱傷が2%~10%(顔・手・会陰を含まない)

    • 軽症:II度熱傷が15%未満,またはIII度熱傷が2%未満



Q.  【🌟☆☆】 熱傷面積の推定はどのように行いますか.


  • 9の法則(成人):頭部,上肢それぞれ9%,体幹の前と後ろ,左右の下肢はそれぞれ18%
    5の法則(小児):頭部は15%,両上肢は10%,両下肢は15%,体幹前面が20%,後面が15%.
    幼児:幼児では頭部20%,両上下肢それぞれ10%.体幹前面20%,後面20%.


【補足・解説】

  • 患者の手掌(手指を含む)の面積が体表面積の約1%であることを利用した手掌法も,部分的な熱傷の評価に有用です.

  • Lund-Browderチャートでは年齢による体型の違いを考慮しており,より正確な評価が可能となります.

【参照】熱傷面積推定法

熱傷面積推定法(Google画像検索)

【参照】Lund-Browderチャート

Lund-Browderチャート(Google画像検索)

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