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📘ペインクリニック・緩和医療⑤:慢性痛の管理 | 麻酔科専門医試験対策 青本online

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【🌟☆☆】:直接聞かれることはないが,基礎知識として必要
【🌟🌟☆】:問われる可能性があり,おさえておいたほうがよい.
【🌟🌟🌟】:問われる可能性が高く,重要です.


🔑 KeyWords


神経障害性疼痛 複合性局所疼痛症候群 CRPS 帯状疱疹後神経痛 PHN 抗ウイルス薬 遷延性術後痛 術後遷延痛 CPSP 神経ブロック



🔵 基礎知識


Q.  【🌟☆☆】 神経障害性疼痛の症状を列挙してください.


  • アロディニア(allodynia):通常は痛みを感じないような軽い接触(衣服の着脱や擦れ)で痛みを感じる状態,

  • 痛覚過敏(hyperalgesia):痛み刺激に対する反応が過敏な状態,

  • 異常痛症(hyperpathia):刺激に対する異常な痛み反応を示す状態.

  • ジセステジア(dysesthesia):不快な異常感覚,

  • パレステジア(paresthesia):不快感を伴わない異常感覚として現れます.

  • 痛覚消失(analgesia),痛覚鈍麻(hypoalgesia),感覚鈍麻(hypoesthesia)のように感覚が低下する症状も見られます.

  • これらの症状は複数が組み合わさって出現することがあります.





Q.  【🌟🌟🌟】 神経障害性疼痛の薬物療法アルゴリズム(神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン改定第2版:ペインクリニック学会)の第1選択薬を挙げてください.


  • Ca²⁺チャネルα₂δリガンドで,プレガバリン(リリカ®)とガバペンチン(ガバペン®),

  • セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)のデュロキセチン(サインバルタ®),

  • 三環系抗うつ薬(TCA)で,アミトリプチリン(トリプタノール®),ノルトリプチリン(ノリトレン®),イミプラミン(トフラニール®)





Q.  【🌟☆☆】 上記アルゴリズムの第2,第3選択薬を挙げてください.


  • 第2選択薬としては,ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液(ノイロトロピン®.覚えにくい・・!)と弱オピオイドであるトラマドール(トラマール®,ワントラム®)があります.

  • トラマドールはμオピオイド受容体作用に加えて,セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害作用も有します.

  • 第3選択薬は強オピオイドで,モルヒネ(オプソ®,MSコンチン®など),オキシコドン(オキシコンチン®など),フェンタニル(デュロテップ®MTパッチなど),ブプレノルフィン(ノルスパン®テープ)などがあります.オピオイド鎮痛薬は慎重な治療開始と用量調節が必要です.




Q.  【🌟☆☆】 CRPSとは何ですか?


  • Complex Regional Pain Syndrome(複合性局所疼痛症候群)の略.

  • 外傷や手術後などに,その程度に比べて過度に強い痛みや腫脹,発汗異常,皮膚温の変化などの症状が出現し,慢性化する疼痛症候群です.

  • 上肢や下肢に多く発症し,早期診断と適切な治療介入が重要です.


【補足・解説】

  • CRPSの痛みは「火傷のような」「電気が走るような」と表現されることが多く,アロディニアや痛覚過敏を伴うことも特徴です.

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