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どれかは持っとくべき解剖の本:解剖学はなぜつまらないのか?
解剖と生理は,単語と文法
「生理学」と並んで嫌いな人が多い「解剖」.でもしっかりと勉強すると生理学と同様「最強」の理論武装の一翼を担うことができます.外国語習得のコアが「単語」と「文法」,あとは「実践」なのと同様に,医学でも「解剖学」と「生理学」がコアなのです.
そういうわけで今日は医学のキホン,「解剖」の教科書を紹介したいと思います.でもたくさんあるなかでどれがよいのでしょうか?
解剖も「美しいイラスト系」「シェーマが多いゴリゴリ教科書系」「実物系」とさまざまですね.分野的にも総合的なもの,分野別のものなどとわかれています.
結論としては「分野ごとに一つお気に入りを持っておく」です.まぁどれも基本的には高価なものも多いですし😅.参考書マニアを自称する私でもそんなにもってるわけではないです.
解剖学の教科書は少々教科書が古くても問題なく使えるのがいいですね!(人体の構造は変わらないので)
また,最近は電子書籍化(KindleやM3電子書籍)もされており,重い本を持ち歩かなくてもよくなった素晴らしい時代です.でも目につかないので本棚以上に積ん読になるリスクも・・・😅
解剖はなぜつまらない?
私も大嫌いでした.私が通った大学は2年生で解剖学の講義と試験があったのですが,解剖学を落とすとそれ1つで「即留年」となる科目で学生から恐れられていました.なんとか救ってくれるといいのですが(笑),試験も難しく結構留年者が多かった記憶があります.
もともと人体への強い興味を持っている人が多い(はずの)医学生でも解剖学は嫌いという人が多いです.それはなぜでしょうか.それは・・
解剖と機能,疾患の知識がつながっていない
単純に名前が難しく,覚える量も多い.
おもにこの2つが理由だと考えられます.大きな臓器や筋肉,メジャーな血管ならまだしも,ものすごくこまかな部分や肉眼ではわからない部位の違いなどは,実臨床で見る疾患とのつながりが知識が乏しい医学生にはイメージしにくく,それが苦手意識を持ち始める大きな原因となっていると思われます.
その証拠に,イメージがしやすい筋肉には興味を持ってる人(特にビルダー系の人たち💪)がたくさん世の中にはいますよね.
実際に臨床を始めると実は楽しくなる
そんなつまらなかった解剖学も実際の臨床を始めると,自分の専門分野とつながり,その「目」ができた状態で教科書を俯瞰できるので,理解度が格段に上がり,急に面白く感じられてきます.特に外科系や,全身の解剖にある程度精通する必要のある麻酔科ではそれが顕著だと思います.
神経ブロックなどは解剖わかってないとこわくてできませんしね😊.
どの教科書使おうかな
解剖学実習には実際の写真が多い教科書がいいが・・
解剖学実習のころはおそらく指定の教科書(解剖学講義)や実際の写真が多く使われたカラーアトラスなどがあったと思います.しかし,改めて勉強する際には,「カラーイラスト」系の教科書と「アトラス」,「臨床につながる
系の解剖学」の本がおすすめです.
カラーイラスト系には理想的な解剖がわかりやすく描かれているので,基本を理解し直すにはちょうどよく,その知識をもとに実際の患者さんを見るほうが理解が深まるのではないかと感じています.また臨床に即したテーマに沿ってまとめられています.
おすすめの教科書①:グレイ解剖学
アメリカのドラマの名前にもなっているグレイ解剖学ですが,まぁ鉄板の1
冊です.
「グレイ解剖学」の原著は第3版なので,英語で学びたい人はぜひそちらで笑.
おすすめの教科書②:カラー図解 人体の正常構造と機能(アプリ版もあり)
美しいイラストはもちろんのこと,それぞれのぺージの各項目の表題が,その解剖と臨床・生理に直結するようなものになっており,とても有益です.でも読破するのは大変です.自分の専門分野と関連分野に絞って読むのがオススメ.
ややお高いですが,コスパと分冊になっていることを考えればコスパは高いと思います.版を重ね現在第4版(2021年)です.
おすすめの教科書③:臨床のための解剖学 第3版
②の系統の教科書ですが,みっちりと書かれており,読破するのは大変だと思います笑.内容も硬派なのですが,各専門分野の診療につながる優れた本で私は大好きです.名前とイラストと特集に惚れました😊
ただし,どちらかというと読みやすいのは見出しがしっかりしている,上記の「人体の正常構造と機能」のほうだと思います.
おすすめの解剖学アトラス
アトラスはこのグレイ解剖学の他にも「プロメテウス解剖学アトラス」や「ネッター解剖学アトラス」がありますが,どれを選んでも良いと思います.どれか1冊持っておきましょう!
神経ブロック用や麻酔科医に特化した解剖・生理学の本は・・
こちらに関してはまた別ページで紹介していきたいと思います!