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N値 E値 V値 フィボナッチ分析

一目均衡表の三大理論に、時間論・波動論・値幅観測論の3つの理論があります。
中でも値幅観測論は相場分析をする際に重要で、値幅がどこまで伸びるのかを予測できます。
この記事では値幅観測論の計算値をチャート上に表示させる方法、基準値幅の見つけ方を詳しく解説していきます。

値幅観測論とは?

過去の値幅から計算をし、未来の値幅がどこまで伸びるのかを
予測する理論です。
値幅観測論には、「N計算値・ E計算値 ・ V計算値 ・」の3つの代表的な計算方法があります。
まず値幅計算とはどのようなものか、確認しておきましょう。

トレンドフォローで利用できるN値計算

値幅で最もポピュラーな計算方法が「N値計算」です。

N値とは
N値とは、起点からのスイングと、調整後のスイングが、同じ値幅で動くと予測する分析方法です。
押し目買い・戻り売りを狙ってトレードしているのであれば、必ず覚えて起きましょう。
世界中の8割のトレーダーがトレンドフォローと言われているだけあって、
N値理論はかなり反応します。
また、N値理論という名称ではなく、『AB=CD』と呼ばれることもあります。

N値の計算方法と手順

N値の計算方法は次のような手順になります。
STEP①|初期のスイングの値幅を計算
上昇トレンドの場合はB−Aで計算することができます。
STEP②|押し目(戻り目)からB−Aと同じ値幅を予測する
つまり、押し目買いの後は
B−A = D−C
この値幅で相場が動くと予測します。

N値をチャートに表示する方法

N値を分析する方法があります。
『フィボナッチエクスパンション』です。
実際に、チャートで確認してみましょう。

こちらが、フィボナッチエクスパンションです。
フィボナッチエクスパンションの100%が『N値100%』です。
フィボナッチを使った分析をされていない方でも、値幅を測るために便利なツールがフィボナッチエクスパンションです。

フィボナッチエクスパンションには「61.8%」「100%」「161.8%」という数値が登場しますが、これはフィボナッチ数列から求められる数値です。
自然界では黄金比として知られており、実際に相場の世界でもそれらの水準でトレンドが反転することがよくあります。
フィボナッチ数列を使ったテクニカル分析には、トレンド中の押し目や戻り目の水準を予想する「フィボナッチリトレースメント」もあります。
フィボナッチエクスパンションはトレンドの
拡大(エクスパンション)
を予想するのに対して、
フィボナッチリトレースメントは
トレンドの戻り・押し(リトレースメント)を予想する点が異なります。
主にフィボナッチエクスパンションは利益確定
フィボナッチリトレースメントは新規売買のタイミングを計るのに利用されます。

  • エクスパンション:トレンドがどこで押し目・戻り目を作るか予想

  • リトレースメント:トレンドがどこまで拡大するか予想

始点から高値を結ぶ

フィボナッチエクスパンションを選択し、トレンドの始まりの安値(①)をクリックしそのまま高値(②)まで動かしてください。

押し目(戻り目)を合わせる

③押し目の安値」に□マークを合わせましょう。
フィボナッチエクスパンションをダブルクリックすると選択されますので、自由に始点の安値や高値を調整することができます。
必要に応じて調整をして下さい。

これで、フィボナッチエクスパンションがチャートに引けました。

上昇トレンドに対してフィボナッチエクスパンションを引きましたが、下降トレンドの場合も全く同様です。

フィボナッチエクスパンションの使い方

フィボナッチエクスパンションの使い方

  • トレンドを認識しエントリーする

  • フィボナッチエクスパンションを引く

  • 利益確定の目安で分割決済を行う

トレンドを認識しエントリーする

FXの相場環境は「上昇トレンド」「下降トレンド」「レンジ」の3種類しかありません。
このトレンド状態を確認する作業を「相場環境認識」と言います。

買い
売り
様子見

相場環境認識は、ダウ理論現在がどんな状況なのかを分析しましょう。
簡単にダウ理論を説明すると、高値と安値がそれぞれ切り上げれば上昇トレンド、高値と安値がそれぞれ切り下がれば下降トレンドです。
そして、トレンドを把握したら、水平線やトレンドライン、移動平均線などのテクニカル分析の手法でエントリーしましょう。
例えば下図のチャートでは、ダウ理論から高値と安値をそれぞれ切り上げており上昇トレンドと判断でき、上昇トレンドラインが引けるのでライン上で反発したタイミングで買いを狙えます。

フィボナッチエクスパンションを引く

次に、①始点の安値、②高値、③押し目の安値を結んでフィボナッチエクスパンションを引きます。
これにより、現在の上昇トレンドがどこまで続くのか、利益確定の目安を確認することができます。

利益確定の目安で分割決済を行う

フィボナッチエクスパンションでは、「61.8%」「100%」「161.8%」が利益確定の目安となりますが、より遠くで利確した方が利益は大きくなります。しかし、最初から「161.8%」を狙うと、予想が外れた時にせっかく得られた利益を逃してしまう可能性もあります。
そこで有効な手段が、「61.8%」「100%」「161.8%」のそれぞれで分割決済をする方法です。

これにより、着実に利益を伸ばしていくことが可能です。

フィボナッチリトレースメントの引き方

フィボナッチリリトレースメントの引き方は、現在のトレンドが上昇トレンドなのか、下降トレンドなのかによって異なります。

フィボナッチリトレースメントの引き方

  • 上昇トレンドで押し目を見つける

  • 下降トレンドで戻り目を見つける

それぞれ解説していきます。

上昇トレンドで押し目を見つける

上昇トレンドの場合は、①始点の安値から、②直近の最高値に合わせてフィボナッチリトレースメントを引きます。

始点の安値が100%直近の最高値が0%になるように引いて下さい。これが逆だと、正しく引けていないことになります。

上昇トレンドでフィボナッチリトレースメントが引けたら、「23.6%」「38.2%」「50.0%」「61.8%」が押し目で反発が予想される水準となります。

FXで買いエントリーをする場合は、フィボナッチの水準に達した瞬間に入るのではなく、反発を確認してからエントリーするようにしましょう。

下降トレンドで戻り目を見つける

下降トレンドの場合は、①始点の高値から、②直近の最安値に合わせてフィボナッチリトレースメントを引きます。

こちらも始点の高値が100%直近の最安値が0%になるように引いて下さい。これが逆だと、正しく引けていないことになりますので注意しましょう。

下降トレンドの場合も同様に、「23.6%」「38.2%」「50.0%」「61.8%」が戻り目で反転が予想される水準となります。

なので、その水準で反転が見られたら売りでエントリーを狙うことができます。

フィボナッチリトレースメントの注意点

簡単にトレンドの押し目や戻り目を予想できるフィボナッチですが、デメリットに近い注意点が何点かあります。

フィボナッチリトレースメントの注意点

  • 高値と安値の決め方に迷う

  • どの水準で反転するか分からない

高値と安値の決め方に迷う

フィボナッチリトレースメントの引き方は、「トレンドの始点」をどこにするか、「直近の最高値または最安値」をどこにするかで見方が分かれます。
例えば、下図のチャートでは始点の安値の候補がいくつかあり、チャートのスケール次第で人によって始点の決め方が異なるかもしれません。

これに関して、残念ながら正解はありません。
ただし、以下の点を意識することで、機能しやすいフィボナッチリトレースメントを引くことができます。

  • 始点はトレンドの始まりの安値か高値にする

  • 高値と安値はスイングハイ・ローでとらえる(ダウ理論)

ブレイクとレンジの値幅はE値計算

E値とは
E値とは、起点からのスイング(または、持ち合いの値幅)と、ブレイク後の値幅が、同じ値幅で動くと予測する分析方法。
ブレイク手法を採用しているのであれば、知って起きたい理論。
また、 レンジ後の値動きや、ダブルボトムやボックスなどのチャートパターンの値動きも、E値が目安になります。
相場の基本的な値幅計算になるので、こちらも知っておきたい計算方法になります。

E値の計算方法と手順(レンジ相場)

E値は、レンジ相場やチャートパターンのブレイクで特に意識されます。
レンジ相場での手順を解説していきます。

E値の計算方法は次のような手順になります。
STEP①|レンジの値幅を計算
レンジの値幅を計算しましょう。
[レンジの値幅] = B−A(または、D−C)
STEP②|ブレイクポイントからB−A(D−C)と同じ値幅を予測する
ブレイク後は
B−A(D−C)= E−D
この値幅で相場が動くと予測。

E値をチャートに表示する方法

その分析ツールが『フィボナッチエクステンション』です。
上記で紹介したフィボナッチエクスパンションではなく、
『フィボナッチエクステンション』
フィボナッチエクステンションは、フィボナッチリトレースメントの延長にあります。
チャートで確認してみましょう。

フィボナッチエクステンションの200%が『ブレイク後のE値100%』です。
フィボナッチエクステンションは様々な場面で利用できます。
フィボナッチ分析をされていない方でも使い勝手がいいと思います。

ブレイクで意識されるV値計算

次にブレイク後に意識されるV値計算を解説します。

V値とは
V値とは、調整の値幅と、ブレイク後の値幅が、同じ値幅で動くと予測する分析方法です。
V値計算は、特に、ブレイク後に意識される決済ポイントです。

V値の計算方法と手順

V値の計算方法は次のような手順になります。
STEP①|押し目(戻り目)の値幅を計算
上昇トレンドの場合はB−Cで計算することができます。
STEP②|ブレイクポイントDからB−Cと同じ値幅を予測する
つまり、ブレイク後は
B−C = E−D
この値幅で相場が動くと予測します。

V値をチャートに表示する方法


E値と同じように『フィボナッチエクステンション』を利用することで、
簡単にV値計算をチャートに表示することができます。
実際に、チャートで確認してみましょう。

フィボナッチエクステンションの200%が、ブレイク後の『V値100%』になります。

N値・E値・V値・の値幅計算の優先順位

さて、ここまで値幅計算の解説をされると、どの値幅計算を採用すればいいのか分からなくなりますよね。
ですので、ここで、参考程度に値幅計算の優先順位をあげておきます。

相場状況:値幅計算
押し目買い・戻り売りの場合:
N値計算
レンジ・チャートパターントレードの場合:
E値計算
トレンド中のブレイクの場合:
V値計算

N値・E値・V値・VT値の値幅計算を効率的に活用する方法

最後に、値幅計算をより効率的に活用する方法を解説します。
『レジスタンス・サポート』です。
どちらが優先とかではなく、総合的に考えていくことが大切です。

目標値より手前にレジサポがある場合

ここでは、N値計算を例に考えます。
目標値Dより手前に強いレジスタンスがあれば、まずそこで第一決済でポジションを一部決済します。
その後、目標値Dまで価格が達したら全決済する。
そうすることで、確実に利益を確保することができます。

目標値より先にレジサポがある場合

目標値Dより先に強いレジスタンスがあれば、
価格はそこを目指している可能性があります。
なので、N値計算の目標値で第一決済でポジションを一部決済します。
そしてレジスタンスまで価格が達したら全決済する。
そうすることで、利益を伸ばすことができます。

フィボナッチエクスパンションとフィボナッチリトレースメントの2つ使い

※基準足とは自分のトレードする時間足を指します。

  1. 明らかに分かるトレンドを探す
    自分がトレードする1つ上位足でトレンドを探してみます。           現在の価格がリトレースメントの内部にあることも確認します。

  2. 上位足でフィボナッチ・リトレースメントを引く
    上位足でトレンドがあれば、リトレースメントを引いてみます。

  3. トレンドと逆行する流れを見つける
    基準足のチャートで、上位足のトレンドと反対方向に向かっている相場を探します。

  4. 基準足でエキスパンションを引く
    上記の図のようなイメージの形になっていれば、エキスパンションを引いてみます。

リトレースメントとエキスパンションが重なるポイントがあれば、
指値注文を入れておきます。張り付ける時間があるなら成行注文。



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