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3段階目の知性

武蔵野美術大学大学院造形構想研究科クリエイティブリーダーシップコースクリエイティブリーダーシップ特論 第11回平田智彦さん


少し前だが、9月18日Ziba Tokyoの平田智彦さんの講演を聞いた。この人の講演で記憶に残っている点が2つある。1つは「知性の3段階」についての話、もう1つがリフレーミングの例である。後者は、比喩的な表現で「『馬が走る』絵というお題に対して、そのまま馬を描くのではなく、『馬のロゴを貼り付けて車を走らせる』のがリフレーミング発送」という話である。
まず、それぞれについて簡単に説明する。


●「知性の3段階」

知性には環境順応型、自己主導型、自己変容型の3段階がある。自己主導型と自己変容型の違いは、後者は「自分の枠組みも発展途上のものだと学び続ける人」のことである。簡単に言うと、自分の考えに固執しない・自分が正しいと信じ込まない人のことだと思っている。

●リフレーミング

リフレーミングは、既存の枠組みを変えることである。前述した「馬が走る絵」のお題について、状況をもう少し丁寧に説明すると、次のような話である。平田さんから「走る馬を描いてください」というお題に対して、講義の受講者のほとんどは馬をそのまま描いた。走る馬を描くのはとても難しい。でも、リフレーミングができる人は、もっと他の簡単な方法を考える。例えば、馬のエンブレムを貼り付けた車を描く、など。

この2つの話はつながっている。「馬のエンブレムを貼り付けた車を描く」ためには、既存の思考の枠組みを外さなくてはできない。これが知性の3段階のうち、自己変容型の知性である。自己変容型の知性はリフレーミングを可能にする。それはデザインというよりアーティストの能力、アートの思考だと思った。

#武蔵野美術大学   #造形構想研究科 #Ziba Tokyo  #平田智彦 #リフレーミング

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