読書会第116回 テーマ『ディストピア小説』
本日開催の読書会レポートです。
紹介本リスト
休学(国産のため)高瀬隼子
パーキーパットの日々 フィリップ・K・ディック
1984年 ジョージ・オーウェル
献灯使 多和田葉子
語られたこと
ディストピア小説といえば?と問われれば、必ず挙がる定番から、
現実社会に近い設定のものまで、いろんな種類の作品が紹介された。
この種の小説は、独特の設定や世界観を受け入れられるかどうかが読み進める鍵となる。
私は小説は何でもありの世界だと思っているので、小説は「こうであるべき」という考え方には立たない。
ただ、一部の本好きの人の中にはそういう思考をする方がいて、「ディストピア小説」の世界観が受け入れるられず、面白くないと切って捨てられる。
読書会の中でも、わかりにくいものよりも明快なものに飛びつく風潮に疑問を投げかける方がいらっしゃった。
私は読書会の締めくくりに、来月の読書会の課題本である『現代思想入門』で取り上げられているジャック・デリダの提唱した概念「脱構築」のお話しをした。ㅤ
脱構築とは、物事を二項対立によって捉えて、良し悪しを言おうとするのをいったん留保するということ。
複雑化した現代において、しかも多様性という言葉が流行文句のように流布されている現代において、物事を二項対立で考えたり、自分の思考の枠や価値観の枠から外れているから合わないと言って思考停止するのは、違うのではないかと自戒を込めて思ったのでした。