転職者から見た、鉄道保守と建設コンサルタントの比較3点
私は、今年4月に鉄道会社の設備保守担当から建設コンサルタントへ転職しました。あまり例がない経歴で、転職を考えていた当時は相談できる人がおらず、少なからず不安でした。
転職して半年経った今、自省や備忘録も兼ねて仕事への取り組み方の違いをまとめました。すこし偏った視点もあるとは思いますが、読んで下さる方にとって例の一つになれば幸いです。
※ここでは、会社の規模や雰囲気には触れず、あくまで仕事の内容についてまとめます。
1.規程類に則る鉄道保守/決まりのない建コン
鉄道保守は、「課題に対し、決められたルールを確実に実行する」ことが求められます。
鉄道会社は、自社が供用する設備を安全な状態で維持する責務があります。この検査や修繕には、回数・箇所・方法など全てに決まりがあり、鉄道会社によって差はあまりありません。「職人肌での判断」はほぼ無く、過去の経験や試験結果から判断の基準値が定量的に決められています。
ですので、鉄道会社の保守技術者には「設備を安全に保つ」という課題に対し、規程類の理解と確実な遂行が求められます。
一方、建設コンサルタントは「課題に対し、新しい解決方法を出す」ことが求められます。
建設コンサルタントは、国や自治体が発注する業務を請け負います。業務は要求内容が書かれた仕様書をもとに遂行しますが、要求内容は定性的であることも多いため実行方法が各社によって異なります。国や自治体は、各社提案内容を比較し「最も優れている」と判断した会社に業務を依頼します。
ですので、建設コンサルタントの技術者には「国や自治体の要求に応える」という課題に対し、新しい解決方法の提案が求められます。
2.チームワーク必須の鉄道保守/個人プレイの建コン
鉄道保守では、日々設備を巡回し検査や修繕を実施します。修繕では外注もありますが、鉄道会社では社員自ら検査をすることが多いです。
その際、ほぼ複数人で同じ業務にあたります。これは、点検中に列車に接触するなど事故を防ぐ「見張り」のため、また器具を使用する作業には複数の人手が必要となるためです。
一方、建設コンサルタントでは仕様書に基づき設計や計画策定などを実施します。こちらも、調査などで外注をお願いすることもありますが、打ち合わせや資料作成は基本的に社員が対応します。
その際、単独で設計等を実施し他者に確認を依頼することが多いです。これは、建コンでは請け負う業務が多数で社員間のスケジュール調整が困難であるため、また効率化のためと考えています。(この点はまだうまく説明できません・・・)
3.足腰の強さが求められる鉄道保守/長時間労働が求められる建コン
鉄道保守では、日々設備を巡回します。その距離は1日に数km。重い時には数kgにもなる検査器具も担ぐため、足腰の強さが求められます。また、深夜に検査することもあるため、徹夜する体力も必要となります。
一方、建設コンサルタントは繁忙期に激務となります。年度末には日をまたぐことも・・・(大げさではなく、面接でくぎを刺されます)。そのため、デスクワークとはいえ長時間労働に耐える力が求められます。
ただし、どちらも労働環境は改善しつつあります。
おわりに
ここで紹介した内容は、「どちらがいい、悪い」ではありません。転職して分かったのですが、噂などに関係なく正直一長一短だと思います。
しかし、自分の適性がどちらに合っているのか、またどんな能力を伸ばしたいのかで判断する材料にはなるかと思います。
私の場合、規程類の暗記力や体力には自信がありますが「解決策を新しく作り出す」能力が不足していたため、建コンへの転職を決意しました。今は大変ですが、今後パワーアップすることを夢見て、日々頑張っています。
ここに書いた情報が、皆様にとって何かしらの判断材料やきっかけになれば幸いです。
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