電車の足元はめちゃくちゃ熱い!~真夏のレールの温度と鉄道マンの闘い①~
今回の①は、全ての方向けの記事です。
次回の②では、技術士試験向けに詳しく説明します。
暑い夏の日は、電車のクーラーに癒されますよね。しかし、その涼しい電車は、気温よりずっと熱いレールの上を走っていることはご存知でしょうか。レールが熱くなると、最悪レールが歪んでしまう可能性があるため、鉄道マンは安全運行の裏で日々闘っています。
■真夏のレールは60℃近くになる
最近は、気温40℃オーバーが連日のように報道され、本当に暑い日が続いていますね。しかし、鉄道マンは「40℃」にはさほど驚きません。それは、レール温度が60℃近くになっているからです。
60℃というと、作業員でも直接触れないくらい熱いです。
自分の足元が60℃だと考えると、電車はとんでもない灼熱地獄を走ってくれているんですね。感謝・・・
■なぜ気温よりレール温度のほうが高いのか
①太陽光により直接温められる
ここまでレールの温度が上昇するのは、鉄であるレールが日射によって直接温められるからです。一方で空気は、地面からの放射などにより間接的に温められます。
ですので、夏の晴れた日のレール温度は、太陽光によって気温よりずっと高いことが結構多いです。
②日差しを遮るものがない
線路は、トンネルなどを除いて日差しを遮るものがありません。そのため、温度はどんどん上がります。
■鉄道会社の苦悩と闘い
詳しいメカニズムは次回紹介しますが、60℃近くまでレール温度が上昇するとレールが歪む可能性があり、大変危険です。
このようなニュースは、近年の酷暑もあり毎年のように聞きます。
鉄道会社は、安全を損なわないよう、レール温度上昇による安全性低下を防ぐため様々な努力をしています。ここでは、取り組みを2つ紹介します。
①水撒き
「なんて原始的な!」と思われるかもしれません。しかし、実際にJR北海道では、最近まで専用の臨時列車を仕立てて水撒きをし、レールを冷やす取り組みをしていました。
最近は人手不足など様々な理由であまりされていませんが、それほどレールの温度を下げる一つの手段として残っています。
②レールを白く塗る
お化粧のように、レールを白く塗る取り組みもあります。白色であるため太陽光を反射するだけでなく、遮熱塗料であるためレール温度の上昇を抑制しています。この取り組みは、まだまだこれからという印象ですね。
他にも様々な取り組みがありますが、次回の記事で紹介したいと思います。真夏の昼間でも鉄道が止まらないのは、これらの取組があってこそなんです。(それでもたまに止まりますが・・・(;^ω^))
鉄道マンは、酷暑の裏側の見えないところで、レール温度が上がらないよう様々な対策を取っているのです。
最後に、私が一番声を大にして言いたいことを書きます。
「灼熱のレールの上を、文句も言わず走る電車は偉い!!」
〔写真出典:株式会社NIPPO ホームページ
https://www.nippo-c.co.jp/tech_info/general/SG02058_g.html〕
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