スカイレンジャーくん脱走から始まる「ドローン」の話。
先日、北海道上富良野町の上富良野演習場にて第2水陸機動連隊(相浦駐屯地)が演習中、UAV(狭域用)JDXS-H1 スカイレンジャーR60が1機行方不明となりました。
脱柵(脱走の事)したスカイレンジャーR60はその後無事に発見されたので良かったのですが…
悪い事にスカイレンジャーくんを含めたドローンに関して色々誤解されている部分がある事が再確認できました。
今回はスカイレンジャー脱走事件に関連する色々な「ドローン」の話をしていこうと思います。
ドローンは墜ちる前提かもしれないがそれは普段から使い捨てろという話にはならない。
ロシアのウクライナ侵攻では双方で多数のドローンが偵察・観測から攻撃まで様々な用途で使用されています。
使い捨てに近い運用をしている例も多数あります。
これらを見ると、有事の際、ドローンは割と簡単に墜ちる前提で話を進めるべきかもしれません。
ですが今回の件で「ドローンは消耗品、回収は無駄な労力を使う事に等しい。」とのコメントがありますが、それは的外れです。
スカイレンジャー自体は2000万円ほどする高級品です。
性能を考えても使い捨てにして良い装備ではありませんし、使い捨てにする装備とはまた別の存在と言えます。
なお、スカイレンジャーはアメリカのテレダイン・フリアーLLC(旧フリアーシステムズ)に買収されたカナダのエリオン社が製造した物であり、中国製でも日本製でもありません。
ドローンは役に立つが戦車や戦闘機、火砲やミサイルなどを置き換える存在ではない。
ウクライナ侵攻などでドローンが活躍している事から、一部からは「戦車や戦闘機、ミサイルよりもドローンを導入しろ!」といった声もあります。
ですがウクライナは戦車や火砲、戦闘機などの供与を求め、レオパルト2A6主力戦車、F-16AM/BM戦闘機やカエサル 155mm自走榴弾砲などの兵器が供与されました。
ウクライナの例。
戦車部隊を復活させるリトアニア。
新しい戦車の導入などといった兵器の導入を進めつつあるポーランド。
これらの事実を踏まえると、ドローンは戦車や戦闘機、火砲やミサイルなどの従来の兵器を置き換える存在では「まだ」ないと思われます。
ドローンと言っても…
ドローンといえばプロペラが4つの「クアッドコプター」や6つの「ヘキサコプター」など「マルチコプター」と呼ばれる機体を思い浮かべるでしょう。
ですがマルチコプターはドローンの一種です。
ドローンと言っても有人機に勝るとも劣らない大型の固定翼機から比較的小型のクアッドコプターまで多種多様です。
尚、この記事における「ドローン」は無人航空機の事を指すものとし、UGVやUUVは含まない物とします。そうしないと面倒くさい。
余談
自衛隊でDJIの機体を使えば良いという意見に対して筆者の感想。
何が悲しくて新たにDJI(大疆創新科技有限公司)の機体を使わなければならないのでしょう。
政府機関からDJIを筆頭とする中国製ドローンを追い出す流れが進みつつある上、最近では陸上自衛隊にてUAV(狭域用)汎用型として、航空自衛隊にて空撮用ドローンとしてACSL製の「蒼天」が採用されるなど国内メーカー製ドローンの導入も進んでいます。
DJIの機体は基本的に安価でありながら性能も良いのが魅力的ですが、それだけで導入を簡単に決めて良いわけではないと筆者は思います。標的機として使うならともかく…
国産ドローン「蒼天」がすごくカッコいい!
自衛隊にも導入された国産ドローン「蒼天」ですが高セキュリティなだけではなく、本当にカッコいいのが特徴です。
DJI Mavicのパクリと言っている人もいますがそもそもクアッドコプターというジャンル自体が似通ったデザインの物が多数存在しています。そもそもHoly Stone HS360とDJI Mavic Air 2だって一般人からすれば同じにしか見えない。
どこか軍用機を思わせるスタイルと直線的なデザインは筆者の琴線に触れる物でした。
消防カラーや警察カラー、自衛隊の迷彩塗装も似合う気がします。
やっぱりカッコいいものはどんな塗装にしても似合うのでしょう。
最後に
って事で今回はドローンの話をしました。
何かあればまた内容を改めたり新たに追加していく予定です。
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ご覧いただきありがとうございました。