教育実習格闘期

当たり前ですが、教職取得者は教育実習をします。
母校、付属校、東京都の場合は実習先が決められてしまうので全くかかわりのないところに行くこともあります。
ここからは私の体験談をまとめて実習の参考になればと思っています。

実習が始まる前に

私は国立大のため、付属校で実習を行いました。学校によって違いますが、当時家庭科免許取得者のリーダーとして指導教官と内容の打ち合わせや日程について確認を行いました。
 これは母校実習などでも同じかと思います。ただ、教員養成学部であればかなり多くの人数で行うのに対し、母校などは1人、多くても3人が普通だと思います。

学生ではなく、教師の卵として

 現場に入ると実習生を温かく迎えますが、あくまでも教師の卵として期待されているからです。学校によっては教員採用試験を必ず受けることと言われることもありますが、そこは気にせず教員免許取得を目指し、精一杯実習を行ってほしいと考えます。
受け入れる側も事前準備などかなり労力を割いていますので失礼のないように実習を進めてください。

学校の雰囲気と教える内容をつかむ

事前に提示がある場合はそれにそって指導案を作ります。指導案は直されることが大前提なので完成度よりも速度優先で作りましょう。
実習同期で指導案ができず、指導教官と私で一緒に作ったこともあります。指導教官も忙しいし、困っているなら早めに出して助言をいただくほうが有益です。
やることを確認し、実習前に指導案を作っておいたことで実習中はほぼ17時に学校を出ていました。実習生の中には深夜まで終わらないという人もいますが、早く帰れるような工夫も必要です。

生徒のこと見てますか

実習先では毎日3人の生徒の観察をしてレポートを書く課題が出ていました。担任であれば40人の生徒がいます。面談でその子のいいところが浮かぶでしょうか。困った表情をしていないでしょうか。そんなことを見抜く練習にも思えました。
私は珍しさから生徒が寄ってくるタイプでしたし、生徒と話を合わせるのが得意なので休み時間に話すことが多くありました。時に悩んでいる子や一人ぼっちの子に声をかけたり、わざとふざけてみたり人それぞれの個性があることを生かすのも実習生としてはよいのではないでしょうか。

授業公開

実習では6回授業をすることになっていましたが、私は倍の授業を行いました。理由は単純で全学年にまたがって行いたかったことと同じ授業を複数クラスですることが目的でした。
大学の担当の先生も見に来られ、私の授業は撮影し、その後大学の講義でも使われました。
今考えればよい授業とは思えません。先生方の意見からも目標に対するアプローチの甘さや議論を深めるような取り組みができていないとという指摘を受けました。一方で指導案を見れば誰でもできる授業だね、という指摘もいただき再現性の高さをほめていただきました。

実習終了

4週間の実習を終え、最終日。生徒からのお手紙をいただきました。
きっと担任の先生から分担されたであろう生徒たちが書いている文章でしたが、数名個別にお手紙をいただきました。
内容は感謝の言葉と先生が普通の先生と違って面白かった、という内容でした。
何かしたわけではないと思いますが、一つ自分の生き方が他人に認められたと思える瞬間でもありました。

教師を目指す岐路

教育実習を行ったのが大学3年生でした。教員養成学部のほとんどがこの時期に行うと思いますが、実習を終えると教員になる組と民間を目指す組に分かれていきます。
私は現場に入ることで絶対に教師になると確信を持ちましたが、一方で自信を失い民間企業に就職される方もいました。

実習を振り返って

教育実習をよい印象で終えた人もそうでない人も改めて教職を考える機会ですし、本当に遅くまで熱心に授業を作ったり、部活動に取り組まれる先生たちもいます。その中でどのような教師になりたいか、教師という職業ではないところに向かうのか、というところにたどり着くと思います。

後日談

国立大の付属校は大学の教員を校長に置き、その下の副校長が実際の校長役を引き受けます。
当時、付属校の校長は卒業論文&ゼミの指導教官でした。
最終日、事前に必要な提出書類を仕上げた私は次の日の行事の手伝いを生徒と一緒にしていました。ほかの学生は提出書類を直したり、必要なものを確認していたので手伝いに来ていたのは私だけ。
別に気にすることもなく、5時まで手伝い、その後、使った部屋の掃除や整理整頓を行い、帰宅しました。

そして、次のゼミの日。なぜか私は指導教官から褒められることになりました。
あの日手伝っていた姿を見ていた先生方が指導教官に伝えていたのでした。
自分としては実習の最終日。当たり前のことをしていたと思っていたのですが、現場にいる先生たちからは熱心と思われていたようです。

これから実習される方もきっと一生懸命頑張る姿を誰かが見ていると思います。


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