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さるぶつ道場 仕事と力学的エネルギー1解答
天井からつり下げられたおもりの静止する位置
問題はこちらです.
大学入試で思考力や表現力を問う問題が出題されることが多くなったので,数式を用いて論述する演習をしましょう.説明をするときに記号を用いるときは,記号の定義をしっかりとしましょう.
この問いでは2つの操作の違いを明確にしましょう.まず「ゆっくり」という言葉から加速度が0,つまり力がつりあっていることを読み取ります.力がつりあっている状態でおもりをゆっくりと下ろすので,垂直抗力が0になる点でおもりが静止することをイメージしましょう.このとき,おもりが板から受ける垂直抗力が負の仕事をすることに注目します.
次に,ばねに付けられたおもりを「静かに離す」という表現から,支えを失ったおもりが加速度運動をすることをイメージしましょう.
解答では仕事を表す記号に正負の符号を含めています.具体的に説明すると,弾性力のする仕事は負( $${\Delta W_f<0}$$ )です.共通テストでよく出題される形式なので,少しずつ慣れていきましょう.
板で支えながら,ゆっくり下ろしたとき
おもりにはたらく重力の大きさを $${w}$$ ,垂直抗力の大きさを $${N}$$,弾性力の大きさを $${f}$$ とすると,板で支えながらゆっくり下ろすときの力のつりあいは,鉛直下向きを正として,
$${w-f-N=0}$$
板でおもりを支えながら,わずかな距離 $${\Delta x}$$ だけゆっくり下ろしたときの重力がした仕事を $${\Delta W_G}$$ ,弾性力がした仕事を $${\Delta W_f}$$ ,板がした仕事を $${\Delta W_N}$$ とすると,おもりの運動エネルギーの変化 $${\Delta K}$$ は,
$${\Delta K=\Delta W_G+\Delta W_f+\Delta W_N}$$
$${\Delta K=w\Delta x-f\Delta x-N\Delta x}$$
$${\Delta K=(w-f-N)\Delta x}$$
$${w-f-N=0}$$ なので,運動エネルギーは常に0である.したがって,物体は $${N=0}$$ となる位置 $${x_1=\frac{mg}{k}}$$ で静止する.
静かに手を離したとき
自然長から静かに手を離したとき,おもりの運動方程式は,
$${ma=w}$$
なので,おもりは加速度運動を始める.
ばねの伸びが最大値 $${x_2}$$ のときの運動エネルギーは0なので,ばねの伸びが最大になるまでに重力がした仕事を $${\Delta W_G}$$ ,弾性力がした仕事を $${\Delta W_f}$$ とすると,
$${\Delta K=\Delta W_G+\Delta W_f=0}$$
より,
$${mgx_2-\frac{1}{2}kx_2^2=0}$$
$${x_2=\frac{2mg}{k}}$$
詳しい説明はテキストを参考にしてください.