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さるぶつ牧場 剛体にはたらく力9解答

直方体がすべることなく倒れる条件

 問題はこちらです.

 水平方向の力のつりあいから,直方体がすべり出すために必要な力 $${F_1}$$ を,力のモーメントのつりあいから,直方体が倒れるために必要な力 $${F_2}$$ をそれぞれ求め,$${F_1}$$ と $${F_2}$$ を比較することで,直方体がすべることなく他とれる条件を考えます.
 力のモーメントのつりあいを考えるとき,水平に引く力と重力の合力の向きにより,垂直抗力の位置が移動していくことに注目しましょう.
 国公立大学2次試験(個別学力試験)にも出題されるくらい難易度はやや高いのですが,基本的な事項を理解するためには必要な問題なので,がんばって解いてみましょう.

図1

 図1のような,辺ABの中点を通る断面で考える.静止摩擦力を $${f}$$ とすると,力のつりあいより,

$$
\begin{array}{}
F-f&=&0\\
F&=&f
\end{array}
$$

 物体が滑り始めるときの力の大きさ $${F_1}$$ は,最大摩擦力に等しいので,

$${F_1=\mu_0 mg}$$

 物体が倒れ始めるとき,重力と張力の合力は,図2のように点oを通る.

図2

 物体が倒れ始めるときの力の大きさを $${F_2}$$ とすると,図3より,点oのまわりの力のモーメントのつりあいは,

図3

$$
\begin{array}{}
W\cdot \frac{a}{2}-F_2b&=&0\\
F_2&=& \frac{a}{2b}m g
\end{array}
$$ 

 $${F_1>F_2}$$ のとき物体がすべり出す前に倒れ始めるので,

$$
\begin{array}{}
\mu _0 m g&>& \frac{a}{2b}m g\\
\mu _0 &>& \frac{a}{2b}
\end{array}
$$

 静止摩擦係数が $${\mu _0 > \frac{a}{2b}}$$ のとき,剛体は滑り出す前に倒れはじめる.

 詳しい説明はこちらのブログか,下の動画を参考にしてください.


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