惑星ソラリスのラストの、びしょびしょの実家でびしょびしょの父親と抱き合うびしょびしょの主人公

クソ面白小説書き男 と申します。すべてを募集しています。すべてやります。

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最近の記事

レヴェナントを久々に見たんだけど、最後族長の娘がウィンクしてることに気が付きました!!!!! 4回見返したので間違いないです!!!!! 違ってたらすみません!!!! ウィンクて!!!!!

    • 人面岩(パリ・あるいはローマについて)

       マッチング・アプリで知り合ったその男は、店に着くなり、挨拶もそこそこに、自分がこの前行ってきたという展覧会の話を始めた。確か、何とかというアニメか、漫画の作家のものだったと思う。彼はそこに展示された原画や、企画書(私でも聞いたことがあるものや、日の目を見なかったというものまで)や、その他の細々とした資料(その作家が幼少期に使っていたという、たいそう古い文机、とか。学習ノートの落書きとか)の数々について、展覧会の目録上での識別番号、資料名、および原材料名を、頭からお尻まで(つ

      • クソ面白小説を書きました クソ面白小説書き男と申します https://note.com/anon_press/n/ne603b8091a6a

        • 惑星ソラリスのラストの、びしょびしょの実家でびしょびしょの父親と抱き合うびしょびしょの主人公、そんなにびしょびしょじゃない説

          (小さな部屋にいくつかの長机が配置されている。急ごしらえの会議室といった様相) (部屋の奥に三人の男(以下、審査官と呼称)が並んで座っている。部屋の入口近くに男(以下、惑ソと呼称)が座っている。不貞腐れた様子) (惑ソの背後の壁に、屈強な警備員が二名控えている) 惑ソ「……濡れてるか濡れてないかで言えば濡れてるでしょうに」 ── 濡れてるとびしょびしょには違いがあるのでは? 惑ソ「主観だよそんなの、水掛け論だよ。びしょびしょだけに(笑)」 ── 話をそらさないでく

        レヴェナントを久々に見たんだけど、最後族長の娘がウィンクしてることに気が付きました!!!!! 4回見返したので間違いないです!!!!! 違ってたらすみません!!!! ウィンクて!!!!!

           買い物を終え、夫と一緒にマンションに帰ってきて、私はエレベータが来るを待っている。乗場モニターを見ると男がひとり、エレベータに乗り込むのが見えた。男は行先ボタンを押し、そのまま壁に寄りかかるようにして立つ。  おや、と私は思う。   モニターに映った男(後頭部と背中しか見えないのだけれど)は、夫にとてもよく似ている。いや、似ているというレベルでは無かった。モニター越しに見るその男はまるで夫そのものだった。髪型(本人は気づいていないかもしれないが、ちょっとつむじのあたりが出会

          赤い金たま・青い金たま(ホラー・掌編)

           やはり大学生になっても真夜中の小学校というのは不気味なものだ。  雨が窓ガラスをこつこつ叩く音や、びゅうっと風の音なんかがするたびに、僕は真っ暗な個室トイレの中で一人きゅっと縮こまった。  僕は昨夜食べた生牡蠣のことを考えた。昨日の夜は本当にたくさんの生牡蠣を食べた。たぶんバケツ一杯分くらいの生牡蠣を食べた。人間、生きていると無性に生牡蠣が食べたくなる夜があり、そしてまた小学校のトイレでひとりお腹を下す夜もあるのだ。  雨や風の音のほかは何の音もしなかった。まるでこの世界に

          ドリルと穴 または僕は如何にして心配するのを止めて妻を愛するようになったか(短編小説)

          1.「これが顧客が本当に必要だったもの、つまり穴なんです」  パリッとしたスーツを着た30代くらいの男が、糊の効いた笑みを浮かべてそう言った。おろしたてのシーツのようにシミひとつない笑顔だった。着ているスーツにはしわも、糸くずも、髪の毛もフケも何一つついていなかった。  まるでおろしたてのような男だな、と僕は思った。  四月の良く晴れた日曜日の午後に、僕と妻と、そのおろしたての男が、台所のカウンター前に置かれたテーブルを挟んで向かい合っていた。  テーブルは僕たちがこの部屋に

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          インポの村井(掌編小説)

           インポの村井(「さっそう登場、ご紹介にあずかりましたインポータント・コンサルテンツの村井です。『インポ・テンツの村井』もしくは『インポの村井』とお気軽にお呼びください。いや、小生の愚息のほうは今でも10代の如き尖り具合、毎朝びっきびきですがね、ワッハッハ!」と村井自身が開口一番そう言ったのだ)が、「あぁ」と低く呻きながら口を大きく開いて舌を伸ばした(舌を出す前に、「それでは、お近づきのしるしとして特技を一発」「画面共有を頂戴しますよ、っと」とインポ村井は言った)。  マグロ

          ハルキムラカミの夢小説(掌編)

           玄関のドアを開けると息を切らした中年の男が一人立っていた。   男が着ているグレーのTシャツは首から胸元そして脇の下がぐっしょりと汗で黒く染まっていた。男の額からふつふつと湧き上がる汗が頬から顎へと流れ落ち、ぽたぽたとマンションの廊下に落ちてちょっとした染みを作っていた。ショートパンツから見える、年齢の割に引き締まった太腿は気持ちのいい小麦色に焼き上がり、やはり滴る汗でしっとりと濡れていた。男はセクシーな唇をきゅっと噛み締めて、何も言わず僕を見つめていた。その顔はなんだか、

          たまたま肛門日光浴をしていたところに”太陽フレア”が当たり、それが直腸に入ってしまった。

           公園の広場の芝生の上では子供たちが駆け回っていた。親子連れは仲良くバトミントンをしていたし、女子高生がスマホの前でお揃いのダンスを踊っていた。バレーをする大学生らしい若いカップルがいた。犬を連れた夫婦がいた。シートを広げて歓談する女たちがいた。  空からは五月の穏やかな陽光が降り注いでいた。それは初夏を予感させる力強いものではあったのだけれど、その日は気持ちの良い風が常に吹いていて、つまりまあ、とても良い塩梅だった。  五月の休日の午後、その公園にいる人々はとても満ち足りて

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          蔵の地下

          1. 踏みしめるたびに厭な音を立てる急な階段を降りて蔵の地下へ辿り着くと、ひんやりといやな湿り方をした空気が僕の全身を撫でた。僕はしばらくのあいだ、そこにぼんやりと立っていた。鼻の奥に黴と埃の臭いがした。足の裏には土の湿り気があった。何かが足の指の上を這った気がして、僕は驚いて飛び上がったが、足元の闇にいくら目を凝らしても何も見えなかった。  いま降りてきた階段(ほとんど梯子といってもいい角度だ)の先には地下への入口があった。それは濃淡も混じり気もない闇のなかに、ただぽっかり

          チコリータ

          1. バスの車内でうつらうつらしていたところ「チョケブリィィィィ!」という甲高い絶叫が突然響いて、僕はびくりと目を覚ました。  咄嗟に隣のほうを見ると、通路を挟んで向かいの席に高校生が二人いた。彼らもまた驚いた顔を浮かべ、バスの後方を見て、それから僕のほうをちらりと見て、最後に互いに顔を見合わせ、そっと目を伏せた。  後方には老婆と30代ほどの女と中年男がいた。老婆と女は中年男のほうを一瞬見たあと、すぐにそっと目を伏せた。中年男だけが真っすぐにバスの進行方向を見据えていた。

          腰の炎、丸太小屋

           大谷翔平さんへ  貴方のいなくなったこの丸太小屋はとても寒々としています。窓の外では雪がしんしんと降って、世界は塗りつぶされたような闇の底に沈んでいます。物音一つしません。まるですべての生き物たちが死んでしまったよう。貴方の割ってくれた薪の最後の一束をいま使い切りました。じきに暖炉の火は燃え尽き、外の寒さと静けさと死が、私のいるこの小屋の中に入り込んでくるしょう。  私はかじかむ手でこの手紙を書いています。しかし貴方がこれを読むことはない。私たちは決して交わらない二つの直

          PERFECT DAYS 雑感

          平山?ジジイのなろう系? 一般に「殆ど喋らず片隅にいてただニコニコしているジジイ」が一目置かれるということはないのだが…… これが成立する、つまり平山の魅力を担保する「何か」はどこにある? 仕事に対する誠実な態度? 平山くらい「与えられた仕事(のみ)を誠実にこなす」人間はいくらでもいるのでは…… また同じくらい「与えられた仕事(責任)を超えた範囲について突然キレ散らかす」人間もいると思うが…… そういう人間は一般に「一目置かれる」のとはむしろ逆の扱いを受けるのでは?

          社名変更のお知らせ

          ──── ではまず、新しい社名の意味についてお教えいただけますか。 魂を焚べろ。 ──── は。 魂を焚べろ。焚べてます? あなた。焚べてないよね。目見たら分かるよ。足りてないんだ……あああッ(両手で両太ももを強く殴りつける) ──── その、魂を焚べる……。 はぁ、はぁ、はぁ、はぁ。だからさ、漫然と生きてる場合じゃあ無いんだよね。燃やすんだよ。命を。鼓動を。 ──── 鼓動を。 最近じゃ、やれ働き方改革だの、ホワイト企業だの、ワークライフバランスだの。おかしい

          1994年のベースボール

          1. 良く晴れた春の日の午後、大谷少年が近所の原っぱへ行くと、いつものように二つのグループがいた。一方はひたすら木の棒をぶんぶんと振っていた。そしてもう一方は球を握って、ひたすら遠くへ向かってそれを投げていた。棒を振っていたグループと、球を投げていたグループがほぼ同時に、大谷少年の存在に気づいた。 「やあ大谷少年。今日こそ俺たちと一緒に棒を振る気になってくれたかい? 君なら、他の誰よりも重い棒をぶんぶんと振ることが出来るだろう」と棒のグループが言った。 「いやいや、大谷少年。