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本の表紙デザイン

 本の表紙デザインを考える(……未満)が好きなのだ。
(本の表紙デザインができる、という話ではないので誤解せぬよう)

 自分で本をつくるのはとても楽しい。10年くらい前までは実際に手作りで本をつくっていた。A5サイズの54頁くらいの小説本を50部くらい、3日で印刷と製本をしていた。字数は毎回5万字くらい。ちなみに文字のレイアウトは1頁2段で、23字×27行/段だった。これを一週間くらいでヒイヒイいいながら書いてた。楽しかったな~。

 ギリギリまで書いているので誰にも表紙を頼めない。最初こそひとに作ってもらっていたが、それをテンプレにして同じところにタイトル文字を置いて背景だけ変えていた。表紙はキヤノンのプリンタ、死ぬほど愛して、壊れてから(愛着がありすぎて)捨てるまで一年以上かかり、最後は泣きながら捨てた「PIXUS iP8600」で自宅印刷をしていた。インクを7色使う、当時のインクジェットプリンタで最高画質だったと思う。
 これで縁なし印刷ができるのがA4用紙とはがきサイズ、L判など限られたサイズだけだったので、文庫サイズの本をつくるときは表紙に白フチができないデザインにするのに腐心した。(ところで文フリに来ていたキヤノンさんにお伺いしたところ、ほかのサイズの紙でもふちなし対応はできるが、何故かそういう仕様にさせてもらえない、とのことだった)(対応願います……)

 そんなわけでA5の本はいいけど文庫サイズのときに、表紙をいかに「製本しやすく」つくるかに頭を使った。化粧裁ちをしなくていいように、である。化粧裁ちとは、中とじの本は小口を整えるためにする作業なのだ。
 だから文庫のふりをしてはがきサイズの紙で平綴じ(背固めを木工用ボンドでする、あるいは大量に綴じられるステープラーを使う)をしたりもした。
 とはいえ、手作り文庫は可能な限り平とじにしたい勢だったので、A5の紙に左から1と4、3と2、と面付けして刷って、それをA6に折り、ぎゅっと背を潰して木工用ボンドを塗って固める、というやり方もした。これだと背固めでボンドのつく部分が多くなり、しっかりとくっつくのである。

 あれっ。製本の話をしたいんじゃないぞ。(製本大好きマン)

 というわけで表紙デザインの話。
 表紙デザインの本をぼんやり眺めるのが最近とても好きなのです。
 といってもコツとかノウハウの本でもよくて、何冊も持っていて、持ってるだけでできる気になっているのですが(だめなやつ)、ただただ表紙デザインを集めた本が好きなのだなと気づいたのは、しまや出版さんの出している「セミオーダー表紙カタログ」を手に入れてからだったのだ……これが300円だったんですが、とても楽しい。たぶんこのページにあるデザインが冊子にまとめられているのだと思う。

 趣味の本は毎度ギリギリまで書いていて自分で表紙を作ることはなくなってしまった。少部数対応の素敵な印刷会社にめぐりあったおかげではあるのですが……いつも装丁は外注に丸投げである。
 でも、デザインのコツとか、そういう本を見かけると買ってしまう。素材集も大量に持ってる。何十冊のレベルで買っている。この記事のヘッダも買った素材集の写真なのだ。最近買った素材集なんて、入っている素材はともかく、クラフト紙に白インクとか金銀で刷った見本だったので買ってしまった。店頭で見かけたら買わずにいられないでしょこれ……

 最近は同人誌でもいろいろと出ていて、とてもよいです。以下、わかりやすかったり、実用的だなと思って買ったものを貼っておきます。

GRAPHIC DESIGN METHOD(EUCARYA)

Nia 3(ライルハウト)

同人小説の為のフォント比較2019(Red Forest Designing)

 三番めのは旧版を持っている。新しいのも手に入れるつもりです。

 自分で表紙をつくってみたいな~と思いながら、なかなか実現に至れない。あと、文章を書き上げて疲れ切っているときに、作品イメージを反映させる表紙なんて思い浮かばないのだ。
 だから、自力でやりたかったら計画的に、そしてコンセプトをきちんと決めてやればいいのだ。

 わかっているのだが、できないのだ……!

 とはいえなんとかやってみようとは思っているのです……そろそろ……なんとか……うん……

 最後に自分でつくった本の表紙ってこんなんやで……

 このときは短編3話でそれぞれのタイトルページを作ったのが楽しかったです。
 今度はもう少し、投げやりでない表紙を作れるようになりたいな~と思いながら、デザインカタログを眺めるのだった。