OMC192 参加記

こんばんは
本記事では 2023/11/28 に開催された OMC192の感想などを書いていきます。少し忙しかった関係で、参加記書くのが遅れました。ただのメモとあまり変わらない内容ですので、速攻書き上げたいところですけども、なかなか時間がかかります。
レート2000を超えてから初のexpertになります。案の定緊張しましたが、チーム戦をやっていたおかげか、極度の緊張、という感じはありませんでした。直近ずっといい結果だったので、そのままの勢いで行きたい、という心持です。
問題ページは以下です。

参加時の動き
配点がAのみ 200であとは500~という結構しんどそうな配点。このタイプの配点には失敗の思い出があるので、順番にとらわれすぎず解けるのを拾う、というのを意識。

A:

OMC192 A問題

対称性から、(x+y+z)^2の3分の1と思える。全部で202C3通りあって、(x+y+z)^2=40000よりこれをかけて3で割る。結構速く思いついたつもりだったが、15番目ぐらいだった。もう一段階ぐらい難しくできるけども、いい問題。
BとCを見ると、Bが数え上げなので泥沼に入る可能性を考慮して、Cから取り組む。
C:

OMC192 C問題

見た目がとても恐ろしいが、最悪小さい方から大量に試せば何とかなりそう。
式変形すると、
(145-p^2)/t=(145-q^2)/u =(145-r^2)/v =(145-s^2)/w
となる。pが5より大きければ上の値は24の倍数になる。これをもとに
(145-素数^2)/24 を列挙して、素数になるものを探す。p=43で(うまく)埋まる解があるので、それを投げる。

B:

OMC192 B問題

最初よくわからず迷走しかけたが、一つ目の条件は結構強いことを言っているので、条件を満たす順列を、大きい方から埋めてみる。かなりきれいに並べられそうだが、0のみはあらかじめ決めておいた方が楽そう。また、求めるのは辞書順で一番小さいもの。
これを満たすものをパズルっぽく決定して、二つ目の条件をいつの間に忘れてそのまま提出してしまう。(誤答1)
二つ目の条件は弱いと思って無視してしまっていたが、a_k=0=b_kより、a_kb_k=0 なるkは一つ。また0~7の範囲なので、この条件も実はこれも強い。(1,6)(2,3)  (2,6)(3,4)のみなので、これを軸にそれぞれ調べる。
色々慌てたこともあり列挙が相当遅くなる。パズルを速く解くのが下手すぎた。

D:

OMC192 D問題

立体幾何で敬遠しかけるも、他の二問がすぐにできそうに見えなかったので、なんとしてでも計算しきる気持ちでチェック。
条件を見てみると、四面体が全然一意に定まらないことがうかがえる。それなら座標で計算しやすいパターンのみで答えがわかればいいので、一意であることを用いて、∠ABC=∠CBD=∠DBA=90°でBを原点、それぞれの辺を軸に沿って配置して、あとは座標計算するだけ。底面が直角三角形なのでO1O2がCDの中点を通りBAに平行な直線になるため、かなり簡単に計算できる。
幾何学的性質探しを10分ほど行っていたため、その分数値を出すのが遅れた。(結果を見るとここまで解くのに少しもたついたのはよくなかった)

Fで図をかくも計算がしづらそうだったので、解いた人数が少なかったもののEへ。

E:

OMC192 E問題

まずxについて定数解が存在しないか調べるも、特に見当たらない。
解と係数の関係で式を立てようとするも、条件が複雑になりすぎて、よくならない。aとbで分離したり、a,b平行移動を試したりするも、ぐちゃぐちゃになる。
定数解を探した時の流れを思い出して、変数分離したときの式をみながら二次式*二次式の分解ができないか考えると、
(x^2+(b+sqrt(a-b^2))x+b-sqrt(a-b^2))(x^2+(b-sqrt(a-b^2))x+b+sqrt(a-b^2))
と因数分解できることに気づく。それぞれ解は
x=±sqrt(a^2-b)/2 -b/2 ±1/4sqrt(±2sqrt(a-b^2)+a^4b) (一つ目と三つ目の符号は一致)
という形になる。
これが終了50分前だったのに、ここからこの式の解が3つになる条件を調べるところで直接求めたxのペアごとに等号を試すという愚かな行為に走り、さらにその計算の中で符号を間違え(解の±の仕方を雑に扱っていた)、b=-1/2という定数解が出てこず、(解なしになってしまった)そこからbが三解かつ積が-1200という条件を調べるとどうしてもaが整数にならず、計算誤りを探す仮定においても符号間違いが見当たらなかったので、いろいろ検算しながらミスを探していたら時間終了。因数分解の形のまま処理すれば幾分計算が楽になったのに、余計なことをしてミスをたくさん産んでしまって答えにたどり着けなかった。

感想と反省
4問正解62分19秒1ペナで23位でした。
E問題はかなりいいところまで考察できていた上に時間も十分にあったにもかかわらず、計算がずっと合わずに時間をつぶしてしまいました。difficulty表示的には赤色ですが、自分としては解けなければいけない問題でした。
各問題を見てもBで大分もたついたり、Dで幾何学的性質を見つけられず少し時間を無駄にしたりと細かい失敗がありましたが、何よりもEが解けなかったのがとても悔しかったです。
レートの方は微増したので、結果だけ見るとかなりうまくいっているのですが、反省点が多かったので失敗といわざるを得ない内容でしたね。
D問題は逆にどこか長さを余分に与えて一意になるように図を定めてしまった方が、自分みたいなズルを弾けるので600点相当の問題になったような気がします。証明なら今回の問題の通りでよいのですけども。

本番中考察できなかった問題
F:

OMC192 F問題

本番中に図だけ書いて、よくある構図だなと思いつつも、すぐに幾何学的性質がとらえられなかったので、放置した問題。実際やれることは多そうだったので、本番中もトライしてみたかった。

「混線内接円」は一度問題にしようと思ったこともありましたし、過去にJMOなどで出ているのを見たこともあったので、いろいろな性質がピンときました。三角形ABCの外心をO,ω1の中心をO1,ω2の中心をO2とすれば、A,O1,Oは共線で、PQ||BCから、AP:AB=AQ:AC=AO2:AO=6789:12345
であり、|BD-CE|=|AB-AC|=100であるので、AB<ACとしてAB=12345aとおけばAC=12345a+100,AQ=6789a+100*6789/12345と計算できる。一方で、FMについて考察すると、
AB=a,AC=a+100,AF=h,BC=c,BF=x,FC=yとおけば三平方の定理などから
h^2+x^2=a^2
h^2+y^2=(a+100)^2
x+y=c
となるので、y^2-x^2=((a+100)^2-a^2),y-x=((a+100)^2-a^2)/c,
2x=c-((a+100)^2-a^2)/c,
FM=c/2-x=((a+100)^2-a^2)/2c=100(a+50)/c
となる。変数を戻すと、(AB+50)/BC (=(AB+AC)/2BC)がわかれば計算できる。これを求めることができるような幾何学的性質を追う。
実は、ABCの内接円を取ると、PQがこれに接している
適切に反転することでこれが示せる。(Aを中心に、内接円と混線内接円が入れ替わるような反転で、ω2が直線BCに、外接円が直線PQに移る。)
これにより、PQ+BC=PB+QCがえられ、AB=a,BC=cとすれば
a-6789/12345a+(a+100)*(12345-6789)/12345 = (12345+6789)c /12345
という等式が得られ、これを変形すると(a+50)/cが求まり、FMが計算できる。(これも一意ではない?) 

反転についても選択肢にはあったので、おそらくある程度時間をかければ解けたような気がしなくもない一問。こういうところで前半4問の遅さが足を引っ張る形になりますね。

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