OMC191 参加記

こんばんは
本記事では 2023/11/22 に開催された OMC191の感想などを書いていきます。
チーム戦の方は決勝戦です。ランダムに組んでいただいたチームですが、安定して強いメンバーが多く、決勝に進出できました。そこを意識したムーブは継続して行う必要があります。(たとえば途中から解いてFAを狙うだとか)
直近ずっと良い結果が続いているので、その継続も目指したいです。

問題ページは以下です。

参加時の動き

E,FでFAを狙おうと思ったものの、組み合わせと幾何だったので即Dに逃げる。

D:

OMC191 D問題

分母が分子を割り切ることと大小関係から、p+q+r+89=pq,  pr,  qr,  pqr
で、二つの積の時は因数分解、( (q-1)(r-1)=p+90  で偶奇からp=2) 三つの積の時は直接偶奇をみることで解を得られる。
(p+q+r)の総積なのでどうせあまり解がないのと、一回勝負のチーム戦を考慮して特攻気味に、二パターン見つけた積を投げてFA獲得
割といい動きができた。

さすがにEかFは解かないといけないので、Eから吟味。Fは数字的に複雑そうだと思って一旦敬遠。
E:

OMC191 E問題

問題の意味はすぐ理解できるものの、状態がいまいちつかめない。小さい盤面で開閉の状態について考察していると、開閉の2状態を遷移しあうので、市松模様にマス目を白黒に塗ると、同じ色のマスに止まっているときは開閉の状態が一致しており、特に左下と右上については開閉の状態が一致する。この状態で端っこからある程度状態が決まるので考察していると、移動はすべて黒マスから白マスに移るようになっているが、もし移動可能だとすると即座に逆行はできず、他の部屋を回って戻ってきても、開閉の状態がそのマスの白黒のみに影響することから常に同じ状態であるということに気づく。
これは実は扉が一方通行であるということを意味する。
これに気づくと、右に行ってから左に戻ってくるためにはマスを縦に見ると右と左の一方通行のマスが並んでいるはずであるとわかり、残りは縦の状態の決め方がキーになる。
最初横方向について上にあるときに0,下にあるときに1とした二進表示を考え、0か1が連続しているところに関しては縦方向が自由で、そうでないところは一意に定まるため、Σ2^{二進表示での00,11の個数}を計算しようと思うも、少し場合分けが嵩みそうになる。(
ちなみにこれもそんな大変ではなく、左端を0で固定して、01切り替わるのが8-{二進表示での00,11の個数}個であることを用いて、{二進表示での00,11の個数}=kのとき、
2^k * 8Ck であることが計算できるので二項定理から3^8とわかり、左端の固定を解除して2*3^8通りとなる。

計算を遂行している過程で、上下2マスセットで考えたときに状態が最初だけ2通りであとは3通りと気づいて2*3^8とわかった。

解いた人数を見るとFは相当少なかったので、A,B,Cを拾う方針に。
C:

OMC191 C問題

172Bと同一の作問者なので、一見しんどいけども、計算に工夫ができる系かなと思ったが、さすがに面白ポイントがない問題。極限を出すにしても、これはさすがに…
E問題とのギャップが凄い。この系の問題が出ても全然いいと思うけど、E問題とのギャップが凄すぎて、いまいちbeginnerでやりたいことの方針が見えないのも事実。
「受験数学っぽい問題が嫌い」ということは全くなくて、受験数学だとしても面白みや独創性がないし、これが問題採用基準に達しているんだということに驚き。(その辺の問題集から出せばよいのではと思ってしまった)
ただ、解いた人数やdifficulty的には丁度良かったようで、前半はこういう路線でもいいのかもなとは思った。
A:

OMC191 A問題

大きくしたいので、和として9か16を考えたいが、和が16になる異なる2数は1通りしかないので、9が適し、9810が答え。

B:

OMC191 B問題

一瞬めちゃくちゃ難しい問題に見えるものの、連続する4数で計算を行うと
12a+18となり、単調増加になるので、aに対して値が被ることはなく、(10000-18)/12を見ればよい。(解説の書き方は大分謎)

Eで時間を使った分あまりいい位置にはいないかなと思ったが、割と上位にいた。Fの概要は把握していたが、計算できそうではあるので、それをきちんと考える。
F:

OMC191 F問題

図を書いてみると、幾何が苦手な自分でも見たことのある構図で、Rが傍接円との接点であることはすぐにわかった。これにより、BD=CRで、与えられている比をそのままの長さとして、方べきの定理を使うとDR=sqrt(8890)を得る。(以降sqrt(8890)=tとする)また、Aから内接円の接点までの距離が5tで、内接円の直径とBCを底辺として見たときの高さの比が889:635=7:5なので、AB+AC:BC=9:5がわかり、ここから計算すると43:47を得る。
途中で求めるべき比を間違えてしまい、誤答1
Xでa*b=2021を出題したかったことが推測できると書いてあってなるほどなと思った。
また、作問者さん曰くもともと300点のつもりだったということで、難易度推測は難しいのだなと再認識。審査中になっている自作についても(審査通過するかどうかはさておき)点数設定見直した方がいいかもなあ。

感想と反省
6問正解56分47秒1ペナで4位でした!EもFも歯ごたえがあり、スピードは全然出せなかったですが、全体としては良い出来立ったと思います。
今回は自分の今の実力では絶対1位は取れないなというぐらいスピードの差があったので、あまり後悔はないです。後ろが組み合わせ、幾何という苦手意識が強いセットの中ではかなり良くできた方でした。
E問題はここ最近のbeginnerの問題の中でもトップクラスに面白かったと思います。ほかの回に出してもいいのにもったいないなあと思いました。来週のexpertのwriterさんでもあるようなので楽しみです。
一方でC問題はその辺の受験数学の問題集から取ってきたような問題に見えてしまい、Eと同一の回に出ているのがちょっと方向性が見えないなあと思いました。Cみたいな問題のみのコンテストも面白そうではあるんですけどね。
上振れが続いており、来週のexpertが楽しみでもある一方で怖くもあります。頑張りたいですね。
チーム戦の方はチームメイトの頑張りもあり勝ち切ることができました。決勝で力を発揮している方、凄いです。


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