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【与太話】二段ベッドの怪

ビジネスモデルとは関係ない与太話です。
なぜこんなものを載せているのかの理由は、こちらを参照してください。

二段ベッドの怪

子供時代、弟と部屋を共有していました。

弟をうらやましいと思っていた点の1つは彼が熟睡タイプだったことです。
いちど眠りに落ちると、ちょっとやそっとでは目覚めません。

いっぽう兄である僕は寝つきも悪いし眠りも浅くて。
熟睡のおかげでしょうか、弟はすくすくと成長し、今では僕よりぜんぜんデカイです。

ただし弟は寝相に特徴がありました。
寝ているあいだに体が1回転するんです。
体の方向が時計みたいに1回転します。
なので、弟がどの方角に頭をむけているかをみれば、いま何時かがなんとなくわかりました。

部屋を共有してたころ、2段ベッドがあり、僕は上、弟は下で寝ていました。
夜中にしばしば目を覚ましていた僕は、下をのぞきこみ、弟の「方角」をみて
「ああ、まだ3時ごろか」
みたいに、時刻を推定していましたね。

さて、その2段ベッドですが、それが家に来た当初、兄と弟、どっちが上で寝るかでひと悶着ありまして。
当時は僕のほうが体が大きかったので、弟に有無をいわせず、自分が上を選びました。
今にして思えば、兄ならそのくらい、弟に譲ってやればよかったです。

ですが、
「もしかすると僕が上の段で結果的によかったかもしれない」
と思わせる事件があったのも確かです。

その事件とは…。

その事件とは…。
なんて思わせぶりな書きかたをしましたが、要するに、僕は2段ベッドから落ちました。
あれは、小学校6年生の夏だったかな。

2段ベッドには落下防止のための「支え」みたいなボードがついていました。
「ベッドガード」っていうんですかね。

ベッドガードは着脱可能で、サイズも小さなものでした。
その着脱する部分は金具でしたが、いつのまにか緩んでいたようです。

その夜、暑かったせいでしょうか、僕は寝苦しさのあまり、どうやらベッドガードを夢うつつに蹴り落としたらしい。
で、しばらくして「ドカーン」と音がし、気がつくと僕は床に落ちていました。

いやそれが、幸運にも足からでした。
頭からじゃなかった。

「ん?オレいま誰かにプロポーズしてる?」
みたいな体勢で着地していたんです。

膝は痛かったけど、あとは無傷でした。

ちなみに、家族はこのことを知りません。

まず、こんなことでは弟は目覚めなかった。
彼らしいというか。

次に、あれだけ「ドカーン」といったにもかかわらず、親は起きてこなかった。

僕はそのあとベッドに戻らず床に寝ました。

家族はこのことを知らないと述べましたが、僕も家族にこの話をしていません。
というのは、そのとき

相手を間違えた。
もう来ないから騒がないで。
騒ぐと連れて行くからね。

天井から顔みたいなのが浮き出てきて、そう言われた記憶があるからです。





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