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「Nintendo Switch Online + 追加パック」は高いのか安いのか。

先日、任天堂から発表された「Nintendo Switch Online + 追加パック」。

最初に「switchでニンテンドー64とメガドライブのゲームが遊べるようになる」という概要だけが伝えられた時は多くのゲームファンに大歓喜で迎えられたが、値段が発表された途端、賛否両論の意見が飛び交うこととなった。

YouTubeの紹介動画も、goodが8774に対してbad5560(記事執筆時)と、任天堂の公式動画としてはかなりbadが多いことがわかる。

その理由の大半はとてもシンプルに「値段が高い」と感じた人が多いからだろう。

現在のNintendo Switch Onlineは、個人だと年間で2400円。2人以上、最大八人まで入れるファミリープランだと4500円。

そこに追加パックを加えると、個人だと4900円。ファミリープランだと8900円となる。

つまり、個人だと2500円、ファミリープランだと4400円の上乗せだ。

これを高いと感じるかどうかは人によって違うと思うが、個人的な意見で言えば、「高いな」と思う。

こういう値段の話になると、「たった2500円も払えないとか貧乏かよ」みたいな煽りをする人間も出てくるが、高い安いの感じ方は、「その金額が払えるかどうか」とは全く関係がない。

「その金額に見合うだけの価値があると思えるかどうか」だ。

その価値があると思えば1万円でも払うし、無いと思うなら1000円でも払いたくない。それは人間として当然の感情だと思う。

つまり、この追加プランに2500円払う価値がある、と多くの人に思わせることが出来なかったからこその現状なのである。

しかし逆に、この値段を安いと思う人も居た。その認識の違いこそがこの問題の根幹だと思うので、それを自分なりに紐解いていきたいと思ってこの記事を書いています。

・高いと感じてしまう理由。

現在のNintendo Switch Onlineでは、FC・SFCのゲームが遊べるという特典が存在している。

それに対して、追加パックでは64とMD(メガドライブ)のゲームも遊べるようなるので、遊べるゲームの種類が倍になるなら値段も倍になって当然では?と一瞬思いたくなるが、そこに認識の違いがあるとまず話が噛み合わない。

そもそもNintendo Switch Onlineは、「オンライン」という名の通り、switchのゲームをインターネットに繋げて遊ぶために必須のサービスだ。

このサービスに加入しないと、スプラトゥーンやスマブラのネット対戦など、switchでインターネットを介した遊びをすることが出来ない。(一部例外はある)

つまり、ネットに繋げて遊ぶための必要経費として年2400円、月に200円を払っている人が大半だと思われる。

個人的にはこの2400円の中には、サーバーの維持管理などネットインフラを整える為に必要な金額が含まれているという認識で、納得して払っている。

そのうえさらに、FC・SFCのゲームも遊べて、テトリス99などの、加入者なら無料で遊べるゲームまで付いてくるのだから、そのお得感は相当なものだ。

「ネットに繋げてゲームを遊ぶ為の必要経費」+「FC・SFC・加入者特典ゲーム」が全部セットで2400円。

それに対して、64とMDのゲームが遊べる、というだけで2500円上乗せされ、合計で倍の金額になる追加パックを高いと感じてしまうのは、無理からぬことだ。

そのうえでさらに、長年のゲームファン、任天堂ファンであるほどに引っかかるのが、バーチャルコンソールの存在だ

バーチャルコンソールとは、Wii、WiiU、3DSなどで昔のゲームをダウンロード購入して遊べる、任天堂が公式で行っているサービス。

しかしswitchでは導入されておらず、待ち望む声が多くあったが、Nintendo Switch Onlineにより定額でFC・SFCのソフトが数多く遊べるようになったことで、バーチャルコンソールの代わりにこの形になったのか、とゲームファンは思ったことだろう。

そこで今回の追加パックだが、年に2500円をどう捉えるかは、このバーチャルコンソールが大きく係わってくる。

WiiUのバーチャルコンソールでは64のソフトが数多く配信されており、その値段は基本的に1本1000円程度だ。

つまり、追加パックで64のソフトを年に3本遊べば元が取れる計算になる。

そう考えるとさほど高くないように思えるが、問題は「年に2500円」という点だ。

年に2500円と言うことは、2年で5000円、3年で7500円、4年で10000円。

そこでふと思う。4年で10000円分、64のソフトだと10本以上もガッツリ遊ぶだろうか…?と。

switchで他に遊ぶ予定がない人ならやるかもしれないが、switchでは魅力的な新作ゲームが次々発売されているし、eショップには大量のインディーゲームが配信されている。

そんな中で、昔懐かしい64のソフトにどれだけの時間を使うのか、と考えると、おそらくそれほど使わないのでは?と自分は思う。

しかも、これらのソフトは追加パックを契約している期間しか遊べない。

さらに、通常のswitchオンラインでは存在する1ヶ月・3ヶ月・というプランが追加パックには無いので、契約を解除したあとに「ちょっとまたやりたいな」と思っても、年額の2500円払うしかないのだ。

対してバーチャルコンソールは、1本1000円出せばハードが生きてる間はずっと遊ぶことが出来る。

そうなると、年2500円払わせるくらいならバーチャルコンソールで欲しいソフトだけ買わせてくれよ、という気持ちにもなろうというもので、高いと感じる要因の一つになっている。

そのうえファミリープランはさらに厳しい。例えば父・母・子供二人、という家族で加入していたとして、子供とお母さんは興味ないけどお父さんだけ「昔やった懐かしいゲーム遊びたいなぁ…」と思っても、ファミリープランごと追加パックに変えるしか方法が無いので、お父さん1人の為に年4400円増の8900円となる。これはお父さんの家の中の立場によっては、だいぶ厳しいだろう。頑張れお父さん。


とはいえ、だ。

バーチャルコンソールでは配信されていない「バンジョーとカズーイの大冒険」が追加パックに入っているのは大きな目玉だし、そもそもWiiUを持っていないと言う人もいるだろうから、そういう人がハードから買うのと比べれば追加パックに加入した方が得、もしくは早いと考えるのも、これまた自然なことだ。

さらに、この2500円が圧倒的にお得になるパターンが存在することも記しておこう。

・逆に安いと感じる理由。

当初の発表では64とMDのゲームが遊べるだけだったが、突然発表されたのが、「あつまれどうぶつの森」の有料追加ダウンロードコンテンツ(DLC)が追加パックの中に入っている、という情報だ。

この有料追加DLCは単品でも2500円で販売される為、元々買うつもりだった人からすると、同じ値段を払えば64とMDのゲームまで付いてくる、という凄まじいお得感に包まれる。

ただし、有料追加DLCで遊べるのは加入してる間だけなので、64やMDはそこまで興味無いけど「あつ森」は来年も再来年もやる、という人にとっては単品の方が良いとは思う。しかし両方に興味のある人間からすれば「じゃあ追加パックに加入しよう」となるだろう。

だが逆に、自分もそうだが「あつ森」やってないから追加コンテンツ要らない、その分安くして欲しい、という人間も当然いる。

しかしここで、この追加パックに対する一つの期待が生まれる。

それは、「あつ森だけじゃなくて今後発売される任天堂ゲームの有料追加DLCも全部この追加パックで遊べるようになるのでは…?」という期待だ。

ゼルダもスプラトゥーンもファイアーエムブレムも、全部有料追加DLCは追加パックに加入してれば個別に買わずに済みますよ、という展開が今後起こり得るのなら、追加パックが「高い」という評価は一変するだろう。

しかも、先日このような記事が出た。

『あつまれ どうぶつの森』有料DLCのコンテンツは、NSO追加パックを“契約解除しても”なくならない。しかし群島には行けず

有料追加コンテンツで得たアイテムは追加パックを契約解除してもなくならない、というのだ。

例えばスプラトゥーン2の有料追加DLCは自分も購入して大いに楽しませていただいたが、1度クリアしてしまえばそんなに何度も繰り返し遊ぶという物ではなかった。

しかし、クリア特典のアイテムはDLC以外の時も普段ゲーム内で使えるので、それが無くなるのは辛い。

だがそれはこの記事の形式が適応されるなら心配する必要はなくなる。

追加コンテンツを遊んで、あとは契約解除してもアイテムは残るのなら、追加コンテンツの為に加入して次の年には解除する形にすることで、1年間は64とMDがおまけで付いてくるような感覚で契約出来る。

そうなった時には、この追加パックが高いという評価は激減するだろう。自分の好きなゲームの有料追加コンテンツが含まれるようになるのかどうか、それにより追加パックの価値は大きく変わると思われる。(まあ、それでもただただ64とMDのゲームが遊びたい、という人にとってはやはり高いかもしれないが)

結局高い安いの評価は相対的なモノなので、今は高いと思っていても条件が変われば後々安いと感じるかもしれないし、逆に最近のswitchオンラインではFC・SFCソフトが追加されるペースが停滞しているのを考えると、64やMDソフトの供給もどの程度続くのか、という不安もあるので、豊富に供給されなくなってくると、今は安いと感じてる人も高いと思うようになるかもしれない。

なんにせよ、まだ始まったばかりのサービスなので、今後の動向を見守っていきたいところだ。

でも、現状ではやっぱり高いよね!という結論でこの記事を〆させていただきます。

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