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【講座メモ】ジャンル&ターゲット

1月10日より始まりました
池袋コミュニティ・カレッジ「西村俊彦の朗読トレーニング」【詳細はコチラ

今回は宮沢賢治の『注文の多い料理店』をテキストに、全6回で色々やっていきます。

初回はまずは全体把握ということで、全文を分担して読んでみました。
・地の文
・一人の紳士
・もう一人の紳士
・注文書き
と役割を分けてみましたが、これだけでも大分立体的になるなぁと思いました。

一度読んだイメージから、
自分が監督して映画化するとしたら、この映画の
・ジャンルは?
・メインターゲットは?

ということを考えてみました。

ジャンルとターゲット

各々色んな意見が出てきますが、
ホラー方向か子供向けか、というような大きなエリアが一致しますね。

では、それぞれが考えたジャンルとターゲット層を元に、
その映画の予告編のラストのタイトルコール、
のつもりでタイトルを読んでみました。
込められる雰囲気や方向性が明確になってきます。
タイトルコールはなかなか重要だと思うので、
ここで全体の作品の印象などが肌で感じられると面白いなと思います。

続いてはタイトルコールでやった事を地の文に流し込んでみます。すると、単調にならずに雰囲気や目的をまとった読み方になってきますね…。

あとは、ある程度のブロックに分けて
目的やシーン名を考えてみる
出来事の転換を探す

といった事に少し触れました。

最後に、
「どうも腹が空いた。さっきから横っ腹が痛くてたまらないんだ。」
「ぼくもそうだ。もうあんまりあるきたくないな。」
「あるきたくないよ。ああ困ったなぁ、何かたべたいなぁ。」
「喰べたいもんだなあ」
という冒頭部をクローズアップし、
事態の深刻さはどうなんだろう、という事を考えました。
子供向け、という意識を強く持つと、全体がいわゆる
「子供向け」
という表現の型に包まれ、結果、物語の構造がかえって伝わりにくくなることがあります。
子供向けの型は、子供騙しにもなりかねないのでその辺は注意点かと思います。
二人の紳士が会話に嘘をついていないと仮定すると、この二人の状態は「遭難」に近いものがあります。
お腹も空いてきた。
その状態の深刻さはどのくらいだろう?そんな状況にふさわしい読み方はどんなだろう、と考えていくと、
子供騙しからは遠ざかっていけると思います。

私の経験から言うと、子供はいわゆる「子供向け」のハンコが捺されたものよりも、
「本気」に反応するものだなぁと思っています。
「嘘」に関して子供らは、こちらの予想よりもはるかに敏感な気がしています。
なので、子供向けだからと安易な型を取らずに、
そこに存在する「リアル」に目を向けていくことが必要なのではないか、と、思います。

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