【朗読】太宰治『朝』

朗読、今日は太宰治の『朝』

この一本のロウソクが消えたら、私は何を仕出かすか分からない…

友人の娘の暮らす家。
その娘が仕事で外出中の間、そこを仕事場に使わせてもらう「私」
だが、ある、しこたま酔っ払った日の帰り、「泊めてくれ」と転がり込んでしまう。

娘と、深夜、二人きり。
停電で、灯りはロウソク一本。酒。

私と私が、消え入りそうなロウソクの灯りの中、必死の闘いを繰り広げる短篇です。
お楽しみ下さいませ。

「朝」という待ち望む時間とは裏腹に、闇と、静けさの緊張感が漂う感じが好きです。
お前、しっかりしろよ!というレベルのどうでもいい事を、
ここまでどうでもいい緊迫感のあるドラマに仕立てている感じ。太宰君。


朝を求めるように待つ感じと、誘惑に簡単に負けそうになる感じの、
太宰VS太宰の感じがとても面白く、
また、娘・キクちゃんの言動が、無邪気にも意味ありげにも聞こえる罠。
静寂と、緊張感と、闇、をテーマに、
いつもよりも「間」の間にどんな行動があるのか、
どんな気持ちの動きがあるのか、という事に気を配って作りました。

キクちゃんの体につまずいて転んだ、とかも、間抜けなようでいて、
実はすごくセクシーな描写なのかもしれませんね。

声にしてみて気づく色々な事。

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