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【講座メモ】体/会話/ニュアンス

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宮沢賢治の『注文の多い料理店』
をテキストにした二回目。

今回は作中の台詞を、手を動かしながら口に出してみる、という事から始めました。

体の質感をつかむ

「どうも変なうちだ」と疑う
「これはロシア式だ」と知ったかぶる
「どうかそこはご承知ください」と頼む
「これは全体どういうんだ」と憤る
「これはどうももっともだ」と納得する

これらの台詞を口にする際に、感情はもちろんのことながら、人物の体のありようも変わってくるはずです。
首をかしげる、指差しをする、手を合わせてみる、手に力を入れる、うなずきながら、
など、手や体を動かしながら読んでみると臨場感が出てくるかもしれません。
身体を動かす事は「気持ちを作ること」よりも手軽で効果が大きい場合が多いです。

会話の流れ

次に、台詞のやりとりの流れを意識してみました。

上げるか下げるか

格闘ゲームのコマンド表みたいな図ですが、
発話者の気分が盛り上がっているか盛り下がっているか、次の言葉にどう影響を与えるか、などを考えました。
例えば一番上だと、
A肯定的な感情
Bそれへの否定
A否定への否定(肯定感情)
B肯定的な感情
という具合に、Aのテンションに乗ってこないBをどうにか盛り上げて同じ感情量に立つ
というような具合でしょうか。
自分がどのような状態であるのか、そして相手をどう動かしたいのかが、台詞を喋る上で重要になってくるかと思います。

ニュアンスをつける

注文の多い料理店の注文書きを、色んなニュアンス・雰囲気で読んでみました。
遊び的な感じですが
・町の食堂
・フランス料理店
・高級和食
・がんこ親父の焼き鳥屋
・イタリア料理店
・ファーストフード店
などのお題で同じ文を読むと、驚くほどに雰囲気が変化します。
こうしたニュアンスは「朗読するぞ」と思うと取りこぼしやすいのですが、普段喋っているときには意外とやっているものですね。

併せて、解釈の幅は無限大、という例として
片山ユキヲ先生の朗読漫画『花もて語れ』8巻を紹介致しました。
とても良き本です。

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