屏風を開いてみよう
こんにちは。
前回の更新から日が経ちすぎてしまい、見てくださった方に「あー、こいつ書くだけ書いて続かないタイプのやつか」って思われてしまっているのではないかと内心ドキドキしております。
ここ1、2ヶ月少し怒涛でして、と言ってもまだ落ち着いてはいないのですが、自分自身のタスク管理の下手さに毎日ドン引きしている感じです。。
四の五の言ってても始まらないので目の前のものからひとつ一つ。
って事で前回の話で屏風ってどんなものかなんとなく分かってもらえましたでしょうか。
屏風ってすごいよねって話。
歴史とか背景が分かったところで、今回は屏風ってどうやって作られてるの?的な内容になります。
皆さん屏風の中って見た事ありますか?
あんまりないですよね。
っていうか屏風の中って言われてもなんのこっちゃっていう事なんですけど、
つまりは屏風に穴開けたその中、構造とかそういう事。
めちゃくちゃすっごく簡単に言うと、屏風は紙と木で出来ているんですよね。
はい、まずこちらをご覧下さい。
屏風の基盤とも言える部分である、組子作りの木枠、です。
釘などの金具類を一切使わずに組まれています。障子に似てますね。
木材の種類は色々ありますが、うちは杉材がほとんどです。
杉を選ぶ理由としては杉の木が真っ直ぐに生えているから加工しやすいってのもありますが、軽いという事がとても大きいです。また後ほど触れると思いますが湿気などにも影響します。
結婚式場とかにある大きい金屏風もこの作りだと大体一人でも持ち上げる事が出来ます。小さくなればひょいひょい色々なところに持ち運ぶことも出来る。
ポータブル性◎なんですよね。
この木枠、組子作りと言いましたが、いわゆるデザインにフォーカスした組子細工のものとは違いますが、組子にする事で強度を持つ事が出来るのです。
こちらを見て貰えば分かるかと思いますが、互い違いに組まれているのです。
まぁ屏風に仕立てたら見える部分では無いのですが、その奥ゆかしさが日本っぽいというか何というか。
いい意味で主張しすぎないところとか。
とにかくこちらが屏風を作る上で一番の基礎とも言える部分です。
もちろんうちは木工屋ではないので、木枠は基本的に木工職人の方に依頼し作ってもらいます。
多くの製造業は分業で成り立っている事が多いと思うのですが、屏風に関して言えばものすっごい分業の上に成り立っています。
木枠もそうだし和紙もそう。
さらには箔や塗装など。
色んな人の技術を介してできた素材、それらで屏風を仕立てるのです。
常々感謝しかありません。
ただその中でもやはり後継者の問題や需要の低下によって辞めてしまわれる方も多くおられます。
1人でも欠けると成り立たないと言っても過言ではないため、日々色々と考えないといけないのですよ。
屏風を始め、日本の伝統が再度本質的な意味で国内外色んな人に「いいな」って思ってもらって、やってみたい!仕事にしてみたい!って人も増えるといいなってずっと思ってます。
そんなわけで今日は屏風の基盤ともなる木枠のお話をさせて頂きました。
こんな感じに工程を分けて話していければと思っています。
とかく情報量を突っ込むと文章考えすぎていつまで経っても更新できないため。。
ではでは、次回は「蝶番 〜和紙との関係〜」です。
よろしくお願い申し上げます。