ひもなしバンジーだったのかよ
11月末にNintendo Switch Onlineで『ゴールデンアイ 007』が配信された。1997年にニンテンドー64で発売されたFPSだ。といってもその頃FPSなんて言葉は聞かなかったが。
小学生になって間もない頃の僕は家に友達を招いてこのゲームでよく遊んでいた。当時は007という小説も映画も知らなかった。ソ連の秘密計画を暴くストーリーの断片すら理解できず、そのためストーリーモードに目もくれなかった。
主にやっていたのは4:3のブラウン管テレビを四分割して行われる対戦モードだ。同じ画面の中に四人のプレイヤーが収まり、それぞれ動き回っていた。オンラインが当たり前の今から考えてみると隔世の感がある。対戦モードのジェームズ・ボンドは最初からリミッターを解除しているのですべての武器を扱えた。室内だろうとお構いなしにロケットランチャーをぶちまけてみんなで吹き飛ばされてゲラゲラ笑い合っていた。
久しぶりにニンテンドースイッチを起動して配信を受け取る。おなじみのテーマソングとともにゲームが始まった。
当時はわからなかったストーリーだが景色には見覚えがあった。癖のある照準や射撃操作にもまごついたが、今の僕にはキーコンフィグを変えるという知恵もついていた。長い文章も読めるようになって、ストーリーがわかる。最初のステージのゴールはダムでバンジージャンプをすることと指示されている。その理由はダムの下にある化学兵器工場に潜入するため。ひもなしバンジーだったのかよ。そんなこんなで毎晩触れている。
ところで007という映画があることは小学生の僕も知っていたが、ゴールデンアイを見ようとはしなかった。今でも見たことあるのはアマゾンプライムに入りたてのときに見た『カジノ・ロワイヤル』と『慰めの報酬』だけだ。憶えてるような、ないような?
だからゴールデンアイのストーリーは未だに知らない。このゲームがどこまでストーリーどおりなのかもわからない。対戦で強いからっていう理由で使いまくっていた黄金銃が何かもわからない。わからないままでも遊べていたあの頃っていったい……
今はステージ10まで進んだんだけど、で、ロケットランチャーはいつ出てくるんでしょう。おかげさまで寝る前にわくわくしながら昔の心に戻っています。