【平成24年過去問】『地域図書館』ゾーニング完了まで20分、案作成に計60分で至る手順
当noteをご覧いただきありがとうございます。
このnoteは、
・一級建築士製図試験のエスキスがうまく解けない。
・目標タイムをオーバーする。
・一刻も早く終わらせ、作図に時間を取りたい。
そんな方に向けて書いています。
エスキスは繰り返し練習することで、必ずはやくなります。試験会場で誰よりもはやく製図にとりかかるとき、きっと合格を確信しているはずです。
投稿している一連のnoteを通してエスキスが得意になり、満足感と達成感を持って試験を終えるための一助となれば幸いです。
今回は、R5年度の課題「図書館」と類似用途「地域図書館」の過去問を解きます。
古い問題なので、試験元にも現在は問題が掲載されていません。持っていない方は、伝手をたどって入手してみてください。
この過去問は基礎的なことが詰まっているので、手順や考え方を理解するのに役立ちます。
このnoteに書いた流れを知ることで、解答案の骨格をはやく組み立てるための考え方を知ることができます。
解答としては、骨格ができたら、あとは建築としての必要知識、試験元が問題に出していることを肉付けしていけば完成します。
このnoteは骨格組み立てのプロセスを知るための参考としていただき、本試験向けの知識や対策は最近の過去問や試験元HPを参照しながら進めていただければと思います。
今回の問題に要した時間は60分程です。ご自身でも挑戦してみて、改善できるところは、どんどん良くしていってもらえればと思います。
過去の投稿の繰り返しになりますが、一級建築士製図試験は課題文を図面にする試験です。課題文が全てですので独自解釈やひねった理解はせずに、素直に図面に反映させていきます。
「わかったつもり読み」は、プランの破綻を招きます。何が書かれてているのか、1文ずつしっかり理解しながら、丁寧に進めていきましょう。
それでは、課題文を読み進めていきます。課題文の読み方は、こちらの記事を参照ください。
途中で使う建物のグリッド・ボリュームの出し方は、こちらにまとめてあります。
以前書いた面積の考え方も使っています。
①課題文の読み方 ②グリッド・ボリュームの出し方 ③面積の考え方が身についていれば、ある程度は解けるようになると思います。出題年を問わず、実際の過去問を通して実力向上をはかることができるので、エスキスだけでも是非チャレンジしていただければと思います。
尚、注意しておきたいポイントですが、最近の問題の中には、これまで投稿してきたルールを逸脱しなければならないケースもあります(例:美術館の面積など)。基本ルールを守ると破綻してしまう場合には、ルールの逸脱をOKとして調整し、納めて完成させることを優先してください。
それでは手順にしたがって進めていきます。
目次
Ⅰ.準備-利用者確認、建築面積算出
Ⅱ.アプローチ決め
Ⅲ.へり空き確認と外構施設に必要な寸法の仮定
Ⅳ.建物のグリッド出し
Ⅴ.ボリュームだし
Ⅵ.ゾーニング
Ⅶ.要求室のプランニング
Ⅰ.準備-利用者確認、建築面積算出
Ⅰ-1. 主文を読んで利用者を確認
主文には、
・小都市の市街地の公園の一角に立つ地域図書館を計画
・図書機能+αの室を設け、講演会他を開催できる
※省略しています。原文は課題文を確認ください。
・様々な世代の地域住民の学習、交流の場となるよう計画
とあります。
主文からメインの利用者は
①地域住民
とわかります。敷地に対し、全方向から利用者が集まってくるイメージでしょうか。
この図書館の目的は、地域住民に学び・体験を提供することとなります。
Ⅰ-2. 敷地及び周辺条件
第一種住居地域及び準防火地域
建ぺい率の限度 70%
容積率の限度 300%
まず、建ぺい率から建築面積を求めましょう。単純な計算で、考えることはありません。
敷地面積×建ぺい率=1,750㎡×0.7=1,225㎡
建ぺい率は、敷地面積に対して建物が建てられる割合です。↑で算出した面積を超えないことが大前提です。
Ⅱ.アプローチ決め
次に、敷地図から利用者とサービス動線のアプローチを考えます。
利用者動線のメインアプローチの候補は、南側16m道路が第1候補です。
メインアプローチは、敷地に入ってくる利用者動線から、どこが建物の正面にあたるのか考えて設定します。
長手の中央に設定するのがセオリーです。
(もちろんそうじゃないこともあります。平成30年健康づくりのためのスポーツ施設がいい例です。)
サービス動線のアプローチの候補は、東側と南西側の2つのみです。なぜ「南西側」と西側に寄せているかと言えば、利用者が使用する交差点・横断歩道から離すことで、歩車分離・利用者と管理のゾーニング分けを明確にしやすくなるからです。
利用者動線のアプローチ候補:南側正面 1か所
サービス動線のアプローチ候補:南西側、東側 2か所
Ⅲ.へり空き確認と外構施設に必要な寸法の仮定
次に建物が建てられる範囲を知るため、ヘリ空きを設定します。
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