【令和元年過去問】『美術館の分館』(※7月末の課題)を45分で解く。ー敷地を余らせずスパンや外構に有効活用する。
こんにちは、さよきすです。
当noteをご覧いただきありがとうございます。
このnoteは、一級建築士製図試験のエスキスがうまく解けない。時間がかかる。早く終わらせ、作図に移りたい。そんな方に向けて書いています。
エスキスは繰り返し練習することで、必ずはやくなります。試験会場で誰よりもはやく製図にとりかかる自分を想像してみてください。ワクワクしませんか?
ここで書いている一連のnoteが、エスキスがダントツの速さで終わるほど得意になり、試験当日も満足感と達成感を持って終えられる一助となれば幸いです。
今回は、標準階型の課題を解きます。
課題は令和元年「美術館の分館」です。過去問は、ホームページからダウンロードください。尚、令和元年は台風の影響を受け、一部地域の試験は延期となり、延期された地域では、条件を変えて出題されました。
今回は、予定通り7月末に行われた課題を解き、10月に行われた課題は改別のnoteで解いていきます。
このnoteが読み終わったら、やってみてほしいことがあります。
ぜひご自身でも解いてみてください。
45分程度で解いた解答案の一例ですので、実際に解いてみて、改善できるところは、どんどん良くしていってもらえればと思います。
では進めていきますが、一級建築士製図試験は課題文を図面にする試験です。課題文が全てですので独自解釈やひねった理解はせずに、素直に図面に反映させていきます。
何が書かれてているのか、1文ずつしっかり理解しながら読んでいきま。「わかったつもり読みは」×です。勘違いとプランの破綻の原因を招きます。
それでは、課題文を読み進めていきましょう。読み方は、こちらの記事を参照ください。
途中で使う建物のグリッド・ボリュームの出し方は、こちらにまとめてあります。
尚、当課題を解く上でのポイントですが、以前書いた面積の考え方を基本にしつつも、納まらない場合は9割確保でOKとします。最近の課題は、基本をおさえた上で、イレギュラーな対応を求められることが増えています。
スタート地点は、ルールになりますが、納まらない場合は納めることを優先してください。
それではいつものように以下手順で進めていきます。
Ⅰ.準備-利用者確認、建築面積算出
Ⅰ-1. 主文を読んで利用者を確認
主文には、
・既存の美術館の隣地に、「分館」を計画
・「分館」は、市民の創作活動の支援~に使用
・本館とともに~拠点になることを目的
とあります。
主文からメインの利用者としては
①市民
が想定されます。
また課題文から、本館と一体的に使える計画とする必要があることがわかります。
Ⅰ-2. 敷地及び周辺条件
・第一種住居地域及び準防火地域
・建ぺい率の限度 60%
・容積率の限度 200%
まず、建ぺい率から建築面積を求めましょう。単純な計算で、考えることはありません。
敷地面積×建ぺい率=1,536㎡×0.6=921.6㎡
これまでの過去問に比べると、建築できる面積はかなり小さいです。
Ⅱ.アプローチ決め
次に、敷地図から利用者とサービス動線のアプローチを考えます。
利用者動線のメインアプローチの候補は、北側16m道路1つしかありません。美術館本館からのアプローチも考えられますが、メインではなくサブです。
サービス動線のアプローチの候補も、北西側1つのみです。北東側に設けると、本館と分館間にある利用者動線を分担することになり一体的に使えなくなるため、候補にはなりません。
・利用者動線のアプローチ候補:北側正面 1か所
※北東に本館とつなぐ動線も確保しておく
・サービス動線のアプローチ候補:北西 1か所
これで今後の利用者と管理のゾーニングの方向性も検討がつきやすくなります。
Ⅲ.へり空き確認と外構施設に必要な寸法の仮定
次に建物が建てられる範囲を知るため、ヘリ空きを設定します。
そのためにやらなければいけないことは、
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