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誰も許せなくなった世界へ

ぼくが編集長をやっている月刊ウェブマガジン『地域医療ジャーナル』。
今月号はこんなタイトルになりました。

連載記事からつくられるスタイル

毎月、連載記者さんからたくさんの原稿をいただき、編集作業をしています。ありがとうございます。

いつも深く考えさせられる記事が多く、編集作業のときに感じたことを、タイトルやまえがき、そして編集後記に記すようなスタイルに自然になっていきました。

はじめからテーマを決めているわけではないんですね。

ここで今月号(2021年4月号)から引用してご紹介したいと思います。こちらは先月末(2021年3月末)に書いています。

許せなくなった世界

新型コロナウイルス感染症の終息がみられません。

生活に落ち着きを取り戻せるのは
いつの日でしょうか。

殺伐とした日々、
医療も世間もまだ喧騒のなかにあります。
そして、世界はもう
誰も許せなくなってしまったかのようです。

全部許したい

編集作業を進めながら、ふと手を止めて考えていました。
ギスギスした世界のなかで、誰も許されなくなった風潮はあるのかな、と。

そして、時代の変化とともにあらためて浮き彫りになってきたことが、少しずつ整理されてきたように感じました。

たとえば、コロナ禍においては、専門家の論理によって個人の生活や権利が脅かされる構造が、徐々に目立つようになっています。

専門家の論理の象徴として利用される代表格は、科学的データ、いわゆるエビデンスです。

科学的・論理的な説明が正しさの象徴として振りかざされるとき、エビデンスは「許される、許されない」の判断基準に利用されることでしょう。

そして、そのことがもたらす弊害があることを、ぼくたちは決して忘れてはなりません。

許される、許されない、という視点を、いったん捨ててみませんか。
全部許してみることから、はじめてみませんか。


地域医療ジャーナル note版はこちら。



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