POGにおける厩舎の取捨選択について2

今回は厩舎の取捨選択後編。
アベレージを残すためにはどの厩舎がいいかを検証していく。

私が思う、厩舎選択の基準は以下の通り。
1.POG期間内にそれなりの回数使ってくれる厩舎。
2.2歳戦、3歳戦にて実績のある厩舎。
3.情報が表に出やすい厩舎。

前編で中内田厩舎について触れたが、中内田厩舎は2は抜群だが、1と3が弱い。特に個人馬主における情報量の少なさは藤原厩舎と双璧を成す。
ただこれはどの厩舎にも言えることだが、個人馬主の中には、情報が過度に露出するのを嫌う馬主もいるので注意は必要だ。ヴェローチェ冠の大野氏なんかはその一人だと言われている。去年のドバイ以来行方不明(?)状態のステラヴェローチェを案じている方は多いだろう。私も指名馬だったのでその一人だ。元気でいて欲しい。

まあ馬主単位での取捨はテーマでは無いのであくまで厩舎に絞って続ける。
まず1だが、近年回数を使う厩舎が減ったのは事実だ。昔みたいにレースを使うことで育てるのではなく、しがらき、天栄、山元等の外厩で育てるのが主流になった影響は否めない。そんな中で回数を使いつつ結果を残しているのは、清水久厩舎、矢作厩舎、手塚厩舎がまず挙がるだろう。
今年度の新馬~5/7時点の成績で見ると、
清水久厩舎 41頭/170回 平均4.14回
矢作厩舎  40頭/141回 平均3.53回
手塚厩舎  29頭/125回 平均4.31回
と平均でそれなりに出走回数を確保しつつ、勝率も10%を超えている。
POG向けの厩舎であることは間違いないだろう。
数字で若干落ちる矢作厩舎も、馬が順調ならどんどん使うので心配はない。
事実今年度もテラステラ7走、フェイト6走と評判馬もガンガン使っている。
手塚厩舎は今年皐月賞を勝ったソールオリエンスこそ3走だが、未勝利・1勝馬では既に9戦こなしてる馬もいるように、順調ならコンスタントに使うイメージが強い。
清水久厩舎は、大物こそキタサンブラックしか出ていないが、実はPOG期間においては安定した成績を残している。今年もコナコーストを輩出している。

次に2のPOG期間内における実績。
まず2歳戦に限れば中内田厩舎は既出の通りずば抜けている。今年はリバティアイランドで初のクラシック勝利。今旬の厩舎であることは間違いない。
他、近年クラシック戦線を賑わせているのは、木村厩舎、須貝厩舎、手塚厩舎、矢作厩舎、友道厩舎、高野厩舎、鹿戸厩舎、堀厩舎、藤原厩舎あたりだろう。また斎藤誠厩舎、池添学厩舎、あとはクラシックラストイヤーを来年迎える音無厩舎もチェックはしておくべきだろう。近年以前ほどの勢いが無いのは池江厩舎。重賞、クラシックからは数年縁が無い。
池江師は他の厩舎に比べ外厩の使用頻度が低いと言われていて、その影響ももしかしたらあるのかもしれない。とはいえ、古馬含めた勝利数は毎年上位だし、馬質は決して悪くないのでチェックだけは怠らない方がいいだろう。ただ上位指名の必要は無さそう。

最後に3の情報開示について。
これについては、各POG媒体の厩舎欄に載っている厩舎が全て。
矢作厩舎等は毎年のように紙面で大きく扱われている。
逆に既出の通り、中内田厩舎、藤原厩舎はほぼ出てこない。
クラブ馬ならともかく、個人馬主だとドラフト前にデビュー時期などを探るには牧場コメントを当てにするしかないだろう。

以上を踏まえると、アベレージという点ではやはり矢作、手塚が強い。
とはいえ、評判馬が矢作や手塚に入れば競合は必至。
上位指名は2、3を一番意識しつつ、中位~下位で小銭稼ぎをしてくれる馬を矢作や手塚、清水久あたりから選択するのが無難なのかもしれない。
もちろん、ドラフト上位については中内田厩舎や藤原厩舎であってもクラブ馬なら積極的に行くべき。

データ派といいつつロマンも好きな私はキタサンブラック産駒の大物が清水久厩舎から数年内に出てくれることを切に望んではいる。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?