びゃくや

部屋のすみっこで小説や詩を書いています。たまに普通のブログ記事も。

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最近の記事

開設2年経ってたみたい お久しぶりです

こんにちは。前回更新からかなり時間が経ってしまったのですが、いまだに過去作に反応くださる方がいらっしゃったりして嬉しく思います。 超絶気まぐれ更新で正直いちどここを畳もうかとも思ったのですが、せっかくなので書きたい時に気まぐれに書こうと思います。短くてごめんなさい。ではでは。また。

    • 【詩】アルカイックスマイル

      自分のことなのに 他人事みたいな顔だ 義務のようにただいつもそこに居る 重さも軽さもなく 壊れたまま微笑む だれかを好きになろうとして 分からなくって 落とした肩を 撫でてあげられないけれど 何よりずっと 君を美しいと思った その正しさを信じているよ 深呼吸して 少し前を向いたら 真っ直ぐな道を 曲がりながら進んでも きっと答えを見つけられる だからもう 笑おうと頑張らないで 明日が来るたび変わってく心認めて 忘れないで 君は君を

      • 【詩】売約済

        行き場のない思いは 星になるんだってね あの星空を休まずに 作るのだけが僕の日課 だけど頭の内側は 誤魔化せないよ 今日も雨 人畜無害装って 猛毒隠し持った 出番を終えた舞台袖 いつだって泣いている この雨は上がらないのに 今もずっと待ってる 誰を待っているのかも 分からないまま待ってる 幸せっていうのは たぶん出来レースで どんなに並んでたって 買えずに帰るだけさ 雨に濡れて バカなのに風邪をひいて 世界は他人のものだって 分かってる人 君となら 何だって話

        • 極度乾燥(すんなよ)

          感情が冬の時代に突入した。(ちなみにリアル季節は初秋。) 友達や家族の顔を最後に見たのは昨年のリアル季節冬の頃。平日の勤務先でしか人と会わないのが当たり前になった。飲み会なんて概念すらもうない。そろそろ将来や結婚やそういうことを考えないと、なんて思ってたのもすでに懐かしい思い出で、年々薄くなっていた恋愛感情はついにゼロになってしまった。 外に出れないなら、せめていろいろ資格とったり勉強もしようしようと息巻いてたのも5月頃がピークで、今や週末は疲れ切った耳殻をロップイヤーラビ

          無人島にもこれだけは持っていきたい10曲〜GWが孤独すぎてひとりミュージック・ポートレートやってみました〜

          どうも、びゃくやです。最近なんか凄い憂鬱だなぁ巣ごもり疲れかな、と思っていましたが、よく考えたらもうとっくに五月なんですね。昔から毎日の積み重ね勉強はすぐ放棄するくせに毎年欠かさず五月病を発症しています。涙が出ちゃうね。いま特に身に覚えはないのに気分が落ち込んで困ってる方、それ君のせいじゃないから大丈夫だよ。 本題に移ります。以前「ミュージック・ポートレート」という、有名人と有名人が対談しながら人生の大切な10曲を選ぶ番組があったのですが、これがなかなか面白くて。語るほどの

          無人島にもこれだけは持っていきたい10曲〜GWが孤独すぎてひとりミュージック・ポートレートやってみました〜

          恋をした

          夕方思いがけず掛かってきた電話から聴いた声があまりにもいつも通りで泣きそうになった。 10年くらい前に流行ってすぐに廃れたJ-POPの歌詞みたいな既視感を超えて、刹那、心が感じてしまった圧倒的な安堵にいまだに戸惑っている。 ゆらぐということは、どこかに芯があるから起こるんだと思う。愛しさは、ゆらぐ。 私はいわばロココ調の、美しいだけでいいかげんな作りものばかりを恋と疑わず、いたって清廉に誠実に繰り返して、その都度すぐにぶっ倒れた。 起き上がらないのは自分の意思なのに、起き上

          自分のことを話します

          こんにちは。 初めてnoteで文章を書き始めてから1年以上経過してしまいましたが、そういえば自己紹介をしていないな…ということに本日ようやく気が付きました。遅いよ。本当に面目ないです。 HNについて 当初「びゃくや」という名前で登録させていただいておりました。後ろの「鈴代涼名」というのは、他のプラットフォームで使用している名前と統合した方が良いかな…と思って最近付け足しました。「スズシロ スズナ」と読みます。どちらで呼んでいただいても大丈夫です。 で、あんた誰なん?

          自分のことを話します

          ガール・レディ・バード

          あら、可愛いわね。 片田舎の6月。白いカッターシャツを着て自転車を押して坂を歩いていたら、ちょうど花の水遣りに出てきた近所のおばさんに微笑まれた。 視線の先を見ると、いつのまにか自分の左胸にワンポイントの刺繍があった。天道虫だ。 気恥ずかしさに小さくなりながら、あまり揺らさないようにゆっくりと歩いてみたけれど、すぐにその名の通り南西の空へと羽ばたいた。冴えない僕に嫌気がさしたんだろう。 おばさんは時折こうして名前も知らない僕に話しかけてくれる。初めて言われたのが「そんな暗い顔

          ガール・レディ・バード

          時をかけるアラサー

          どうもこんにちは、びゃくやです。 noteでは創作の文章をメインに書いていて、音楽が好きなのでたま〜にライブレポートのようなものをこさえるなどしています。 本日はちょっと趣向を変えてブログのような記事を書きます。 夜見るほうの「夢」の話をします。 突然ですが、私は昔から夜中の歯ぎしり(歯の食いしばり)がひどいです。 歯ぎしりというのは、精神的な緊張やストレスで起こりやすいとどこかで聞いたことがあります。 しかもこれやってると顔が大きくなるとも言われているらしくて。嫌な思いを

          時をかけるアラサー

          演奏を、続けてくれてありがとう

          昔から何事にも執着心が薄かった。 友達、異性、好きな色とか。 女の子だけでお姫様ごっことかやりはじめると、良いときで王子様か、時に従者や飼い猫に甘んじて。 「絶対ドレスはピンクのね!」と逞ましい声で叫ぶ万年お姫様役のリカちゃんと、テレビで見た優雅なディズニープリンセスとの間に違和感を覚えながらも、その場が丸く収まれば別にいいかと思っていた。 何に対しても強い感情を覚えることがないまま中学生になった。つまり、自分の人生にあまり興味がなかったということ。 「好きなバンド」がで

          演奏を、続けてくれてありがとう

          憶えている

          たとえば数年放ったらかしにしていたギターやキーボードを気まぐれに引っ張り出して、手元を見ずに数曲弾けてしまったり。 朝が来て夢から醒めた時に「音」や「気配」があったことを明確に覚えていたり。 思い出したってどうしようもないものばかり。精神が覚えていたいことと、脳機能的に覚えておかねばならないことには齟齬があるような気がする。 よかった記憶だけで満たした世界で幸せに暮らしちゃダメなのはなんでなんだろう。そういうのに限って回したはずのない蛇口からどんどん流れ出して行って、嫌な記憶

          憶えている

          わたしとthe pillows

          大学生だった。人生最大の失恋をした。 Base Ball Bearが好きな人だった。 その人が離れていって、その好きだった音楽だけが置き土産のように心にあった。 その面影を少しずつ忘れていくのに、なぜか反比例のグラフのようにBase Ball Bearばかりを聴いていた。 ある時、彼らが歌う『Funny Bunny』の音源を聴いた。the pillowsというバンドのカヴァー曲だった。 the pillowsねぇ。 BUMPやミスチルがカヴァーしたのは知ってる。歌詞がめち

          わたしとthe pillows

          ナンバーガール・ガール

          ハンバーガー屋の3階で仕事帰り、ひとりで適当に夕飯代わりのいちばん安いハンバーガーをもそもそと貪っていた。 自分よりずっと前から座っていただろうカップルがだらだらとポテトをつまみながらまぁまぁデカい声でバカっぽい会話を続けるのを横目に、早く帰ってくれないかという煩わしさも次第に薄くなるほどに金曜日の身体は疲れ切っていた。 彼らが帰ったところで、どうせまた次も同じような連中が座るんだろう。 ナンバーガールという日本のロックバンドが好きで、金曜日の夕方の疲れ切った頭でもそれをす

          ナンバーガール・ガール

          (口にするだけでもかなり嫌気の差す)アイデンティティ

          研修中の札の有無に関わらず飲食店店員のオーダーミスにあまり文句を言えない。基本的に自分より主張が強めの人の発言および見解に疑問を感じても「それは流石にあなたも悪いのでは」とつっこめない。ファインダーの外ではどんな現実が写っていたのかもよく解らずただ毎度毎度きらきらと現実離れした輝きに溢れている投稿写真に対して正直微妙…と思っても何となくいいね!を押してしまう。本気で怒った(と思われる案件に差し当たった)時も物を投げたり声を荒げたり、誰かに当たり散らしたりできない。 休日も終

          (口にするだけでもかなり嫌気の差す)アイデンティティ

          劣等星

          年中無休24時間営業で朝昼晩のレイヤーをひとつずつ、ただ静謐に重ねるだけの人生においても、ある時突然、自分だけが惑星の軌道を外れたような感覚を覚えることがある。 集団生活で文字通り孤立したとき。浪人が決まったとき。就職活動で、これだけ祈られたらそろそろご利益があってもいいだろうというくらいの数のお祈りメールを貰い続けたとき。友人が相次いで結婚したとき。 懐かしさからふらりと顔を出した同窓会でただただ一方的に聴かされる、愛と成功と明日への希望に満ちた人生プレゼンテーションの数

          駄作

          愛しているからという免罪符で好きでもない名前をつけられ、何の説明もなくしたくもない勉強や運動をただ無心にさせられ、常にそうやって受動態に徹するからおまえはダメなんだと呪詛のように唱えられたらもう四面楚歌で抵抗する気も失せる。 青春は美しいものなどという子供騙しを見抜けずに、自意識過剰な同級生どもがその限られた日々を土足で荒らしていくのを無力に眺めているうちに気づけばもう若くはなくなる。 本当に心からなりたいわけでもなかったけど周囲との兼ね合いとか周囲が気にするであろう世間体