働く親世代の「小学生の夏休み問題」をなんとかしたい。オフィスにお子さんを連れてきて働けるようにした話
freee DEI leadのmioです。どこの会社でもフリースペースがあればできるかも!?という育児支援施策「つばめっ子スペース」を現在実行中なのですが、その施策運営を「あえ共」します(あえて共有する=freeeの大事にしている価値基準の1つ)。働く同世代がより心置きなく働きやすい世の中になるといいなと思って書きました。
きっかけは、社員の何気ない一言から。
弊社は普段slackでコミュニケーションを行っています。timesという文化があり、社内限定Xのような形で、社員がつぶやいています。
例にも漏れず私もやっているのですが、本施策はそのつぶやきの中から生まれました。
他社さんの育児世代支援施策について私が記事のシェアとともに「子どもを連れて出勤するのを当たり前に出来たらいいのに」というつぶやきから、意見交換をしている最中に出た話題でした。
小学生の子どもを持つ共働き家庭では、夏休みが始まると、毎日のスケジュール調整に悩むそうです。特に学童保育が利用できない場合(子ども自身が行きたがらない場合もある)、子どもを自宅に残したまま仕事に行かなければならないという状況が生じ、リモートで仕事をする場合でも、仕事に集中しづらくなることもあるとのこと。
また、直接参加したいMTGでも、子どもを置いていくことができず、オンラインで参加することもあり後ろめたさを感じると言う意見もありました。
freeeでは、以前からご来客ルールに則り、社内のフリースペースasobibaに一時的に子どもを連れてきている人も少数ながらいることから、「環境を多少整えて、公式に子どもを連れてきてOKと言えたら働きやすさが高まるのではないか」と考えて、他社さんの事例などをヒアリングしつつ、やってみることにしました。
「hack everything★」リソースを最大限に活用して、育児サポートをやってみる。
実現するうえで課題になりそうなのは、セキュリティや法律周り。
社内の専門家チームと相談し、「どのようにしたら、一番負荷が少なく、継続的な仕組みにできそうか?」という観点で、実現に向けたとても良い意見をくれました。
結果、3つのルールを決めて運用を開始することにしました。
管理監督責任は親が持つ
執務スペースには基本的に立ち入らせない
スペースには大人が必ず常駐する(見守り隊)
見守り隊がネックになるかもな…最悪トライアルは私が常駐すればいいかな?と思っていたのですが、子どもを持つ親同士のコミュニティ、「つばめっ子クラブ」(freeeのロゴの鳥がつばめであることに由来)に頭出しをしたところ、見守り隊やるよー!と続々と立候補が決まり、属人的ではない運営ができることになりました。
freeeにはHack Everything★という価値基準があります。
「取り組んでいることや持っているリソースの性質を深く理解する。その上で枠を超えて発想する。多くのことは楽しいだけでインパクトがより大きくなったり、生産性が上がる。」
場所や最低限のルールはすでにあり、そのルールを元に枠を超えて「子どもたちを連れてこられるスペースにできればfreeeのメンバーが働きやすくなるのではないか」と考えて実行した結果、
他のメンバーからも「オフィスに子どもがいるのほっこりする」「楽しそうだから覗きに来た」「良い取り組みだと感じた」などメンバーからの楽しむ声も頂きました。
また、この企画に共感したメンバーから、各自の専門性を元に「英会話教室やりましょうか?」「前職教育業界で働いていたので、コンテンツ用意できるかも」と言った温かい申し出をいただくこともあり、冬休みには再度少しバージョンアップしてお届け出来たら嬉しいなと思っています。
今回「あえ共」した理由は、今まさに夏休み前半戦だったから。
「つばめっ子スペース」はまだ始まったばかりで、今まさに試行錯誤をしている最中です。
毎回見守り隊をしてくれているメンバーや親御さんから寄せられるフィードバックを元に運用を改善しています。
そんな途中段階でシェアしようと思ったのは、この施策は他社さんでも運用が再現可能なのかも知れないと思ったからです。
執務室とは別に、ご来客スペースなど社外の方が来られるスペースがある
従業員同士で協力し合える環境がある
上記2点がクリアできれば、運用が可能です。「育児支援施策」というと大規模な投資が必要だったり、特別なリソースが必要だったりと身構えてしまうことも多いですが、既存のルールや設備、有志の協力で同じような取り組みが行え、社内の働きやすいと感じるメンバーが増やせるのではと思っています。
この取り組みが広がることで、社会全体として育児サポートの環境が整い、少しでも親が安心して働ける社会が実現出来たら嬉しいなと思っています。
最後に
私個人にとって、この制度を実行するかどうか、考えるうえで背中を押してくれたのは、freeeの新卒のメンバーが、「自分の子どもと、新卒同期の友人の子どもが会社で一緒に遊んでいる未来があったらいいなと思う」と言ってくれたことでした。
未来子どもを持つことになったときの育児に対しての漠然とした不安は、誰にでもあるものだと思います。freeeはまだ比較的若い会社(平均年齢33.1歳(2023年6月))であり、育児世代は増えてきたものの、お子さんが成長していく過程で抱える不安の解像度は低いかも知れません。
特に新卒のメンバーからすると、現職の労働環境以外を知らないことが多いため、freeeのメンバーが出産の「その先」を両立している姿を見せたいという思いもありました。
freeeでも、今後も従業員の多様なニーズに応じた柔軟な働き方の支援を続けていきます。この取り組みが他社にも広がり、働く親たちが安心して仕事に取り組める環境がさらに整うことを願っています。
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