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「和モノ」再評価はどこから来たのか

八〇年代末期のレア・グルーヴ・ムーヴメント、及びヒップ・ホップの成熟によって、世界規模で進行した「過去の音源を現在の視点で再発見する」作業は、結果として従来の価値観をがらりと塗り替え、六〇年代や七〇年代の総合的な再検証につながっていたが、外国産崇拝の傾向が元々根強いこの国では、同じ視点で外国産の音楽をディグすることには熱心であっても、自国で生まれた音楽に対して同じ物差しを当ててみようという動きが表面化する気配は一向になかった。

(1996-04-26『Quick Japan』vol.7・北沢夏音「草臥れて チャー坊の生と死」第一回p76)

「和モノ」とは何か、から始めましょう。単に昔の日本製レコードのこと、ではありません。

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