雑談:芸術音楽と大衆音楽の分割
日本の音楽にはもっと「批評」と「歴史」が必要だ…人気YouTuberがそう語る理由
先日、このリンク先の記事を読みました。登録者数30万人を超える音楽解説YouTubeチャンネル「みのミュージック」をやっている「みの」さん(1990年生まれ)を取り上げた記事です。みのさんは2021年に『戦いの音楽史』という本を出版し、わりと売れているようですね。
この記事のタイトルにある〈日本の音楽にはもっと「批評」と「歴史」が必要だ〉という一文が少し挑発的に読めるというか、音楽評論に興味のある人達が何か言いたくなる感じがあって、それで言及されていたのをTwitterで見ました。それでワタシも読んだんです。第一印象は、音楽史という地味な部分に興味をもたせるなんてYouTuberはすごいなあという感想でした。可能性を感じました。
ただ、引っかかった部分もありました。この箇所です。
――今仰った、語ることと語らないことの組み合わせとしては、どんな意識がありましたか。
わりと視点を広くとっているつもりですね。「ビートルズが出てきて〜」というポイントだけで語るんじゃなく、冒頭で音楽の三原則の話をしているんです。古典的なクラシックの音楽理論だと、リズム、メロディ、ハーモニーが音楽を音楽たらしめるとされている。でも、そこに20世紀は録音というテクノロジーが入ってきた。録音された音楽を聴く時代になって、音色という要素が加わったという説を提唱していて。そういう視点も入れています。
(日本の音楽にはもっと「批評」と「歴史」が必要だ…人気YouTuberがそう語る理由)
クラシックの音楽理論に出てくる「音楽の三原則(リズム、メロディ、ハーモニー)」には、録音によって「音色」という要素が加わった……「という説を提唱して」いる!? え、提唱!? この言葉の主語が省略されているので誰が提唱してるのかは書いてありませんが、まあ文脈上はみのさんが提唱していると考えていいでしょう。そこについて少し註釈を加えます。
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