セゾン文化とパルコ文化
よく勘違いされてるなと思うので少し解説。
1980年代の日本の文化現象として「セゾン文化」というのを聞いたことがあると思います。堤清二率いる西武流通グループ(→西武セゾングループ→セゾングループに改称)の文化戦略として、西武美術館、西武劇場、スタジオ200、六本木WAVE、リブロ、リブロポート……といった世界中の前衛文化を紹介する場を用意した、類まれな企業活動です。しかしその中にたまにファッションビル「パルコ」が入っていることがあるんですね。それはちょっと違うのでは?という話です。堤清二がパルコについて語った言葉を見てみましょう。
パルコは、ぼくは距離を置いて見ている。疑似カルチャーというか、サブ・カルチャーに徹しないと駄目だなと。だから、パルコ劇場では、本当の前衛劇なんかやったらお客さんは呼べない。ちょっと気がきいてファッショナブルな芝居でなきゃならない。ですから、パルコ文化というのは、ぼくのものではないなあ、という感じでね。
『週刊ダイヤモンド』1987年5月16日号
「パルコ文化」はぼくのものではない。堤清二がそう言っているのは二つ理由があって、一つは、主導者が別にいるからです。それは堤清二の元・同級生である増田通二です。そしてもう一つは、パルコ文化はセゾン文化と違って「サブカルチャー」だからです。
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