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日本のグラフィティ史の最初に出てくる桜木町再考

日本のグラフィティの歴史を調べていくと、必ず出てくるのは桜木町のガード下の話です。今回はこの話。

日本の初期のグラフィティアーティストたちの主戦場となっていったのが、旧東急東横線桜木町~高島町間の1kmほどあるガード下です。2008年8月から2009年3月にかけて順次撤去されるまで、同地はグラフィティの聖地として様々な人々が腕を競っていました。この盛り上がりには、1990年代末に本格的にグラフィティの取締が始まるまで、地元住民もそれがなんなのか分かっておらず、学生さんが妙に頑張って書いてるなーという程度で通報もされなかった時代背景があるようです。警察がきても「落書きやめなさーい」と言われるだけだったとか。

桜木町の壁を時期で分けるとすればこうなります。

第一期:~1988(ロコ・サトシ時代)
第二期:1989~1992(1989年の横浜博覧会で描く人が増加)
第三期:1993~(いわゆるグラフィティの始まり)

今回はグラフィティ以前、第一期と第二期について解説しましょう。

第一期の始まりはいつか?

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