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135 魅力的な場所

昨日は寒い中、他校との合同練習でした。

といっても、本来なら練習試合の予定でした。それが部員の所用でどんどん欠席者が増え、やむなくキャンセル。年内最終戦の予定でした。そこで、かねてから親しくさせていただいている学校にお願いし、合同練習を行うことに。ありがたい話です。

ただ、その後もどんどん欠席者が増え、最終的にはウチは参加が1人。自校の練習ならきっとオフにしていたと思います。というか、そうせざるを得ない状況です。

これは別の話。

僕が大学生のころ、自身の所属した小学生の地域ソフトボールチームのコーチをしていました。もう20年くらい昔です。強豪チームだった前体制からスタッフが代わり、部員も激減しました。残ったのは「ソフトが好きな子」のみ。前の体制から引き続き残っていた僕は、変化を顕著に感じながら参加していました。

ある日、連絡がうまく伝わってなかったのか、自由参加みたいになっていた日がありました。参加は1人だけ。ユニフォームを着て、いつもの練習をする準備をしてきたその子は、入部したばかりの一番上手じゃない子でした。

「どうする? 僕と二人やけど、練習する?」と聞くと、ちょっと考えて「練習します」と返答しました。1時間くらいかな、その日の練習は。帰り際に「ごめんな、今日は。また次の練習も頑張ろな」と言って、解散になりました。

最近は休んだり、途中で帰ったりするのが当たり前のようにできる時代になりました。考えれば普通のことですが、もしソフトの場が魅力的な場であったらまた違ったのかもしれません。というか、きっとそうでしょう。たまたま体調がすぐれない、所用で行けないなど偶然が重なったにせよ、です。

魅力的な場。楽しいことがある、自分を高められる瞬間がある、仲間がいる、やってよかったという心地よい達成感がある。そういうものが今のウチの部には欠けてしまっているのだろうと思います。

部活動をめぐってあれこれ言われていますが、生徒は授業を受けて、テストがあって、授業があって、友だちとのあれこれがあって、そして当然のように部活があります。大事な時間を一緒に過ごしているのに、いるはずなのに。

忙しいのはみんないっしょだ。昨日の練習は良い練習になりましたが、僕にとっては反省の多い時間となりました。

20年前に小学生だった彼は1人で参加した日のことを覚えているかな。僕には鮮明すぎる記憶で、忘れたくても忘れられない出来事でした。

スギモト