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就 職 活 動
コンコンコン
【学生】失礼します。
【面接官】どうぞ。まずはお名前からお願いします。
【学生】西麻布工科大学 工学部3年 『斎 晋作』と申します。本日はよろしく御願い致します。
【面接官】斎さんですね。こちらこそよろしくお願いします。では早速ですが、弊社の入社を希望した理由は?
【学生】御社への入社を希望した理由ですね
【面接官】はい。そして具体的にどのような仕事をしたいですか?
【学生】入社を希望した理由は
【面接官】理由は?
【学生】御社の強みであるマンホール事業に将来性を感じたからです。
【面接官】!?キミみたいな学生は初めてだ。
【学生】ほんとですか?
【面接官】ああ。斎くんと言ったね?少なくとも私が面接官をやってきた中では斎くん、キミが初めてだよ。
【学生】私が、初めてですか!?い、意外だ・・・でも嬉しいです!
【面接官】ああ。初めてだよ。なぜならウチの会社は飲料メーカーだからね。
【学生】具体的にしたい仕事は
【面接官】あれ?伝わらなかったかな?まぁせっかくだから聞いてみよう。具体的には?
【学生】◯型のマンホール以外にも△型のマンホールを普及したいです。
【面接官】やっぱりマンホールなんだね。ちなみにウチは飲料メーカーだからね。
【学生】○型の次は△型、□型。
【面接官】マンホールに形を変える必要性は微塵も感じないんだがね。そうそうウチは飲料メーカーなんだけどそろそろ間違いに気づいて欲しいね。
【学生】その次は×型も普及させます。
【面接官】完全に世の中のマンホールが昔のプレステのボタンみたいになるね。あとウチは飲料メーカーだからね。
【学生】ごくまれに☆型マンホールも作ってその上に立つと無敵になるようにします。
【面接官】無敵なの?マリオかな?マンホールとかもう関係ないね。もうどうでもいいと思っているかも知れないですけどウチは飲料メーカーだからね。
【学生】あとはハーフ&ハーフのマンホールも作りたいです。
【面接官】今度はピザかな?なんかもう一周して凄いね。ただ、残念ながらウチは飲料メーカーだからたぶんと言うか絶対無理だね。
【学生】絶対無理と言うことはないと思います!人間の可能性は無限です!インフィニティです!
【面接官】その熱意のベクトルが惜しいね。マンホール事業ウチじゃやってないから無理だよね。
【学生】やってないのなら、『斎 晋作のマンホール』として新たに事業を立ち上げます!
【面接官】最新作のマンホールに需要があると思えないよね
【学生】斎 晋作のマンホールなら間違い無くヒットさせられる自信があります!
【面接官】うん、それならキミ個人が最新作のマンホール会社を立ち上げてみては?
【学生】斎 晋作のマンホールは個人ではなく御社と一緒に成功させたいんです!
【面接官】何か噛み合わないね。何より情熱の注ぎ方のベクトルがズレてるのが惜しいね
【学生】だから是非!御社へ行きたいんです!
【面接官】「だから」の意味がまったく掴めないよね。でもちょっとキミに興味持ったんで次の面接に進んでもらいます。全然業種は違うけど、☆型のマンホールという発想はおもしろかったです。
【学生】ありがとうございます!
【面接官】もしかしたら、わが社でスターになれるかもね!☆なだけに!
【学生】・・・ちょっとなに言ってるかわからないんですが
【面接官】なんでここは冷静なのかな?いや話としてはオチたと思ったんですけどね。
【学生】え、この話、オチちゃまずいですよね?
【面接官】というと?
【学生】マンホールなだけに
【面接官】・・たしかに。かかっているとは。
【学生】それと・・
【面接官】それと?
【学生】面接なだけに
【面接官】2つも!斎くんキミ採用!!
<終>