小説・舞依とレイコの空手チョップ……第1話
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■第1話
暗闇の中……ここはどこだ……ワシはいままで何をしていたんだ?
ん……
ジワジワと感じるぞ……
上からの熱い光……下からの振動……ざわめき……そして……汗とかすかな血の匂い……
ワシはこの感覚をよく知っている……
そうだ、ここはリングだ。ワシはいまリングの上にいるんだ。試合をしていた?すべては目を開けてみればわかること。
うっ、まぶしい!
影法師……誰だ、こいつは?
「大丈夫か!大丈夫か!」
って……ずいぶん動揺しておるようだが。
声の中に中年男の匂い。白と黒のしましまのシャツ……そうか、こいつはレフェリーか。やはりワシは試合をしていたんだな。どうやらリングにブッ倒れて……ワシが気を失っていた?そこまで圧倒されただと?そんなことのできるレスラーがこの世にいるのか?
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