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マレーシアで出会った「友達のいない」日本人
2022年12月23日。
コロナ以降初、4年ぶりのマレーシアだった。
空港に到着したのは夜10時をまわったころ。そんな時間なのに、ターミナルはまだ人で溢れ返っている。
アジア系、アラブ系、インド系……人種の坩堝、マレーシア。様々な肌の色と様々な人々の匂い。スマホを空港のWifiに繋ぐと、今回招聘してくれたマレーシアのプロレス団体・APAC総帥のシャウカットからWhatsAppに連絡が来ていた。
「着いたか?」
「たったいま」
「俺の使いが迎えに来てるから連絡し合って合流してくれ」
シャウカットとは4年前に同地で闘って以来の間柄である。
送られてきた連絡先を登録すると、すぐさま誰からかメッセージが来た。
「いまどこにいますか?」
ターミナルの目の前の光景を写真に撮り
「ここです」
と送ると、すぐ向こうにいる女の子が手を振ってきた。首からパスを下げ、小脇にファイルを抱えている。旅行会社のツアーコンダクターのようないで立ち。彼女がシャウカットの使いだろうか。
4年前にKAIと来たときは、シャウカットの妹が迎えに来てくれていた。いまではあんな子を雇うまでに組織として成長したのだろうか。長い黒髪に丸い顔、細い目がやや吊り上がった、正直かなり美人なその女の子は「リンです」と英語で自己紹介した。この日から5日間、彼女が面倒を見てくれるという。空港正面に停められた大きなワゴンに案内され
「あとの二人を探してくるので中で待っていてください」
と、空港内へ走っていった。
しばらくして戻ってくると、今回一緒に参戦する東京女子プロレスの伊藤真希選手と上福ゆき選手が一緒だった。
日本からずっと同じ飛行機だったようなのだが、到着までお互い気が付かず。このときが初対面となった。
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