J-REIT振り返り(5/15-5/19)
前週同様、株が非常に強いです。リートは値動きだけ見ると物足りなく感じますが、久しぶりのPOがあった中でこの動きなら悪くないのではないでしょうか。
東証REIT指数の推移
5/19時点:1,870pt
(前週比+0.8%、始値1,857、高値1,890、安値1,855、終値1,870)
15日(月)に大幅上昇し、引け後にGLPがPOをしました。新年度では最初のPO発表です。約300億円のサイズながらも翌日も指数は小幅続伸する等、週初は堅調でしたが、その後上げ幅を縮小しました。
騰落率上位
1 東急リアル・エステート 4.3%
2 ユナイテッド・アーバン 4.0%
3 積水ハウス・リート 3.1%
4 日本リート 3.0%
5 ケネディクス商業リート 2.8%
総合型が強かったです。
前週までは物流や住宅が強かったので、物色面では好循環が働いているのではないでしょうか。
騰落率下位
1 GLP -3.4%
2 星野リゾート・リート -1.4%
3 森トラストリート -1.0%
4 三井不動産ロジスティクスパーク -1.0%
5 日本アコモデーションファンド -0.8%
POを発表したGLPがワーストです。発表翌日は小幅安程度でしたが、ダラダラと売られ続けました。リートのPOは久しぶりでしたが、この程度の下落で済んだのなら、個人的には良いディールだと思っています。
物件売買等
GLP(3281)
5/15(月)にPOを発表しました。
サイズは約306億円で、4物件(582.3億円)を取得します。
取得物件は最先端の物流施設であるALFALINK相模原4(準共有持分30%、193.5億円、鑑定NOI利回り3.6%、BTS)や浦添(179億円)等です。後は福岡粕屋と岡山総社Ⅲになります。
巡航DPUは2.1%増加見込みです。
期中増資でやや意外感のあるタイミングでしたが、巡航DPUは伸ばせていますし、上述のとおり投資口価格もこの程度の下落で済んだのなら、マーケット的には受け入れられたと評価して良いのではないかと思っています。
決算
ジャパンリアルエステイト(8952)
3月にPOを発表した際の予想から大きな変化はありません。
汐留ビルディングのリーシングが概ね完了し、稼働率が回復見込みなのはポジティブですが、水道光熱費の増加等により、収益は24年3月期まで上向きとはならない見込みです。
分配金利回りは4.3%程度ですが、DPUの2割強は売却益によるものです。
3月に何とも言えないPOをして、決算発表の5/15時点で時価総額が野村マスターに負ける始末です(時価総額が必ずしも優劣を決めるわけではないですが)。一度ごめんなさいの意を込めた物件売買や業績予想修正をしてほしいところです。それがないと、日本ビルファンドではなく敢えてこの銘柄を意欲的に積む理由があまり見当たりません。
ケネディクス商業リート(3453)
前週に業績予想修正を発表済みです。水道光熱費収支の悪化の影響が緩和され、DPUは6,500円強で安定推移する見込みです。決算発表日時点での分配金利回りは5.2%程度ですが、ケネ商の良さが再評価されることを期待したいです。
グローバル・ワン不動産(8958)
期中にPOをしています。大手町の売却益により増配ですが、水光熱費の増加等により、利益は半年前予想を若干下振れました。
期末稼働率は23.3が96.3%、今期と来期はともに96.5%の想定です。前回みたいに個別物件の稼働率想定が欲しかった(今回は豊洲だけ)。テナント集中リスクが他より高いので油断できませんが、稼働率はしっかりキープできています。
昨年POを敢行して規模拡大に意欲を示したので、早いうちに物件取得やパイプラインの詳細の発表を期待したいです。
終わりに
リートはそんなにマーケットに厚みがある感じ(少しの売りで崩れそうな印象)でしたが、POがあってもしっかりだったのは意外でした。
懸念材料はもちろん尽きないですが、物件からのキャッシュフローがある程度安定していて、かつ利回りが4%程度あるならそんな弱気にならなくても良いのではというのが持論なので、もうちょっと堅調相場が続いても良いと思う一方、もう少し上がると一旦外したくなる気もします。悩ましいです。
後は、今の堅調相場や、日銀MPMの政策修正後退期待、GLPの PO等を見て、他のリートもPOを画策するのか注目ですね。