投資部門別売買動向に東証REIT指数先物が追加
10月に入ってから東証REIT指数が2,000ptを割れる場面があり荒っぽい値動きとなりました。2,000pt割れはただの押し目だったのか、それともホンモノの調整はこれからなのか全くわかりません。
さて、今週(10月7日)発表された投資部門別売買動向では、海外投資家による巨額の日本株式・先物の売り越しが話題となりましたが、その投資部門別売買動向にしれっと東証REIT指数先物の部門別売買動向が追加されていたのでその中身を見たいと思います(以下の画像・数値は全てJPXより)。
投資部門別売買動向について
投資部門別売買動向はJPXが発表しているものです。日本株の動向は、毎週木曜日(第4営業日)15時に前週のものが公表されます(REITの動向もありますが、週間のデータはなく月間のデータになります)。週間の統計では、株式と先物・オプションの動向が公表されていますが、先物・オプションの売買動向の中に東証REIT指数先物のデータが追加されていました。
2021年9月第4週から新たにデータが発表されています。ちょうどその時期に大証のデリバティブシステムが見直されていましたので、それに伴ってということなのでしょうか。また、月間のデータでは、2021年9月のものから発表されました。
東証REIT指数先物の売買動向
2021年9月の東証REIT指数先物の投資部門別売買動向の数値を見てみましょう。まず言えることは、売買代金がとにかく少ないことです。9月の自己委託合計の売り買い合計で約308億円。もしかしたら週間の統計公表が開始された9月第4週以降の累計なのかもしれませんが、それでも少ないです。REIT現物の1日の売買代金以下です(最近の1日の売買代金は少ない日でも300億円台程度です)。
次に委託の内訳(法人、個人、海外投資家、証券会社)を見てみます。売買代金のシェアは、法人が52.5%、個人が2.8%、海外投資家が37.2%、証券会社が7.5%となっており、法人が52.5%と最大の売買主体になっています。日経平均先物では海外投資家が総売買代金の7~8割程度を占めているのと比較すると海外投資家の割合は低いです。上記のとおりこれだけ売買代金が少ないマーケットでは触るプレーヤーが少ないのでしょう。法人(52.5%)の内訳を見ると、投資信託(24.8%)や信託銀行(16.0%)が大部分を占めていました。
買い越し・売り越しの状況を見ると、9月は投資信託が約25億円の買い越し、信託銀行が約10億円の買い越し、海外投資家が約1億円の買い越しとなっていました。売買代金が少ないので、買い越し・売り越しの金額も特に目立ったものはありませんでした。
まとめ
今回は新たに発表された東証REIT指数先物の投資部門別売買動向について簡単にまとめました。売買代金が少なく、2021年9月のデータでは目立った売買動向は確認できませんでした。10月以降の売買動向で目立った動きが見られるか注目したいです。
そもそも東証REIT指数先物は誰が使っているのでしょうか。リートベア投信に使われていたり、東証REIT指数連動型ETFの残高の一部に含まれていたりはしますが、短期トレーディングなど他の目的での売買はあまり耳にしたことがありません。もう少し売買が活発になると先物だけでなく、現物の流動性向上に寄与すると思います。時価総額がそこそこの銘柄でさえ板がスカスカなことがありますし、今後の売買の活性化に期待したいです。最後までお読みいただきありがとうございました。
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