J-REIT振り返り(5/29-6/2)

上がり続ける株式マーケットを見てると、なんでリートなんか見てるんだろうという気持ちになります。
今週は不動産投資家調査が発表されたので、後半に記載しています。2023年4月時点でキャップレートは上がっていなかったです(むしろ一部では低下)。

東証REIT指数の推移

6/2時点:1,862pt
(前週比+0.7%、始値1,854、高値1,880、安値1,845、終値1,862)

前週はPO発表増加もあってか下落しましたが、今週は反発しました。
今週は指数よりも、5/31(水)の引けに個別銘柄が大商いかつ急変動したのが目立ちました。MSCIのリバランスの影響ではないかとの声もありますが、実際にリバランスの対象となる銘柄は少なかったはずなので、正確な理由は不明です。
他にも分配金再投資(5/29)や権利落ち(5/30)、POリバランス(6/1)と需給イベント等が多い週でした。

騰落率上位

1 日本ビルファンド 2.8%
2 ケネディクス・オフィス 2.4%
3 マリモ地方創生リート 2.3%
4 日本プライムリアルティ 2.1%
5 ジャパンエクセレント 2.0%

オフィス系が並んでいます。日本ビルファンドは前週に直近安値を記録していたところから少しだけ上がりました。

騰落率下位

1 ユナイテッド・アーバン -3.4%
2 平和不動産リート -1.7%
3 ヘルスケア&メディカル -1.2%
4 阪急阪神リート -1.1%
5 いちごホテルリート -0.8%

3銘柄は5月決算で権利落ちがあった銘柄です。

物件売買等

ユナイテッド・アーバン(8960)
川崎東芝ビルの1棟貸しテナントの退去時期が変わりました。
昨年12月のリリースでは退去時期が2028年10月20日(もう1つ前のリリースでは2023年10月20日)でしたが、今回のリリースでは2024年6月1日に前倒しになりました。
定借でしたし、後継テナントや再開発等の目処がついたことを受けて敢えて前倒しさせたということであってほしいです。リートとしては売却がメインシナリオでしょうか。取得価格192億円、鑑定価格321億円の物件ですので、売却or入替となったらかなりインパクトがありそうです。

終わりに

5月30日に不動産投資家調査(2023年4月時点)が発表されました。
2022年12月にYCCの変動幅が拡大され、更なる政策修正観測が高まっていた時期ですが、キャップレートが上昇したエリアや用途はありませんでした。むしろ一部ではキャップレートの低下が続いています(都心ではレジ、ロジ、高級商業)。
特別アンケートでは、2022年12月のYCC変動幅拡大による影響についての質問がありましたが、6割は不動産市場に影響はなく変化は生じていないとの回答でした。残りの約4割は市場がシュリンクしつつあるとの回答でしたが、その理由については回答がバラけていました。
もちろん先行きは分かりませんが、不動産価格が下がると思ったのに下がらないというのがリスクになる可能性もあるかもしれません。日本の不動産投資は現状逆ザヤにならないので、売買プレーヤーは様子見の期間が長いほど辛くなります。また、アメリカでの利上げ打ち止めor利下げが実現すれば、グローバル不動産にとってポジティブなはずです。

株がとても強いので、楽観的すぎることを書いてしまったかもしれませんが、もう少しリートが上がることは期待しても良いのではないでしょうか。5月以降のGLP、プロロジス、平和不動産のPOを大きな下落なく通過したので、需給環境は悪くなさそうですし。

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