J-REIT振り返り(5/22-5/26)
日本株がすごいですね。一旦落ち着いたと思ったらエヌビディア祭りです。
J-REITはPOが出てきたこともあり下落しました。大して下げてはいないのですが、発行体が1,900pt手前まで上がったところがPOするタイミングだと思っているなら寂しいなと思ってしまいます。
東証REIT指数の推移
5/26時点:1,849pt(前週比-1.1%、始値1,870、高値1,875、安値1,836、終値1,849)
22日(月)は上昇しましたが、引け後にプロロジスと平和不動産リートがPOを発表しました。
前週はGLPのPOがあっても何とか堪えていましたが、更に計300億円程度のオファリングが出ると崩れました。とは言え、1,850pt程度で引けています。昨年は12月の変動幅拡大前までのレンジの下限がこのくらいでしたし、利回り4.0%近辺ですので、そんな下がったなという感じも個人的にはしないです。
25日(木)に森ビルが東京23区の大規模オフィスビル市場動向調査を発表しました。
今後5年間の供給量については、今年(126万㎡)と25年(136万㎡)は多めですが、それ以外の年はそこまで多くありません。新しく出た27年の供給量の予想は58万㎡でした。
半年に一度の不動産投資家調査も出てくるかなと思いましたが、26日(金)時点では見つかりません。
騰落率上位
1 東急リアル・エステート +1.9%
2 ヒューリックリート +1.7%
3 グローバル・ワン +1.4%
4 サンケイリアルエステート +1.3%
5 いちごオフィスリート +1.1%
オフィスや総合型が並んでいます。リバーサル色が強いです。
騰落率下位
1 日本プロロジスリート -4.9%
2 いちごホテルリート -4.2%
3 星野リゾート・リート -4.1%
4 大江戸温泉リート -2.9%
5 日本都市ファンド -2.9%
POを発表したプロロジスが最も下落しました。ホテル系は26日(金)は上昇しましたが、それまでインバウンド銘柄が弱かった煽りを受けてか下落しました。
また、日本ビルファンド(前週比-1.6%)がひっそりと直近安値を更新しています。約2年半ぶり(POで新宿三井ビルディングを買った頃以来)の安値です。安く見えてしまいますが、見落としている材料があるのでしょうか。
物件売買等
日本プロロジスリート(3283)
昨年12月に続きPOを発表しました。5月末が近いのでもうないかなと先週の時点で思っていましたが、22日(月)に発表、24日(水)までにブックのスケジュールで滑り込んできました。POとMSCIの最小分散指数のリバランスで短期的には売り圧力が高まるかもしれません。振り返れば押し目買いの好機だったねとなってくれると良いですが。
サイズは約252億円で、プロロジスパーク草加(514億円、鑑定NOI利回り3.7%)を取得します。取得価格はポートフォリオで最大です。巡航DPUは1.6%増加見込みです。
平和不動産リート(8966)
1年ぶりのPOで、こちらもプロロジスと同様、22日(月)に滑り込んできました。
サイズは約53億円で、大証がある大阪の北浜エリアのオフィス2物件(計50.2億円)をスポンサーから取得します。期中の物件売買も合わせると、120億円強の資産規模拡大です。北浜のオフィスは2物件とも賃料ギャップが-20%強あるので、内部成長を期待したいです。
巡航EPUは1年前のPO比1.0%増加見込みで、DPUは売却益や内部留保を使いながら増配予想を継続しています。
星野リゾート・リート(3287)
ホテルビスタ松山(19.04億円、鑑定NOI利回り6.5%)を取得します。4月に取得を発表したザ・ビー・浅草と同様借地の物件です。オペレーターとの契約期間は10年間、賃料形態は固定+変動です。
借入金での物件取得が続いていて、かつ来月決算発表予定ですので、POを発表するのか注目ですね。
インヴィンシブル(8963)
ソフトバンクがフォートレスをアブダビの政府系ファンドに売却しました。インヴィンシブルのスポンサーがフォートレスという点に変わりはありませんが、株主が変わることでフォートレスのスタンスが変わるのか注目されます。
ホテルリート4月運用実績
4月のRevPARは、インヴィンシブル(8963)が2019年比で-7.5%、ジャパン・ホテル・リート(8985)が同-11.3%となりました。
3月は2019年比でプラスまで回復しましたが、4月はGWの曜日の影響もあり一旦減速です。
5月の予想は、インヴィンシブルが2019年比で+3%程度としており、再度回復見通しです。
決算
大和証券リビング(8986)
DPUは2,200円程度で安定推移が続く見込みです。決算発表のタイミングでPOを発表する可能性もあると思っていましたが、今回はありませんでした。パイプラインは未竣工のレジが多いですが480億円超積みあがっています。
グランカーサ緑地公園の稼働率は4月末で65.8%と当初の計画よりも進んでいます。稼働率・賃料は他の住宅リートと同様堅調です。
終わりに
リートは下がりましたが、1,850pt程度で引けています。POの中身自体は悪くないですし、1,800pt割れの時に静観していた投資家もいたはずなので、需給悪化を吸収してほしいですね。後はそろそろ日本ビルファンドが買われないですかね。
6月もPOは出てくるのでしょうか。あるとするなら、決算発表する銘柄(4月決算)だと星野リゾート、6月決算だとフロンティア(銀座グラッセの埋め戻しに目処が付いてるなら上方修正幅を大きく見せられそうですし)辺りが有力でしょうか(個人の勝手な予想です)。
後は不動産投資家調査でキャップレートの目線に変化があるのか注目ですね。米国市場や日銀への警戒感から物件の売買が細っている印象ですが、1年間何も売買しないとプレイヤーはご飯が食べられないでしょう。植田総裁は就任当初に警戒されていたほどタカではない(むしろハトでは?)印象ですし、キャップレートが上がっていない、日銀の政策修正時期の後ずれ観測(または政策修正しても金利が上がらない)等をきっかけに売買が活発になることを期待したいです。そうなった上で、J-REITって持ってる物件良いし、安くね?と認識されるとハッピーなのですが…