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SaaS定点観測マガジン -ZOOM- 次回Q3'21決算予想

今回の記事では、次回Q3'21の売上高を予想します。あくまでも現時点でわかる情報から推測したものとなります。ダウンロード数を用いて推定しているため、月次のダウンロード数が開示され次第、予測を更新します。そして、次回の決算前に発表内容がポジティブかネガティブかの判断材料にしたいと思っています。

いつもお伝えしている事ですが、あくまでも私の妄想という事をご認識下さい。実際に投資するか否かはご自身で判断していただきますようお願いします。(自分で考えて根拠を積み上げた上で投資する癖を付けないと、短期的にはたまたま勝つかもしれませんが、長期的には勝てないと思っています。私の記事は、答えを知るために使うのではなく、ご自身で根拠を積み上げるための材料として使うつもりでお読みいただけると幸いです。)

カバーガールについて

株式は恋人なので、銘柄毎に絵と名前を付けることにしました。この子はZMちゃんと呼んでいます。(そのままw)
髪の毛はZOOMのカラーである青にしています。また、個人的には真面目な会社(特にCEO)のイメージがあるため、優等生風にしてみましたがいかがでしょうか。
誰もお気づきでないと思いますが、記事毎に髪型とかポーズを変えています。髪型を変えたらあまり優等生に見えなくなりましたが、まあこれはこれで可愛いので良しとしましょう(笑)
お付き合いはIPO時からなので、もうすぐ1年半になります。

<目次>
Q3'21ガイダンス
■Q3'21売上高推定
■期待リターン計算
■まとめ

Q3'21ガイダンス

まず、先日の決算で発表されたQ3'21のガイダンス(売上高)をおさらいしておきましょう。

Q3'21(次回予想)
売上高 :$685M - $690M

FY21 (通年予想)
売上高 :$2370M - $2390M

これは、売上高成長率がQ2'21→Q3'21で約4%、Q3'21→Q4'21で約3%という事を意味します。Q1'21→Q2'21が約102%でしたので、急減速するという予測になっています。
ちなみに、過去の決算で予想 vs 実績がどうなっていたかを見ると100%実績が予想を上回っています。(下図の surprise = 実績 - 予想 )
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会社毎にガイダンスの出し方には癖があるのですが、ZOOMはガイダンスを保守的に出すという事が分かりますね。それでは売上高がどの程度で着地する見込みなのか試しに計算してみましょう。

■Q3'21売上高推定

売上高の増加は以下のように分解する事ができます。

売上高の増加 =「①新規ダウンロード(有料アカウント)」+「②無償アカウントから有償アカウントへのアップグレード」-「③有料アカウントから無償アカウントへのダウングレード」

「②無償アカウントから有償アカウントへのアップグレード」と「③有料アカウントから無償アカウントへのダウングレード」の比較ですが、google trendの検索数から「② >③」と推測されます。
※無償アカウントへのダウングレードに関する補足
月次解約率は月次契約を対象として計測した場合、コロナ前までは4%弱で、コロナ以降はかなり高くなっているとのことでした。年間契約を対象とした解約率は情報がありませんが、あまり高くないことが予想されるので無視して良いと思います。月次契約が売上高に占める割合は、直近の四半期では36%ですので、もし解約率が10%程度まで上がっていたとすると、四半期の売上高への影響は7%弱になります。

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しかし、今回は保守的に見て「② =③」とし、売上高の増加 =「①新規ダウンロード(有料アカウント)」として考えます。

「①新規ダウンロード(有料アカウント)」については、Sensor towerのダウンロード数の推移を用いて予想します。

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(※)ダウンロード数 前期比の平残増分について
新規でダウンロードした1ユーザーが1ヶ月使用した場合の平残を1としています。月間ダウンロード数は日次のダウンロード数の累計のため、その月の平残は(毎日のダウンロード数を同じと仮定して)ダウンロード数×0.5で計算しました。
ダウンロード数 前期比の平残増分は以下の式で計算しています。
前四半期の1ヶ月目×0.5+前四半期の2ヶ月目×1.5+前四半期の3ヶ月目×2.5
+今期の1ヶ月目×2.5+今期の2ヶ月目×1.5+今期の3ヶ月目×0.5

将来(2020/10,2021/1)の売上高の増分は「売上高増分 / ダウンロード数 前期比の平残増分($)」×「ダウンロード数 前期比の平残増分」で計算します。

まず、2020/10,2021/1に適用する「売上高増分 / ダウンロード数 前期比の平残増分($)」を考えます。
これは、ざっくりというと新規の1ユーザーあたりの月次の支払額を意味します。(※かなりアバウトです。)コロナ前は1ユーザーあたりの支払額は約$1程度となっていましたが、2020/4以降は急速に低下し、2020/7時点では$0.42まで低下しています。コロナ前は主にビジネスユースで使用されていたために有料アカウントの割合が多かったのが、コロナ禍で無料で使用するユーザーが急増したことにより有料アカウントの割合が低下した事が原因と考えられます。
上記を踏まえて2020/10,2021/1に適用する「売上高増分 / ダウンロード数 前期比の平残増分($)」をいくらにするかですが、そろそろ下げ止まるのではないかとは思うものの、保守的に見て$0.3としました。(2020/7時点で$0.42)

次に、2020/10,2021/1に適用する「ダウンロード数 前期比の平残増分」を考えます。
この計算には月次のダウンロード数を使います。現時点では、2020/8までダウンロード数が分かっていますので、2020/9,2020/10以降のダウンロード数を以下のように仮置きしました。
2020/9    :2020/8の1/2
2020/10以降:2020/8の1/4
2020/7 → 2020/8でダウンロード数が落ちていないこと、また、インドや南米ではまだコロナの新規感染者数が減ってきていないことを考えると、2020/9以降のダウンロード数はもう少し多くなるかと思いますが、こちらも保守的に見ました。
2020/9,2020/10のダウンロード数は2020/11末の決算までの間にsensor towerで発表されるので適宜更新して精度を上げます。(こちらのブログで追いかけます。)

上記の前提で計算をした結果、2020/10,2021/1の売上高は以下になりました。
2020/10:$799M
2021/1   :$846M
保守的に計算したつもりでしたが、それでもガイダンスを大きく上回る結果となりました。(会社ガイダンス 2020/10:$690M 2021/1:$708M)この要因は2020/7,2020/8にピークを過ぎたとはいえ、まだまだ多くの新規ダウンロードがあった事にあります。2020/9以降もこの傾向が続くようであれば、次回の決算もかなり期待出来ると思います。

■期待リターン計算

過去の記事(前編後編)でガイダンスをスタートラインとして、5年後、10年後の期待リターンを計算しましたが、上記で計算した2020/10,2021/1の売上高を用いた場合、期待リターンがどう変化するか計算してみました。
※前回の記事と同様に、2021/4,2021/7の2四半期は2021/10→2021/1のQoQ成長率を用いて計算。

▼シナリオ
前回の記事と同じです。

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▼期待リターン
期待リターンは以下のように変化しました。

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期待リターンがかなり増加しました。オレンジ色のセルを見ていただきたいのですが、あまり過度な期待をしていないシナリオ2で、かつ、PSRが過去5年平均の水準に戻ったとしてもこれだけのリターンが期待できるというのはなかなかですね。
また、青色のセルは個別銘柄のシナリオ、PSRの水準の両方をポジティブな条件で計算した結果ですが、上手くいけば5年、10年に渡り驚くべきリターンを得られるという結果になっています。

■まとめ

今回の記事では、売上高の増加はダウンロード数に相関があると考え、Sensor towerから取得したダウンロード数を用いて次回決算の売上高を予想しましたが、いかがでしたでしょうか?
前提や計算過程におかしなところがあれば、ご指摘願います。また、より良い方法を思いついた方がいらっしゃれば、教えていただけると幸いです。

今回は以上となります。最後まで読んでいただきありがとうございました。

今後のモチベーションに繋がりますので、少しでも収穫があればリツイートいいねをお願いします!(笑)

引き続き応援よろしくお願いします。

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