SaaS定点観測マガジン -Peloton- お付き合い始めました編
Twitterでつぶやいていた通り、Pelotonを2020/09/14の引けに打診買いし、2020/9/21の寄付で大きく買い増ししました。
今回の記事では、私がPelotonを購入する過程で調べた事や考えた事をまとめました。今回の投資の結果がどうなるかは分かりませんが、例え失敗したとしても、その過程を振り返って原因分析をする事は、投資家として成長するための貴重な経験になります。そのため、投資前~保有中~売却の過程で考えた事を何かの形で残して置きたいと考えました。
自分の手元にメモとして残しておくだけでも良いのですが、その過程が少しでも皆様の参考になればと思い、noteの記事にして公開する事にしました。(PELOちゃんを登場させたかっただけという説もありますが・・・)
いつもお伝えしている事ですが、あくまでも私の妄想という事をご認識下さい。実際に投資するか否かはご自身で判断していただくようお願いします。(自分で考えて根拠を積み上げた上で投資する癖を付けないと、短期的にはたまたま勝つかもしれませんが、長期的には勝てないと思っています。私の記事は、答えを知るために使うのではなく、ご自身で根拠を積み上げるための材料として使うつもりでお読みいただけると幸いです。)
カバーガールについて
株式は恋人なので、銘柄毎に絵と名前を付けています。この子はPELOちゃんと命名しました。(少し卑猥ですが、PTONだと呼び辛いので!)
Pelotonカラーを使って、髪の毛は黒、瞳は赤にしてみましたがいかがでしょうか。
<目次>
▶Pelotonに関する参考記事の紹介
・プロダクト、サービスの紹介
・投資家目線の評価
・マーケティング目線の評価
・経営者目線の評価
▶リスク・リターン評価
・期待リターン計算
・リスク分析
▶まとめ
▶Pelotonに関する参考記事の紹介
最初に、私がPelotonについて調べる中で特に参考になった記事を紹介します。
Pelotonについては後発組なので、先人達の解説記事を色々と漁らせていただきました。皆様の記事のおかげで、日本では展開していないプロダクトにも関わらず、比較的短期間である程度理解する事ができました。大変感謝しております。
・プロダクト、サービスの紹介(happynecoさん(@happyneconyc))
happynecoさん(@happyneconyc)という方が、Pelotonを実際に使用された感想をまとめてくれています。こちらを見ていただくとPelotonの展開しているサービス内容が良く分かります。
https://happyneco-nyc.com/pelotonbike/
私は週6でジムに通うほど運動習慣を大切にしているのですが、こちらの記事を読んでいるだけで危うくPelotonの信者になりかけました!
信者になってしまうと、購入バイアスがかかり、ポジティブな情報しか見なくなってしまうため、投資をする上では大変危険です。
簡単にコロっといきそうになりましたが、ネットワークビジネスに誘われたり、壺を売られそうになったりするようなタイプではありません。(笑)
・投資家目線の評価1(やすさん(@YasLovesTech))
米国株界隈でおなじみのやすさんの記事です。既に読まれた方も多いかと思いますが、こちらの記事では投資家の目線でPelotonの魅力について解説されており、Pelotonへの投資を検討されている方であれば目を通しておくべき内容となっております。youtubeも聞かせていただきましたが、とにかくPelotonへの愛が凄い(笑)
ちなみに、Pelotonを知るきっかけになったのもやすさんでした。ずっと前から目をつけていて買い増しされているとのこと。目のつけどころがシャープです。いつも面白い銘柄をご紹介していただき感謝しています。
・投資家目線での評価2(aki45さん(@aki35orz))
akiさんの記事も参考にさせていただきました。akiさんは数値関連の解析が秀逸でいつも関心させられております。中でも次回の決算予想に力を入れられていますので(間違っていたらすみません。)、短期的な値動きを気にされる方には特にオススメです。
内容の大半はいたって真面目なのに、何故か替歌や親父ギャグがところどころに入っており、ニヤけながら楽しく読ませていただいております(笑)
・マーケティング目線の評価(ASAYANさん(@atssan))
ASAYANさんという、映画を中心とした調査や分析/映像・アニメのマーケティング(企画・プロデュース/宣伝)をやっている方の記事で、フィットネス業界の未来(日本市場)について分析されています。投資家の目線とは異なる角度から書かれた記事で、フィットネス業界やpelotonの今後の戦略を予想する上で、大変参考になりました。
・経営者目線の評価(hideさん(@hide_sharez)さん)
hideさんという、渋谷でパーソナルトレーニングジム、トレーナースクールを運営されている方の記事です。フィットネスジムの経営サイドからはPelotonがどのように見えているかを調べていて見つけました。日本のフィットネスクラブとの比較した場合の客単価や退会率の分析をされており、大変参考になりました。また、私が知りたいと思っていた以下3点についても記載がありましたので抜粋します。
・バイク購入者の49%は口コミ経由。(2017年は23%が口コミ経由)
・今後、間違いなくヨーロッパでも流行る気がします。
・Pelotonインストラクターのギャラは1セッション(平均30分~45分)で、$500(約55,000円)。年間にすると$300,000(3,300万円)以上稼ぐことも可能。(相当狭き門であり、厳しい品質管理をされていると思われる。)
Gold’s gym→$16 – $40(約1,800-4,400円)/時間、24 Hour Fitness→$18–$28(約2,000-3,000円)/時間、SoulCycle→$130-(15,000円)/クラス
▶リスク・リターン評価
ここまではpelotonの魅力についてお伝えしてきましたが、次に、投資対象としてどうなのか?ということで以下2点について見ていきます。
・期待リターン計算(現在の株価は割高なのか割安なのか?)
・リスク分析(リスク要因は何か?コントロール可能か?)
・期待リターン計算(現在の株価は割高なのか割安なのか?)
先に結論を言うと、以下のシミュレーションから、現在のバリュエーションは割安と判断しました。(株価は9/18の終値89.7で計算しています。)
シミュレーションでは、将来時点の予想売上高成長率と予想PSRを用いて期待リターン(年利)を計算しました。予想売上高成長率には、会社ガイダンス及びseeking αのアナリストの予想を使用しました。予想PSRの算出方法については後述します。
アナリスト予想では、2021年のFWD売上高成長率は33.2%となっていました。2020年のガイダンスが95.8%なので大きく減速するという見通しとなっておりますが、この値を使って計算したところ1年後の期待リターンは19.7%となりました。このリターンは現在の高騰している相場が続くという前提で計算しているため、2割、3割のストレスを掛けた場合の期待リターンを確認すると、-4.2%、-16.2%となりました。
さらに、2022年以降もFWD売上高成長率33.2%が続くと仮定して計算すると、ストレスを3割かけたシナリオでも3年間の期待リターンが14.1%(年利)となりました。これは、1年後に現在の高騰した相場が落ち着いてしまい、市場全体のPSRの水準が現在よりも3割低下していた場合、一時的に-16.2%となってしまうが、そこから2年間我慢して持ち続ければ、14.1%の年次リターンを受け取れるという事を意味します。
※予想PSRの算出方法について
Appleを類似企業とみなし、AppleとPelotonの現時点のFWD売上高成長率、PSRを用いて、FWD売上高成長率に対する予想PSRの計算式を算出しました。その計算式を用いて、Pelotonの将来のFWD売上高成長率に対するPSRを算出しました。
類似企業としてAppleを選定した理由ですが、「saas plus a box」のカテゴリで調べたところ、Roku、Appleが出てきました。Rokuが取り扱う製品は数千円程度のため、ビジネスモデルとしてはAppleに近いはずです。Pelotonが高い売上高成長率をキープする限りはAppleのPSRを下回る事はないと考え、Appleを類似企業とみなしての保守的な予想PSRを算出しました。
また、リスクに見合うリターンを得られるか確認するため、売上高が上振れした場合のシミュレーションもしてみました。
上の表が「今年度の売上高が10%上振れしたケース」で、下の表が「今年度の売上高が10%上振れし、かつ、将来の成長率が上振れしたケース」です。上振れした場合はかなり大きなリターンが期待できることが確認できました。
「Pelotonに関する参考記事の紹介」で確認した通り、非常に魅力的な企業であり、また、コロナ禍の後押しもありますので、個人的には上振れも十分ありえると思っています。
ちなみに、過去の決算(売上高)における「実績 vs 予想」の結果を確認すると、4戦4勝で勝率100%となっていました。この事から比較的慎重なガイダンスを出す企業と考えられるため、ガイダンスが出ているJUN2021までは業績の上振れが期待出来そうです。
上記のシミュレーションでは、売上高が想定以上の減速を行わない限り、リスクは限定的である一方、業績が上振れした場合のリターンは非常に大きいという結果となりました。
・リスク分析(リスク要因は何か?コントロール可能か?)
次に当面の株価に大きく影響しそうな以下2点のリスク要因について考えました。
1、生産が需要に追いつかず、売上高成長の足を引っ張ること。
2、加入数の伸びが鈍化し、将来の売上高がガイダンスやアナリスト予測を下回ること。
1点目についてですが、12月にShin Ji工場を開設する事により年間150万台の生産能力が追加されるとのことで、20年度の接続型フィットネス加入者が約100万人なので、100%程度の加入者数増加には余裕で対応できると思われます。また、「供給が2020/12に正常化する」、「ハードの今後の供給に自信あり」などのコメントもありましたので、あまり心配しなくて良さそうです。
2点目の売上高成長の減速が最大のリスク要因でしょう。過度な高成長を期待されて株価が高騰していた企業が、売上高実績やガイダンスが予想に達しなかった事で、決算発表後に叩き売られた例を過去に幾度となく見てきましたので、なんとかそのリスクを下げる方法はないかと考えました。
色々と調べていくと、SNSのフォロワー数を定点観測していくことで、四半期決算に先んじて加入数の変調に気がつけるのではないかと考えました。
2020/9/22 7:13 FACEBOOK:676,660人 INSTAGRAM:1,004,366人
2020/9/24 7:15 FACEBOOK:677,749人 INSTAGRAM:1,008,313人
※サブスク課金ユーザー数:約109万人
まだサンプル数が少ないですが、FACEBOOKは1日あたり約550人、INSTAGRAMは1日あたり約2000人増加しています。仮に1日あたり2000人増加が1年続いた場合、2000×365=730,000の増加となり(※実際には「増加率」で計算すべき)、恐ろしいペースで増加している事が分かります。
このフォロワー数の推移と業績(売上高)の連動については今後、こちらのnoteで追いかけていく予定です。
おなじみのSimilarWebでiphonアプリのランキングも確認してみました。上記のSNSフォロワー数の方が精度が高いと思いますが、参考程度には使えると思います。
また、「バイク購入者の49%は口コミ経由(2017年は23%が口コミ経由で年々増加している)」とのことでしたので、レビューが高評価をキープしているか確認しておくべきでしょう。どこかレビューを確認できるサイトがないか探したところ、公式HPにありました。点数と書き込みがの両方が記載されていましたので、こちらを定期的にチェックしていこうと思っています。
BikeとTreadで別れており、Bikeは予想通りかなり高い評価になっている一方、Treadは少し低くなっていました。コロナ禍での需要増をさばくためにBikeを優先していたようなので、その影響が出ているのかもしれません。今後の推移を注意深くチェックしていきたいと思います。
▶まとめ
今回の記事では、まず最初にPelotonに関する参考記事を通じて、Pelotonのビジネス内容や魅力について確認しました。その上で、投資対象としてどうなのかについて、将来の期待リターンを計算する事で検証しました。
その結果、売上高が想定以上の減速を行わない限り、リスクは限定的である一方、業績が上振れした場合のリターンは非常に大きいという事が分かりました。
そして、その肝心の売上高の減速、加速については、SNSでのフォロワー数やレビューをウォッチする事で、決算発表に先行して推測出来るかもしれないと考えました。数回の決算を通じてフォロワー数と業績の連動を確認することができれば、リスクを減らしリターンを高められるはずです。
以上のことから、私は現時点(2020/9/18終値89.7)の株価での購入は「割に合う」投資だと考え、通常より大きめの金額を投資することに決めました。
今回の記事は以上となります。今回も5000文字overとなってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。今後のモチベーションに繋がりますので、少しでも収穫があればリツイートやいいねをお願いします!(笑)
引き続き応援よろしくお願いします。
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