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SaaS定点観測マガジン -ZOOM- 前編

今回は今月末に決算発表を控えているZOOMの現況を確認したいと思います。
少し長くなるため、前編と後編の2回に分けてお伝えしていきます。前編ではダウンロード数やレビュー評価等を、後編ではマルチプルやKPIを見ていきます。

カバーガールについて

株式は恋人なので、銘柄毎に絵と名前を付けることにしました。この子はZMちゃんと命名します。(そのままw)
髪の毛はZOOMのカラーである青にしました。また、個人的には真面目な会社(特にCEO)のイメージがあるため、優等生風にしてみましたがいかがでしょうか。

<目次>
・事業内容
・similar web(ダウンロード数、使用率、レビュー評価)
・google trend(検索数)
・trust radius(レビュー評価)
・G2(レビュー評価) 
・gartner(レビュー評価)
・ITreview(認知度、満足度) 
・glass door(社員や求職者による企業の口コミ評価)
事業内容

ZOOMは米国のソフトウェア開発企業です。 クラウドプラットフォームを使用したマルチデバイス対応のビデオ会議、音声会議、チャット、ウェブセミナーなどのビデオコミュニケーションサービスを提供しています。

現在はコロナ禍における特設サイトを開設しており、優先度が高い以下のトピックへの取り組みと事例紹介が記載されています。
https://zoom.us/docs/jp-jp/covid19.html
・プライバシーとセキュリティ
・Zoomを使った教育
・効率的なリモートワーク
・バーチャルイベントの主催
・遠隔医療

各種データを見ていく前に、私の身の回りでWeb会議やZOOMに関して感じている事についてお伝えしたいと思います。

私は勤務先のオフィスが東京にありますが、コロナが流行り始めてからは基本的には在宅勤務が推奨されており、必要があればオフィスにも出社可能という状況です。現在では、週に1~2日程度電車でオフィスに勤務していますが、コロナ疾患数、死者がまた増加傾向にあるにも関わらず、多くの方が通勤されているのを目にします。
そういった状況下での、Web会議の活用状況ですが、オフィスに出社する人が増えてきているとはいえ、在宅勤務を選択するメンバーもまだまだ多く、また、お客様への訪問もお互い自粛しているという状況のため、頻繁にWeb会議が開催されています。そして、その殆どがZOOMで開催されています。
今後についての予想ですが、皆、長期間の在宅勤務で自宅での働き方に慣れてきており、パフォーマンスの面でもオフィス勤務時と遜色ないため、コロナが落ち着いた後も在宅勤務はある程度の割合で続くだろうと予想しています。
また、プライベートにおいてもWeb会議を活用していますが、全てZOOMを利用しています。例えば、ヨガ教室や子供の塾で利用しています。子供の塾ですが、最初は不慣れで集中出来ないようで、教室で学ぶのに比べるとイマイチだなと思いながら見ていましたが、最近は画面越しで講師とやりとりをしっかりとできるようになり、教室で学ぶのと遜色なく学習できているのではないかと思います。
最初に紹介したZOOMの公式HPにも記載がありましたが、塾やヨガ教室を始めとする教育の分野では、Web会議は今後ますます活用されていくのではないかと思います。勿論、開催する側が魅力的なコンテンツを提供するだけでなく、画面越しでも一体感を出して盛り上げていくような工夫が必要かと思いますが、それが可能であれば、オフラインでネックとなっていた場所や教室の広さといった制限が無くなり、より広範囲の人にアプローチできるようになるためです。
例えば、私も実際に利用したことがある子供の塾で探究学舎という塾があるのですが、こちらの塾ではZOOMを利用してオンラインセミナーを始めたところ、海外在住の日本人からも申し込みがあり、すぐに1000人もの応募があったとのことでした。以下に関連記事を載せておきます。こちらの記事を見ていただければ、ZOOMがコロナ禍での一時しのぎとして使われるだけでなく、ビジネス拡大の強力なツールとして今後も引き続き利用される事がイメージできると思います。
探究学舎:https://gendai.ismedia.jp/articles/-/72150


少し前置きが長くなりましたが、各種データを見ていきたいと思います。

similar web

こちらのサイトでは、ダウンロード数、使用率、レビュー評価が確認できます。
まず、最初にApple Appストア@米国 における携帯アプリのダウンロード数のランキングです。

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1位 ZOOM、2位TEAMS(Microsoft)、3位MEET(google)となっています。

次に、Google Playストア@米国 における携帯アプリのダウンロード数のランキンです。

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こちらでは、1位 ZOOMは変わりませんが、2位MEET、3位TEAMSと2位、3位が入れ替わっています。

次に過去28日間のランキングの推移を確認します。

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こちらを見ると、ZOOMはほぼ1位で変わらずなのに対し、TEAMSとMEETのランキングが上がってきているのが分かります。ZOOMがTEAMSとMEETに追い上げられているのか、もしくはWEB会議ツール全体が伸びているかのいずれかと考えられます。(以下に紹介するデータにて後者の可能性が高いと判断しています。)

次に使用率を見ます。こちらはGoogle Playストアのみ確認可能です。

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5位TEAMS、13位ZOOMとなっています。TEAMSは主にビジネスユースなのに対し、ZOOMはビジネス以外での利用も多いため利用率は劣後していると思われます。

更に使用率の推移を見ます。

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ZOOMはここ1ヶ月で使用率が上がって来ています。

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TEAMSは逆に使用率が下がって来ています。ZOOMやMEETにシェアを奪われつつあるのかもしれません。

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MEETもZOOMと同じくここ1ヶ月で使用率が上がって来ています。ただし、MEETの使用率は上記のZOOM、MEETと比較すると格段に落ちます。

また、appストアとgoogle playから以下のデータを取得可能です。

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ZOOMはapp store、google playの両方でTEAMS、MEETと比較して低評価になっています。ZOOMとTEAMSの両方を実際に使っている立場からするとZOOMが使い勝手でそこまで劣るとは思えません。そこで、原因の一つとして考えられるのは、ZOOMはビジネスユース以外の利用目的の個人が大量にインストールしているため、所謂ITリテラシーが低い人達から使い方が分からないと評価を下げられている可能性があります。後ほど紹介するtrust radiusやG2ではそういった層のレビューが含まれないと思われるため、そちらの評価の方が信頼性が高いと考えています。
google playで直近の評価を見ると、バージョンアップしたら上手く動かなくなったとの口コミがいくつかありました。google playは対応の優先度が低いのかも知れません。

google trend

おなじみのgoogle trendです。こちらではキーワードの検索数の推移を確認する事ができます。

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こちらを見ると、ZOOM、TEAMS、MEETの全てにおいて、7末頃から検索数が再び上昇しているのが分かります。先程のsimilar webの情報と合わせて考えると、WEB会議ツール全体でダウンロード数や使用率が再び伸びてきていると考えられます。その中でZOOMは1位の位置をキープしています。

なんで7末からまた伸びてきているのかと思いJohns Hopukins Universityのサイトでコロナの死者と新規感染者数の推移を確認しましたが、あまり関係性は見いだせませんでした。もし理由が分かる方がいらっしゃいましたら教えて下さい。

コロナによる死者数 @US

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コロナによる感染者数 @US

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trust radius

ZOOMのHPにも記載されていますが、ZOOM、TEAMS、MEETで比較すると以下のようになります。

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レビューの評価
1位ZOOM、2位MEET、3位TEAMS
レビュー数
1位ZOOM 1679、2位TEAMS 588、3位MEET 22

G2

こちらもZOOMのHPに記載されていますが、ZOOM、TEAMS、MEETで比較すると以下のようになります。

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レビューの評価
1位ZOOM、2位MEET、3位TEAMS
レビュー数
1位ZOOM 28225、2位TEAM 7262、3位MEET 4286
Reviewer's Company Sizeを見るとZOOMはやはりSmall-Business(従業員50人以下)の割合が多いです。こちらの層は過去データより解約率が高い事がわかっているため、決算発表で注意して見る必要があります。

gartner

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レビューの評価
1位ZOOM、2位MEET、3位TEAMS
レビュー数
1位ZOOM 951、2位TEAM 564、3位MEET 192
評価、レビュー数共に、trust radius、G2と同じ傾向(順位)です。レビュー数は各社を比率で見た場合に、結構ばらつきがあります。
ちなみに、こちらは過去12ヶ月の評価となります。一時期、セキュリティ問題でレーティングを落としているはずですが、それでも1位をキープしています。
ちなみに、過去12ヶ月のフィルターを外すと以下のような結果となります。

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こちらを見るとZOOMが圧勝ですね。直近12ヶ月でレビューの評価の差が縮まってきている原因は、セキュリティ問題に加え、TEAMS、MEETに次々と機能追加され、機能の差が縮まってきているためと考えられます。


ITreview

ZOOMの公式HPに新たに追加されていました。確かIPO時には無かったはず。

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こちらを見ると、認知度、満足度共にZOOMが優位な立場にあることが分かります。ただし、ZOOMより認知度は低いが満足度が高いものがあるので、今後の動向に注意が必要です。


glass door

glass doorは社員や求職者による企業の口コミサイトです。優秀な人材を(できれば低コストで)雇うために、重要な指標となります。
こちらを見るとZOOMは圧倒的に高評価を獲得しています。

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前編はこちらで以上となります。
総評ですが、IPO時に確認していた、製品の優位性、従業員の高い満足度は現在でも変わっていません。TEAMSとMEETが追い掛けて来ていますが、レビュー評価、レビュー数を見ると、まだZOOMの優位は継続しているように見えます。

後編では以下の記事で書いたマルチプルや各種KPIに焦点を当て、今後も引き続き保有していくべきか総合的に見ていきたいと思います。
https://note.com/buy_or_not/n/n47a436afa75c

最後まで読んでいただきありがとうございました。引き続き応援よろしくお願いします。



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