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デザインとアートは違うが、デザインにアートが要らない訳ではない

デザイナーを勉強したての頃、まず言われるのが「デザインはアートじゃないんだ」ってことです。
最初は「カッコいい」とか「かわいい」とかでデザインを作ってしまいがちなので、それを止めさせる為に駆け出しデザイナーに対して言う人が多いのではないでしょうか。

しかし、私は「デザインとアートは違うが、デザインにアートが要らない訳ではない」とも思います。

その二つに線を引き過ぎずに、デザインにアートの要素が加える事が、これからデザインをする為に必要な事だとおもいます。

デザインとアートの関係

「デザインはアートより劣る」
この考え方は、昔からデザイン業界の中に蔓延っていることです。
なぜそうなるのかを考えると、デザインとアートの違いが分かりやすいです。

アートの優れている点は、普通の人が考えもつかないような感情や考えを自己表現として何でも好きに表現できる事です。
一方、デザインの方はどうでしょう?私もデザイナーなのでわかりますが、デザインには色んな制約があります。
クライアント、予算、他の人の協力がいる(アプリのデザインだったら、最後はエンジニアに託さなければならない)、売り上げを上げる必要性、などそれら制作がある事を考えると、アートはとても自由なので、「デザインはアートより劣る」という考えが出てくる訳です。

ですが、もっと昔を辿れば、もともとデザインとアートは「テクネ」という同じ言葉に含まれていた事がわかります。

テクノは、ギリシャ語。「技術・技巧・芸術」をあらわす単語「テクネ」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

そこから、デザインも発展していき、今ではデザインもアート作品として展示される例も珍しくありません。

問題解決と問題提起

これはよくデザインとアートの違いを説明する際に用いられる言葉ですが。

上記の「デザインとアートの関係」で書いたように、アートは表現であり創造なので、自由に何でも行えます。
その一つの面として世の中に対して問いを投げかけます。なので誰しもが理解する必要がないです。

一方、デザインにおいては、問題を解決する必要があります。例えば操作性なら、誰が使っても同じように動き、簡単に、便利に、という事を追求します。

違う言葉で言うなら、「答え」のある方がデザイン、「問い」がある方がアート。
例えるなら、名探偵コナンがデザインで、怪盗キッド(提起)がアートという事です。

デザインにはアートが必要

では、デザインにはアート(問題提起)は必要ないのでしょうか?もちろんそんな事はなく、必要です。

そういう本もあったりします。

なので、デザインの初学者に対して、「デザインはアートじゃない」と言い切ってしまうのは、実は危険な気がして、アートが持つパワーをデザインに生かす事が出来なくなるのでは?と思っています。

デザインする場合、問題解決の為にアートの力(例えば「人の心を揺さぶる」「問題提起」など)を活かせないかと考えてみるとよいと思います。
それを踏まえてデザインを突き詰める事(実際僕が出来ているかは置いといて)を行えば、表現としてのインパクトを持ちながら問題解決を行うことができるはずです。

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