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節分はじーじのお好み焼きと恵方巻。
一年前に骨折した際の手術で埋め込んだプレートを外しました。
週末を絡めて数日の入院のみで済ませはしましたしたが、その前週には土日をまたいで宿泊を伴う社用もあり、年始以降バタバタとした日々。
いつも通りと言えばいつも通り。
久々の実家泊は、それらイベントを終えた2月最初の土日。
いつもなら農作業の手伝いをしている日曜の朝も、ぱらつく小雨のために殆どやることがなく、呆ける時間を贅沢に満喫することしばし。
工具で占領された遊び場で、漠然と昼食・夕食の献立を考えて過ごしているとあっと言う間にお昼直前。
昼はパスタ、夕食は恵方巻にする事にして材料調達に出発です。
日曜のご飯はどうしよう
最近の実家は、じーじがメインの料理番。基本的に、煮物か鍋という選択肢しかないらしく、スーパーの総菜のみとすることも多い様子。
そもそも好き嫌いの多いじーじは、自分で作れる料理のレパートリーが少ないことが目下の悩みらしい。
そのくせ、鍋×2個、包丁、菜箸、炊飯器、ホットプレートなど既に実家にあるはずの器具がやたら増えているからたちが悪い。
ばあばが料理を作っていた頃には、調理器具なんて見向きもしなかったのに・・・と見るたびに思うのです。
12時過ぎに買い出しから戻ると、そんなじーじの調理器具をお借りしてお昼ご飯の準備を開始。
この日のご飯は、2号的手抜きパスタの王道『ナポリタン』。
簡単なパスタといえば、ペペロンチーノも外しがたいのですが、じーじが好むか微妙なので選択肢からは外れます。
しかし・・・茹でてケチャップと絡めるだけなんて素敵すぎ。
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じーじのお好み焼き
ナポリタンを作り初めて数分。
パスタが仕上がる直前、側に居たばあばが急に何かを思い出したようにレンジを開け、何やら得体の知れない物体を引っ張り出す。
実家でよくある【レンジで温めたのに食べるの忘れて数日経過】のパターンが来たと、身構えていると更にその後ろ方じーじの声が聞こえてきます。
『あぁ、昨日の晩飯に俺が作ったお好み焼きだ。たこ焼き粉で作ったヤツだけど。』
それは、2号の知っているお好み焼きとは、見た目も具材も大きく違う物体で、不格好な生地の所々からイイダコの足が見え隠れしている何か(写真撮れば良かったw)。
言われなければ、お好み焼にたどり着くのは難しいと言わざるを得ない代物です。
聞いてもいないのに色々説明してくれたじーじの話を総合すると・・・。
ホットプレートを買った時に付いてたタコ焼き機を使ってみようと思ったら、タコ焼き用のプレートが見つからなくてお好み焼きにする事にした。
タコ焼きを作るつもりだったので、粉はタコ焼き粉を使い、具もタコを入れた。更にコテも無かったので上手くひっくり返す事が出来なかった。
『ソース掛けるならウスターソースがあるぞ!』
見つけてしまったからには無視する訳にもいかず、ナポリタンと共に昼食とする事にして、息子と自分に4分の1づつ取り分け残りをじーじとばあば。
ウスターソース(たこ焼きソースが売って無かったので何故かウスターにしたらしいw)を勧められたが、とんかつソースがあるならその方が良いと答え、マヨネーズを多めにかけて口に運ぶ2号。
この上なく不安そうな息子の視線を感じたので食レポで率直な感想を伝えることに。
『うん。タコがしっかり自己主張しているお好み焼きだね。キャベツはものすごく少ないので存在感ゼロだし、ちょっと水分量を間違えてるからねちこい生地だけど、たこ焼き粉で作ったお好み焼きの味がするよ。大丈夫!!食べられる!』
その言葉に『うん』とだけ答え現実を受け入れる我が子。
しかし、ナポリタン一人前を食した後も、取り分けたじーじのお好み焼きにおける進捗は3分の1から進まない。自分が席を立つ際に『お腹一杯ならおとーちゃん食べようか?』と問い別け、頷く息子からそのまま引き取り、食す事になったのでした。
食事の時間中じーじと目を合わせることの出来ない2号と息子でした。
まぁ、80年以上の人生で、初めて料理と向き合うじーじには、『確かに頑張ってはいるよね』と心の中でエールを送りたい。
恵方巻
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そもそも、生粋の埼玉県民な2号は、恵方巻という言葉自体を認知したのが10数年前の事(耳にしていたかも知れませんが、気にしたことはなかったのです)。
そして恵方巻というより太巻自体が初体験。
一応、ネットで調べてみると恵方巻の具は7種類がスタンダートで、標準的な具材の組み合わせは決まっているらしい。
しかし・・・かんぴょうや穴子は仕込みと入手の問題で見送り。手に入れやすい素材を適当に組み合わせて作ると決めて自分を納得させるのです(笑)。
『はじめて作る』ってそれが工作でも料理でもわくわくです。
予算と相談しながら、スーパーでお刺身と少しの野菜を仕入れ、自分で用意するのは椎茸煮と厚焼き玉子のみと考えてみれば調理工程は簡単。
実際に巻いてみると思ったよりスムーズに進み、あっというまに4本の恵方巻が完成です。
元々恵方巻を食す習慣が無かった2号は、じじばばの食べやすさも考え、普通の太巻きと同じようにカットしてお皿に並べて提供するのでした(笑)。
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節分だから豆まき行ってくる
2号が恵方巻を作り始めると『じゃー、ちっと行ってきちまうかな』と神社に豆まきに行くじーじ。
じーじとばあばの子どもたちが小さかった頃、そして孫たちが小さかった頃には、一緒に神社へ行った記憶があります。
当時は、「子どもを遊ばせるついでに行っているのだろう」くらいに思っていたのに、どうやらじーじとばあばの二人だけになってからも続けていたらしい。
気づいてもいなかったですが。
2号も含めて特に信心深い者などいない家族。
それでも、神社やお寺、道祖神にまつわる地域の行事など、いかにも田舎らしい年中行事と関わりながら生活しています。
文字通り生活の一部なんだろな。
格式や行事の価値なんて言い出せば、それこそ俗的な考えにしか思えないし、自分で寺社仏閣を訪れるのは観光以外にありません。宗教そのものや、それに類することに特別な思い入れもありません。
それでも、そうした風習を守る人々の意識や、そこに込められた礼儀や文化、込められた思いは大切なんだろうと思います。そして、日本人的な宗教"観"に含まれる、先祖の供養や自然崇拝、調和を貴ぶような精神や価値観は嫌いじゃないなと改めて感じる事が多くなりました。
それが月日を重ねたからか、自分の至らなさを思い知らされる機会が増えたからなのかはわからないんですけどね。
おしまい
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