エコトラック 大型LNG車で事業展開
一回の充填で1500キロ走行
㈱エコトラック(池田雅信社長、大阪府門真市)は大型のLNG車(総重量25トン、ウィング)を昨年3月に導入したのに続き、今年4月にも導入する。LNGトラックは現在、北海道で13台実験用として走っているが、実証実験以外で実際に運用させているのは同社だけとなる。
LNGは液化天然ガスでCNGは圧縮天然ガス。元はどちらも天然ガスで、液体か気体かということになる。
同社は、CNGの大型車も7台保有しているが、池田社長はエネルギー効率の面からLNG車に魅力を感じている。
日本は天然ガスをタンカーで液化した状態で輸入し、沿岸の基地からガス管で家庭へ送られる。CNGトラックには液化した天然ガスを気化させ圧縮したものを充填するが、輸入された液化の状態でトラックに充填できれば、無駄なエネルギーを使わずに済むことから、強い関心を示す。
天然ガスは液化すると、気化したものより体積が600分の1になる。そのため、容積面、重量面でもトラックには有利になる。
LNGはマイナス160度の状態を保つ必要があり、2重構造の特殊な燃料タンクを使用する。
無給油で関西から関東への往復が可能
LNG車がCNG車より優れている点は、CNG車は充填時間が20分ほどかかるのに対し、LNG車は10分ぐらいの時間で済む。また、一番の長所は一回の充填で走る航続距離である。
CNGの大型車は燃料タンクが8本備わっているが、LNG車では2本で済み、かつ航続距離が長い。CNG大型車で一回の充填で700~800キロ走るのに対し、LNG大型車は最大1500キロ走る。無給油で関西―関東往復が可能だ。
LNGトラックは13トン半の積載があり、フリーで使っている。難点はLNGの充填所である。LNGの充填所は現在、全国で大阪に1か所しかない。
池田社長は、「カーボンニュートラルのLNGの燃料使っている。CO2排出にカウントされない。今、弊社は『脱炭素への挑戦』を掲げて事業展開している。今後も環境問題に積極的に関わり事業を推し進めていきたい」と話している。(2月20日号)