今注目の「変額保険」とは

生命保険と資産運用の良いとこ取り

インフレ対策にも有効

 低金利が続く中で、資産運用を検討する人が増えている。老後に向けて資産形成を検討しているが、何から始めていいかわからないという人は少なくないだろう。忙しくて運用のことを考えている時間がない、または運用に自信がないという人は、保険会社に運用を任せられる「変額保険」が注目されている。
 変額保険は、生命保険と資産運用が一緒になったような保険商品だ。払い込まれた保険料の一部を、株式や債券等を投資対象として保険会社が運用する。
 経済情勢の変化による金利変動や為替変動で、運用環境が悪化し、払込保険料の合計額が下回ることがあるが変額保険は、長期的な運用によりリスクを減らし資産を増やすことができる。
 また、変額保険は生命保険のため、被保険者が死亡すれば死亡保険金が払われる。死亡保障には最低保証金額があり、他の制度と比較してもしもの時の保障がある点が大きな特徴と言える。
 iDeCoやNISAとの違いはどうなのだろうか。
●iDeCoは掛け金を自分で運用し、その成果を60歳以降に受け取る制度。所得税や住民税を節税しながら老後資金を貯めたい人に向いている。iDeCoでは掛け金が所得控除でき、所得税・住民税が安くなる。これは他の制度にはない仕組みだ。この恩恵は、所得がある人・多い人ほど大きくなる。
●NISAは投資の利益にかかる税金が無期限でゼロにできる制度。株式や投資信託などに少額から投資したい人に向いている。千円程度の少額でも投資が始められる。また、お金をいつでも引き出すことが可能。
 また、年齢の上限がないので、60歳以上など、年齢を気にせずに長期投資したい場合にも利用できる。
●変額保険は保険料の一部を保険会社が運用してくれる。死亡保障を得ながら大きくお金を増やしたい人に向いている。
変額保険での資産運用は、特別勘定を選ぶ程度で、あとは保険会社がやってくれるので、手間がかからない。また、生命保険料控除も受けられるので、毎年の所得税・住民税を減らすこともできる。
 インフレが続く中、変額保険の場合は積極的に資産形成を行なうので、運用次第ではインフレの影響を受けにくいという側面もある。
グローバル・インフレと呼ばれる昨今の世界経済を俯瞰してみると、日本でもインフレが進む可能性は十分にあるため、リスクを考えながら利用すれば、インフレ対策にも活用可能だ。(8月5日号)

トラック運送業界の専門紙「物流新時代」には、
関連記事を多数掲載しています。
試読のお申し込みはこちらまで