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残暑の伊勢神宮美術館

伊勢市内もようやく朝夕は秋の気配が感じられるようになってきました。とはいえ、日中は35度にもなる猛烈な暑さなのに変わりはないのですが。
今日はちょっと趣向を変えて、神宮美術館の訪問記を書きたいと思います。伊勢神宮の内宮と外宮のちょうど中間地点にあって、なかなか気軽に立ち寄れない場所にはあるのですが、1時間あれば十分に見終えることができる、伊勢らしいコレクションの、コンパクトな美術館なのでおすすめです。

神宮美術館は、平成5年に行われた伊勢神宮の式年遷宮を記念して建設された、伊勢神宮が運営する美術館です。
過去から式年遷宮に当たっては、多くの著名な芸術家が作品を伊勢神宮に奉納してきました。それらは、日本画、洋画などの絵画はもちろん、彫刻、書、織物、漆芸や彫金などの工芸品、陶磁器など多種多様で、それらの素晴らしい作品を一般公開する目的で建てられたものです。

この日は、毎年1月に皇居で開かれる歌会始で、令和6年の御題となった「和」にちなんで、「和」をテーマとした作品群の企画展が実施されていました。企画展の看板になっている大山忠作の日本画「朝日に匂ふ」を始め、絵画や書、彫刻、工芸品など34作品が展示されています。

残念ながら館内は撮影禁止なので、様子はホームページを見ていただきたいのですが、いきなり横山大観の絵があると思うと、鶴岡義雄の「古都の夢」というかなり抽象的な絵画があったり、江戸時代の土佐光貞筆の掛け軸があったりと、盛りだくさんです。
大きな美術館の企画展は料金も高く、人も多く、展示作品も多いので、鑑賞するのに結構疲れてしまうことが多いのですが、神宮美術館は入館料なんと500円(税込み)。穴場で人も少ないので、じっくりと作品と向き合うことができます。

さらに、この場所一帯が文教エリアであり、伊勢神宮の歴史的な資料を展示している神宮徴古館や、日本でもほぼ初めての近代的な農業・植物資料館である神宮農業館なども隣接しています。もし時間があれば、これらを回ってもいいかもしれません。ちなみに3館共通入場券は700円で、めちゃめちゃおトクです。

神宮徴古館(じんぐうちょうこかん)
神宮農業館

また、内宮の別宮である倭姫宮もすぐ近くです。歩いて1~2分。

記念に絵ハガキを買いました。

せっかく伊勢に来られたら、こうしたあまり有名ではないけど伊勢神宮や日本の歴史の素晴らしさがわかる場所にも訪れていただければと思います。

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